人権の尊重

人権基本方針

J-POWERグループは事業活動が影響を及ぼし得る人々の人権を尊重する責任があることを強く認識しており、人権尊重に対する姿勢を明示し責任を果たすため、2022年6月に「J-POWERグループ人権基本方針」を制定しました。本方針は、国際人権章典、ILO国際労働基準、OECD多国籍企業行動指針、国連グローバル・コンパクトの人権に関する原則、および国連のビジネスと人権に関する指導原則などの国際規範を基に定めています。本方針に基づき、サプライチェーンを含むすべてのステークホルダーの人権尊重の取り組みを推進しています。

J-POWERグループ人権基本方針

J-POWERグループは企業理念のもと、事業活動を通じて社会に貢献し、社会と共に持続的に発展していくことを目指します。当社グループの「サステナビリティ基本方針」に基づき、事業活動が影響を及ぼし得る人々の人権を尊重する責任があることを強く認識し、この責任を果たすように努めます。
当社グループは「国際人権章典」(世界人権宣言と国際人権規約)、国際労働機関(ILO)の「労働の基本原則及び権利に関する宣言」、「OECD多国籍企業行動指針」、「国連グローバル・コンパクトの 10原則」、および国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を基に、J-POWERグループ人権基本方針(以下:本基本方針)を定め、人権尊重の取組みを推進していきます。

適用範囲

本基本方針は当社グループ全ての従業員と役員に適用します。また、当社グループのビジネスパートナーおよびサプライヤーに対しても本基本方針を支持し、人権の尊重を努めて頂くよう働きかけていきます。

人権尊重の取組み

  • 当社グループは本基本方針の実行に責任を持つ責任者を明確にし、実施状況を監督します。
  • 当社グループは人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、人権に対する負の影響およびそのリスクについて把握するとともに、その防止および軽減することに努めます。
  • 当社グループの事業活動が人権への負の影響を引き起こす、またはこれを助長したことが明らかになった場合には、適切な手続きを通じて、救済に取り組みます。
  • 当社グループは国際人権基準を最大限尊重し、以下の権利と尊厳を尊重します。
    1. 人身売買及び強制労働、児童労働の禁止
    2. 結社の自由および団体交渉等の尊重
    3. 適切な労働時間の管理、過剰な労働時間の削減
    4. 最低賃金の確保と生活賃金への配慮
    5. 健康かつ安全な職場環境の確保
    6. 個人情報およびプライバシーの保護
    7. あらゆる差別※やハラスメント、いじめ、不公平な扱いの禁止

    ※人種、皮膚の色、性、言語、宗教、国籍、年齢、性的指向・性自認・性表現、障がいの有無、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位またはこれに類するあらゆる事由による差別をいいます。

  • 本基本方針の⼀連の取組みにおいて、独⽴した外部からの人権に関する専門知識を活用するとともに、私たちの事業の影響を受ける人びととの協議を、誠意をもって行います。
  • 当社グループは、本基本方針に基づく取組み状況を定期的に情報開示します。
  • 本基本方針がグループ全体の事業活動に組み込まれ、効果的に実行されるように、適切な研修・教育を行います。

J-POWERグループ人権基本方針(2022年6月28日制定)PDFが別ウィドウで開きます

個別の課題への対応

J-POWERグループは、事業を展開するオーストラリアにおいて、サプライチェーン上の強制労働等の防止に関する法令である「豪州現代奴隷法」に則り、必要な情報を開示しています。
また、「子どもの権利とビジネス原則」を支持し、子どもの権利を尊重しつつ事業活動の実施に努めます。

推進体制

J-POWERグループは、人権尊重の取り組みを実効的に推進するため、経営層による監督のもと、監督責任者の配置や経営資源の確保を行い、推進体制を整備しています。

取締役会による監督

人権尊重に関する重要事項は、取締役会の監督下にあります。ESG総括(社長)が監督責任を担う「サステナビリティ推進会議」において人権課題を審議し、その結果を取締役会へ定期的に提案・報告しています。取締役会はこれらの報告に基づき、人権尊重に関する方針や施策について適切な指示を行うことで、グループ全体のガバナンスを確保しています。

