「世界でたった一つの音」を守るJ-POWERグループの取り組み
イヌワシを守る
絶滅危惧種のイヌワシ
イヌワシは、大型の猛禽類で、日本を含むアジア、ヨーロッパ、アフリカに分布しています。
彼らは高い飛翔能力と優れた視力を持ち、獲物を捕らえます。
森林生態系における食物連鎖の上位に位置していることから、生態系のバランスを保つのに重要な役割を果たしています。また、環境の変化に敏感なことから環境省レッドデータブックで絶滅危惧ⅠB類として分類されており、J-POWERの発電設備がある奥只見・大鳥ダム周辺にも生息しています。
イヌワシを守るための取り組み
「自然保護と開発の共存」の事例
奥只見・大鳥発電所は、増設工事によって合計出力742MW となる日本有数の水力発電所です。
この増設工事は1997年に着工し、2003年に完成。増設工事は、絶滅に瀕しているイヌワシやクマタカなどの大型猛禽類が生息する中で行われました。
イヌワシやクマタカの生息及び繁殖活動の維持のため、営巣地の保護とともに、それらの生存を支えている生態系をできるだけ撹乱しないように、下記の環境保全対策を講じました。
取り組み事例
専門家との協力
学識経験者等の専門家から指導を受け適切な調査および評価を行い、その結果を踏まえた保護対策を講じました。
長期に及ぶ観察
着工前の環境現況調査から工事終了後1年間の確認調査を含め、約10年におよぶ観察を行いました。
営巣期の工事の休止
イヌワシの営巣期(11月~翌6月の8カ月間)は、環境変化に敏感になるため、地上での工事を休止しました。
騒音・振動対策
騒音・振動対策イヌワシを頂点とする生態系を保護するために、きめ細やかな騒音・振動や水の汚濁などに対する影響監視ならびに防止措置を実施しました。
工事車両の着色
鳥類がストレスを感じないように、工事車両や仮設備を茶色や緑色に塗装するなど、自然に調和する色彩に配慮しました。
イヌワシを見守る
以上のような方策を施した結果、調査・観察開始後5年間、繁殖に失敗していたものの、着工翌年の2000年に、イヌワシ(奥只見ペア)の幼鳥の巣立ちが確認され、また、2002年にも繁殖に成功しました。
フォトギャラリー
関係者の声
地域の方と共に取り組み、
次世代にしっかりバトンを渡す
小出電力所 所長
川内 功
J-POWERグループ従業員をはじめ、小出電力所で作業を行う方には、この地域特有の環境・環境保全の取組みについて教育を行い、現地では自然環境に配慮した作業を行っています。
これは奥只見の大自然を大切にすることで、森とダムの共存共生により、将来に渡って、自然災害に強く安定した水力発電にも繋がっていくと考えているからです。
今後も地域の一員として環境活動に参加し、自然の恵みへの感謝、自然の大切さを地域の方と共に次の世代にしっかりとバトンを渡せるよう取り組んでいきたいと思います。