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タイ国・ロイエットもみ殻火力発電所の建設着工について
当社が、タイ国において、2000年4月にタイ国最大の民間発電会社であるEGCOと共同で現地持株会社(資本金:約5億円)を設立し、計画・推進しておりましたバイオマス発電IPP事業につきまして、今般、ロイエット県におけるもみ殻火力発電所(出力約1万kW)の建設工事に着手致しました。
運転開始は2003年4月を予定しています。
本事業は、SPPプログラム(小規模発電事業者買取保証制度)に基づき、EGAT(タイ国発電公社)に電力を卸販売するものです。
タイ国は世界第6位の米生産国であり、特にロイエット県を中心とするタイ東北部は同国有数の穀倉地帯でありますが、精米後のもみ殻については野焼きされる等、その処理が問題となっています。
そのような状況下おいて、本事業は、これらのもみ殻を商業用に有効利用するタイ国における最大規模のもみ殻発電事業となるものであり、また当社にとっては、国内及び海外における初のバイオマス発電事業になります。
本発電所の着工により、当社の海外でのIPP事業は7件目(運転中4件、建設中2件、計画中1件)となります。
※SPPプログラム:小規模発電事業者買取保証制度
SPP(Small Power Producers)プログラムは再生エネルギーや廃棄残余燃料の利用を促進するとの観点から、9万kW以下クラスの小規模な事業者が発電し、それをEGATに売電することを認める政策に沿って1992年に制定された法律制度である。具体的には(1)水力・風力・ミニ水力発電、(2)バイオマス発電、(3)火力・コージェネ(熱電併給)システムのいずれかによって発電した電力をEGATが買電する。2000年10月時点では、43の発電所(179.4万kW)が電力供給を行っている。
1.事業の概要
地点 |
タイ国ロイエット県ロイエット市郊外(バンコクから北東約510km) |
タイプ |
もみ殻燃焼火力 |
出力 |
0.995万kW |
燃料 |
ロイエット県最大の精米会社より出されるもみ殻
消費量:最大日量約306トン
年間約83,000トン[想定利用率:約75%] |
スキーム |
BOO方式(Build, Own and Operate方式) |
販売先 |
EGAT(タイ電力公社) 0.88万kW |
事業会社名 |
Roi-Et Green Company Limited(2000年7月設立) |
運転保守 |
ESCO社(EGCOの子会社) |
総事業費 |
約600百万バーツ(約18億円:1バーツ3.0円で換算)[出資3:借入7] |
融資 |
タイ国産業金融公社(IFCT)よりプロジェクトファイナンスにより調達。 |
EPCコントラクター |
住友商事(株)・タイ明電舎(株) |
工程 |
2001年06月 融資契約締結
2001年10月 工事着工
2003年04月 運転開始(予定) |
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2.現地事業会社の概要
名称 |
Roi-Et Green Company Limited |
所在地 |
タイ国バンコク市 |
資本金 |
約180百万バーツ(約5.4億円:1バーツ3.0円で換算) |
出資比率 |
現地持株会社「EGCO Green Company Limited」 95%(約5億円相当)
現地精米会社「Sommai Roi-Et Rice Mill Limited Partnership」 5%(約0.4億円相当)
※ 現地持株会社「EGCO Green Company Limited」は、電源開発(株)26%(約1.3億円相当)及びEGCO(Electric
Generating Public Company)74%(約3.7億円相当)の出資により、2000年4月に設立。 |
事業概要 |
発電設備の建設・運営及び電力の販売 |
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タイ国バイオマス発電プロジェクト・スキーム図 |
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