実務運用を推進・監督する体制

  • 執行レベルの監督責任者:ESG総括(社長)が人権尊重に関する執行レベルの監督責任を担っています。サステナビリティ推進会議を通じて、人権尊重に関する取り組みの方針や進捗を監督し、必要な経営資源の配分を行います。
  • 実務推進および管理組織: 「サステナビリティ推進会議」の下部に設置された「人権部会」において、各部門から参加したメンバーにより人権課題の特定や施策の検討を全社横断的に実施します。
  • 主管部所と専門リソース:経営企画部を事務局とし、人権デュー・ディリジェンスの実施や情報収集を担う専任体制を整備するとともに、必要な経営資源を配置しています。経営企画部は人権部会を運営し、各部門や事業所と連携しながら、人権方針の周知や具体的な改善アクションの検討・推進を行っています。

人権尊重の取り組み体制

人権尊重の取り組みの全体像

人権デュー・デリジェンス

J-POWERグループは、人権デュー・デリジェンスのプロセスを通じて特定された優先度の高いリスク項目に対し、負の影響を回避・予防・軽減するための具体的な措置を講じています。

人権リスクの特定・評価

J-POWERグループは潜在的な人権に対する負の影響およびリスクの把握を行うため、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」等の国際ガイドラインに基づき、外部専門家の協力を得ながら人権課題を整理しました。2023年度は、社内人権リスクを洗い出すためにアンケートおよびヒアリングを実施し、その結果および当社事業や電力業界、当社特有の状況を踏まえて、人権リスクの評価(リスクマッピング)を行い、リスクの高い項目を特定しました。リスクの高い項目を優先的に、予防・軽減対策を検討のうえ実施しています。また年度末には取り組みの実効性評価を人権部会にて実施し、その結果を取締役会へ報告、次年度の取り組みへ反映しています。特定された人権リスク項目については人権リスクマップをご参照ください。

人権リスクマップ

リスクマップ作成の考え方

  • 縦軸:深刻度、横軸:発生可能性とし、優先順位付けの判断基準は経済産業省「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のための実務参照資料」を参照。
  • 深刻度は、上記基準に基づき、規模・範囲・是正不能性をそれぞれ、高度、中程度、低度と設定し、評価を実施。
  • 発生可能性は、上記基準に基づくとともに、社内アンケート回答結果を数値化し評価を実施。

特定された主要な人権リスク項目

J-POWERグループは、事業活動の特性およびステークホルダーへの影響度等の要素を考慮し、以下の項目を自社グループにとって顕著な人権リスクとして特定しています。

  • 労働安全衛生
  • 地域住民の権利・環境汚染
  • ビジネスパートナー/サプライヤー管理
  • ハラスメント
  • 差別的対応・表現
  • 長時間労働

特定された人権リスクの防止・軽減の取り組み事例

J-POWERグループは特定した人権課題リスクに対して、防止・軽減措置を講じています。

多様な人財へ配慮した安全・安心な職場環境づくり

外国人、シニア層、未熟練者など多様な人財に配慮した安全対策を推進しています。安全標識等の多言語化やeラーニング、災害再現動画の活用などにより安全教育の充実を図るとともに、作業場の照度確保や転倒防止対策などを行っています。 海外拠点の現地作業員等にも対しても危機体感研修を実施しており、作業現場における危険認識の向上および安全意識の醸成に寄与しています。

AIを活用した労働災害削減の取り組み

過去の工事・作業計画書を生成AIに学習させ、現在実施中の工事・作業の安全管理に活用するシステムを開発・運用しています。また、現場における不安全な行動を検知するAIシステムの開発に取り組んでいます。

このほか、統合報告書では各人権リスクに関する取り組みを紹介しています。

J-POWERグループ統合報告書

ステークホルダーとのエンゲージメント

ステークホルダーに対する人権尊重への期待

  • 当社は公式ウェブサイトにおいて、人権基本方針を日本語・英語で公開しています。国内外の地域社会や投資家をはじめとするステークホルダーに対し、広く人権尊重へのコミットメントを示すとともに、透明性の高い情報開示に努めています
  • J-POWERグループ人権基本方針では、ビジネスパートナーおよびサプライヤーにも本方針への支持と人権尊重の実践を期待しています。また「調達の基本原則」において人権尊重や労働安全衛生の確保を定めるとともに、主要な取引先へ「人権尊重に向けた取り組みに関するお願い」を送付するなど、人権尊重への理解と協力を働きかけています。これにより、サプライチェーン全体で人権尊重の考え方を共有し、人権リスクの低減を推進しています。

