台湾における大規模ガスコンバインドサイクル火力発電IPP事業への参加について
平成14年12月17日
電源開発株式会社
 当社は、今般、台湾嘉義県の嘉恵[チアフイ]電力公司(IPP事業会社)に資本参加することとしました。嘉恵電力公司は、台湾カギケン嘉義県ミンションゴウ民雄郷(台北市から南西へ約200km)に出力67万kWのガスコンバインドサイクル火力発電所を建設し運営するIPP事業会社です。既に平成14年1月に着工し現在順調に工事を進めており、平成16年3月に営業運転を開始する予定です。

当社は同公司との間で「技術サポート契約」を締結し、複数の技術者を派遣し、建設及び運転初期段階において技術面におけるサポートを行ないます。

 現在同社の株式の99%は台湾第二位のセメント会社であるアジアセメント社(本社:台湾台北市)が保有しておりますが、当社はそのうち40%相当を購入することとし、平成15年1月目途に全額を一括して払い込む予定です。さらに当社はチアフイ電力公司が予定している今後の増資についてもその40%を引き受ける予定であり、最終的には当社の投資総額は約80億円となります。これは、海外の発電プロジェクトに投資する金額としては、当社において過去最大となります。

今回の資本参加については、
  1. 台湾は、アジアの経済先進地域の一つで投資格付けも高く、リスクの低い有望候補地域であると考えられ、また今後の成長性も期待できること。
  2. 台湾電力との間で25年間の長期売電契約(PPA)が締結済であること、中国石油公社との間で25年の燃料購入契約を締結済であること等、安定した事業環境が確保されており、当社の収益基盤強化に資すると考えられること。
  3. 事業パートナーとなるアジアセメント社は、台湾大手財閥である遠東グループ傘下の中核上場企業で財務状況も良く、優良なパートナーとしての関係構築が期待できること。また、同社は中国本土でのセメント事業を含めて広く事業を展開中であり、将来的に当社と共同での様々な事業機会が期待されること。
等の意義を有するものと判断し、出資を決定したものです。

当社は、これまでも台湾において10数件のコンサルタント業務を実施してきておりますが、台湾におけるIPP事業への参加は今回が初めてとなります。

今回のプロジェクトへの参画に先立ち、当社は海外投資事業推進体制の整備の一環として、効率的な投資を行うために、平成14年11月に当社は海外投資法人「Jパワーインベストメント社」(当社100%子会社)をオランダに設立しており、今回の出資は同社を通じて行なう予定です。


なお、本事業への参画により、当社が海外において係る発電所は11箇所(運転中7件、建設中3件、計画中1件[参考1])となります。
1.嘉恵LNGガスコンバインド火力発電所の概要
地点 台湾嘉義県民雄郷
タイプ ガスコンバインドサイクル
出力 67万kW
燃料 天然ガス(中国石油公社との間で25年の調達契約を締結済)
スキーム BOO方式(Build, Own and Operate方式)
販売先 台湾電力と25年間の売電契約(PPA)締結済
運転保守 ゼネラル・エレクトリック社(GE)の運転保守会社へ委託
総事業費(予定) 144億台湾ドル(約500億円)[1台湾ドル3.5円で換算]
工程 2002年1月 着工済
2004年3月 営業運転開始(予定)
2.嘉恵[チアフイ]電力公司の概要
名称 Chiahui Power Corporation
所在地 台湾嘉義県民雄郷(台北市から南西へ約200km)
設立 1996年4月設立
社員数 約30名
資本金 授権資本金43億台湾ドル(約150億円)
払込資本金32億台湾ドル(約112億円)
出資比率
(当社参入後)
アジアセメント社(含関連会社)−59%強、
その他個人株主−1%弱
当社−40%
事業内容 嘉恵ガスコンバインド火力発電所の建設・運営主体
役員構成 アジアセメント社3名、当社2名、計5名(当社参入後)
3.海外投資法人の概要
名称 J-Power Investment Netherlands B.V.
設立年月日 平成14年11月25日
所在地 オランダ、アムステルダム市
資本金 授権資本金70百万ユーロ(約88億円、1ユーロ=125円換算)
株主構成 電源開発株式会社 100%
設立目的 海外プロジェクトへの出資等
業務運営 邦銀のオランダ現地法人に日常の事務は委託
役員 取締役(非常勤)電源開発株式会社 2名
取締役(常勤)オランダ居住者  1名
[参考資料1]当社の海外IPPプロジェクトの現況(平成14年12月現在)

[商業運転中]

  1. フィリピン・レイテ地熱発電事業(4.9万kW)
    • 当社の出資比率は10%
    • 10年1月に商業運転開始(当社は9年5月より資本参加)。
  2. タイ・タイオイルパワーガスコージェネレーション事業(11.4万kW及び蒸気141.5トン/時)
    • 当社の出資比率は19%
    • 10年4月に商業運転開始(当社は13年4月より資本参加)。
  3. タイ・インディペンデントパワーガス火力発電事業(70万kW)
    • 当社の出資比率は11%(タイオイルパワー社を通じての間接出資)
    • 12年8月に商業運転開始(当社は13年4月より資本参加)。
  4. 中国・天石ボタ焚き火力発電事業(5万kW)
    • 当社の出資比率は24%
    • 13年5月に商業運転開始(当社は12年12月より資本参加)。
  5. タイ・ガルフガスコージェネレーション事業(10.7万kW及び蒸気32トン/時)
    • 当社の出資比率は49%(ガルフエレクトリック社を通じての間接出資)
    • 10年9月に商業運転開始(当社は13年11月より資本参加)。
  6. タイ・ノンケーガスコージェネレーション事業(12.7万kW及び蒸気26トン/時)
    • 当社の出資比率は49%(ガルフエレクトリック社を通じての間接出資)
    • 12年12月に商業運転開始(当社は14年11月より資本参加)。
  7. タイ・サムットプラカンガスコージェネレーション事業(12.2万kW及び蒸気35トン/時)
    • 当社の出資比率は49%(ガルフエレクトリック社を通じての間接出資)
    • 11年8月に商業運転開始(当社は14年11月より資本参加)。


    [建設中]
  8. タイ・ラヨンガスコージェネレーション事業(11.6万kW及び蒸気30トン/時)
    • 当社の出資比率は20%
    • 現在は、15年1月の商業運転開始に向け建設中。
  9. タイ・ロイエット籾殻火力発電事業(0.995万kW)
    • 当社の出資比率は26%
    • 現在は、15年4月の商業運転開始に向け建設中。
  10. 台湾・嘉恵(チアフイ)ガスコンバインド火力発電事業(67万kW)
    • 当社の出資比率は40%(Jパワーインベストメント社を通じての間接出資)
    • 現在は、16年3月の商業運転開始に向け建設中。


[計画中]
  • インド・ラマグンダム石炭火力事業(52万kW)
  • 当社の出資比率は11%
  • 建設期間の施工監理、完工後の発電所の運転保守を行う現地法人を別途設立し業務履行する予定。
  • 現在、インド側銀行団の融資契約に係る最終調整を実施中であり、調整終了次第、工事着工予定。
  • 商業運転開始は平成17年以降を予定
海外IPPプロジェクト位置図(584kb)
お問合せ先
J−POWER 広報室 升井 TEL 03-3546-2211
以上
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