「世界でたった一つの音」を守るJ-POWERグループの取り組み

湿地に生息する野生動植物を守る

奥只見
イヌワシ

貴重な野生動植物

福島県・新潟県の県境付近に位置する奥只見ダム・大鳥ダムには、ダム下流の山麓斜面の窪地に山の沢水や伏流水、流入土砂の供給等により湿地が形成されました。

環境現況調査の結果、ミズドクサ、ミツガシワ等の貴重植物や、エゾイトトンボ、オゼイトトンボ、ムツアカネ等の貴重動物が確認され、ミズドクサにおいては、「レッドデータブックにいがた」で希少種に指定されるなど、新潟県内では数少ない群生地となっています。

野生動植物を守るための取り組み

湿地復元プロジェクト

奥只見・大鳥発電所

奥只見・大鳥発電所の増設工事では、絶滅に瀕しているイヌワシやクマタカなどの大型猛禽類の保全や、国内初のISO14001認証取得など様々な先進的な環境保全対策が実施され、貴重な野生動植物が生息する湿地環境を復元する取り組みも行いました。

この取り組みは、単に湿地植生を復元池に移植するだけではなく、確認された貴重動物が生息可能な湿地環境を復元する事を目標とし、新しい池を作った後、2年にわたって元の池を埋め立てずに残し、生き物たちが自ら移動できる時間を確保した取り組みでした。

取り組み事例

01

復元池の造成

貴重な動植物が生息できるような環境を構築するため、人工池(復元池)を造成し沢水を引き、早い段階で池としての機能を持たせました。
「復元池」と「既存湿地」を極力長い期間併存させ、生物が自ら移動できる時間と環境を確保しました。
※上記イラストは池を造成した当時のイメージです。

02

植物移植・トンボの移動

復元池への植物の移植を3年かけて実施。モニタリング調査結果を見ながら移植種の数・植付方法を決め、慎重に移植作業を行い、既存湿地から復元池へのトンボの自然な移動を実現しました。

03

豊かな環境を維持

復元湿地は、水深が浅い(最深部約1m)ため、時間の経過とともに陸地化することが懸念され、移植した植物や、保全対象種が生息できなくなるおそれがありました。
そのため、復元湿地完成後もJ-POWERは豊かな環境の保全・維持に努めています。

関係者の声

川内 功氏

地域の方と共に取り組み、
次世代にしっかりバトンを渡す

小出電力所 所長
川内 功

J-POWERグループ従業員をはじめ、小出電力所で作業を行う方には、この地域特有の環境・環境保全の取組みについて教育を行い、現地では自然環境に配慮した作業を行っています。

これは奥只見の大自然を大切にすることで、森とダムの共存共生により、将来に渡って、自然災害に強く安定した水力発電にも繋がっていくと考えているからです。

今後も地域の一員として環境活動に参加し、自然の恵みへの感謝、自然の大切さを地域の方と共に次の世代にしっかりとバトンを渡せるよう取り組んでいきたいと思います。

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