具体的なエンゲージメントの例

  • パートナー企業との意見交換会:パートナー企業の従業員の人権(労働安全衛生、適切な労働条件)を確保するため、定期的な意見交換会を実施し、設備・運用面への要望や工期・コスト・人材確保など様々な課題を聞き取り、把握に努めています。また、パートナー企業に対しても外国人労働者を含む作業関係者への安全教育の充実(研修・動画等)および安全管理支援ツールの提供等も行っています。
  • サプライヤーの視察:国内外のバイオマス燃料の調達先に対しては毎年視察を実施し、工場や従業員の安全衛生、森林の維持状況、地域とのコミュニケーションなどについて定期的にヒアリングや意見交換を行っています。
  • 外部イニシアチブへの参画:「国連グローバル・コンパクト」に参画し、最新の国際標準や他社の先進事例を取り入れることで、当社のエンゲージメント活動の高度化を図っています。

人権・コンプライアンスに関する研修・教育

役員・従業員に対し、人権基本方針の理解を深める研修をはじめとして、コンプライアンス、ハラスメント、ダイバーシティなど人権尊重に関する知識を得られるよう、さまざまな研修を実施しています。
人権の尊重は当社グループのコンプライアンス行動指針にも定められており、本指針は全従業員に配布されています。また、グループ全従業員に「コンプライアンス・アンケート」を実施し、従業員の意識やコンプライアンスリスク、環境変化を定期的に把握し、施策の展開に活かしています。

主な研修実績(2025年度)

階層別研修
  • 新入社員研修および管理職研修にて人権、コンプライアンス、各種ハラスメント防止にかかる講義を実施(363名参加)
人権&コンプライアンス研修
  • 対象機関勤務の従業員を対象に、人権、コンプライアンス、各種ハラスメント防止にかかる講義を実施(48名参加)
eラーニング
  • グループ役員・従業員を対象にハラスメント防止に係るeラーニングの実施(修了者延べ6,456名)
  • グループ役員・従業員を対象にビジネスと人権に係るeラーニングの実施(修了者延べ6,043名)
勉強会・講演会
  • グループ従業員を対象としてコンプライアンス違反防止に係る研修を実施(開催2回、参加者延べ1,098名)
  • グループ会社と共同でダイバーシティ講演会を実施(60名参加)

人権に関する苦情処理制度および救済

苦情処理制度(人権に関する相談窓口)

J-POWERグループは、事業活動に伴う人権への負の影響を特定・是正し、影響を受けた個人および地域社会を救済するため、人権問題に関する苦情処理制度を構築しています。

下記の相談窓口では、人権侵害、あるいはその恐れがある当社企業グループの業務や従業員の行動等について、当社、グループ会社、協力会社、取引先の従業員および役員の皆さまから相談を受け付けております。(相談の日から1年以内に従業員及び役員であった者を含む)
機密性および匿名性の保証、報復禁止の徹底し、 相談者のプライバシーおよび秘密情報は厳重に管理され、匿名での通報も受け付けています。相談において、プライバシーは厳重に保護されるとともに、相談者が当社から不利益になる取扱いを受けることはございません。

(窓口の対応に関する留意事項)
当社に関連のない通報、または個人への誹謗・中傷等への対応はいたしかねます。
返信を差し上げられない場合もございます。
お返事を差しあげるのにお時間をいただく場合がございます。
コンプライアンス相談窓口 compliance_jpower@jpower.co.jp
ハラスメント相談窓口 harassment@jpower.co.jp

2025年度の受付件数は以下の通りです。

相談・通報の区分 2025年度
コンプライアンスに関する相談 13件
ハラスメントに関する相談 35件
(合計) 48件

是正・救済

相談・通報を受けた際は、速やかに事実確認を実施し、課題の把握と是正に取り組みます。万が一、当社グループの事業活動が人権への負の影響を引き起こす、またはこれを助長したことが明らかになった場合には、適切な手続きを通じて、救済に取り組みます。

人権侵害問題の発生状況

2025年度において、J-POWERグループの事業活動に関連し、法的措置を伴うような重大な人権侵害問題(強制労働、児童労働、人身売買、先住民族の権利侵害等)は発生していません。

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