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瀬戸石ダム・発電所の状況について(2022年4月付)

2022年4月28日
電源開発株式会社

当社瀬戸石ダム・発電所(熊本県葦北郡芦北町・同県球磨郡球磨村)は、令和2年7月豪雨で被災して以降、球磨川流域の安全・安心を最優先に復旧作業を行ってまいりました。
今般、発電設備は、運転に必要な状態に復旧することができ、来る5月6日(予定※注)より貯水を開始し、その後実際に水を利用しての試験(有水試験)等を実施できる運びとなりました。
長い間、流域の皆さまにはご心配をお掛けしましたが、ご理解・ご協力を賜り感謝申し上げます。引き続き流域の安全・安心に十分配慮して進めてまいります。

以下に、瀬戸石ダム・発電所の球磨川流域の安全・安心に向けた取り組み状況、発電再開に向けた作業予定等についてお知らせいたします。

※注:本資料に記載の予定日については、降雨状況等によりやむを得ず変更となることがあります。最新情報について、今後もホームページでお知らせいたしますのでご確認ください。

  1. 流域の安全・安心に向けた取り組み状況
    1. 瀬戸石調整池の堆積土砂排除
      堆積土砂について、昨年度は約9万m3の排除等を行いました。【資料1】
      当社は予てより堆積土砂の排除に取り組み、2012年度のピーク時の量から約4割減少してきております。今後も、国や県が進める流域治水対策に沿って、計画的に排除を進め、また、その土砂を国や県等の公共事業に提供するなど、有効活用にも努めてまいります。
    2. 下流警報設備の状況と瀬戸石ダムの運用情報
      下流警報設備については、昨年5月までに原形復旧を優先して行いました。その際、可能な範囲で装置の取付位置を高くする対策を行っています。なお、令和2年7月豪雨と同規模の出水が発生した場合には、一部の警報設備は浸水するおそれがあるため、更なる改善としてより高い場所に移設するための適地を選定中で、可能となった箇所から順次移設を行います。
      また、瀬戸石ダム放流量(貯水開始まではダム地点の河川流量)は、引き続きテレホンサービス、ケーブルテレビでも確認できます。【資料2】※1
      なお、4月1日より、国土交通省ホームページ「川の防災情報」にて、瀬戸石ダムデータ(貯水位・流入量・全放流量・ダム地点時間雨量)をご覧いただけるようになりましたので、ご利用ください。


      ※1:これまで実施してまいりました、SNSサービスのツイッターについては、「川の防災情報」への掲載以降は情報提供を終了しました。長らくご利用いただきまして有難うございました。

    3. 瀬戸石ダムの安全性
      ダムの継続的な安全性確認のため、3月に変位測量等を実施しました。今回の調査結果でも特に変化は認められず、あらためて問題がないことを確認しております。【資料3】
      また、新たに導入した衛星測位システムにより、リアルタイムでのダム堤体変位計測も可能となりました。今後も、安全性に関する調査・確認を継続してまいります。
      この他、当社は地震や洪水の発生に備え、瀬戸石ダムの耐震性や安定性を調査し、想定される最大規模の地震や観測史上最大の降雨量を記録した令和2年7月豪雨を含む最大規模の洪水に対してダムは安全であることを確認しております。
    4. ホームページ「瀬戸石ダム・発電所に関するお知らせ」
      昨年リニューアルしました「瀬戸石ダム・発電所に関するお知らせ」※2について、調整池の堆砂状況やダムの変位測量結果などの最新情報を適宜掲載・更新しております。今後も、瀬戸石ダムのライブカメラ情報の公開※3などメニューの充実を図ってまいります。


      ※2:「瀬戸石ダム・発電所に関するお知らせ(9月30日)」(当社ホームページ)
      ※3:当社ホームページ以外の媒体でも検討中

    5. 令和2年7月豪雨災害後の主な取り組み(まとめ)
      (ダム・調整池)
      ・ダム・調整池の護岸は貯水を行うにあたり安全な状況であることを確認しました。
      ・ダムゲート操作体制を強化しました(操作要員の配置ルール等の見直しなど)。
      ・ダムゲート操作用予備電源装置を令和2年7月豪雨での洪水位よりも高い場所に移設しました。
      ・治水協力に基づく事前放流における空き容量確保に必要となる周辺の網場設備を改造しました。【資料4】
      ・衛星測位システムによるリアルタイムでのダム堤体変位計測を開始しました。

      (下流警報設備)
      ・下流警報設備(ダム管理所操作設備含む)の浸水対策※4を実施しています。


      ※4:復旧時に取付け位置を高くする対策を可能な範囲で実施しました。より高い場所への設置について今後実施予定です。

      ・河川流量急増時の下流へのアナウンス方法を改善しました(一斉放送運用)。

      (情報発信)
      ・取り組み状況等をホームページやチラシでお知らせしています。
      ・ダム地点流量の情報提供方法を多重化(ケーブルテレビ等)しています。
      ・国土交通省ホームページ「川の防災情報」に瀬戸石ダムデータを掲載しています。
  2. 発電所の運転再開予定等
    1. 今後の作業予定
      発電設備を復旧した後、電力系統(送電線)からの動力用受電や発電設備の動作確認等の各種試験などを実施し、貯水が安全に実施できることを確認したことから、5月6日(予定※注)より、下流への水供給を確保しながらダムゲートを閉め、調整池の貯水を開始します。
      貯水にあたっては、ダムや調整池の護岸に異常がないことを十分確認しながら行います※5
      順調に貯水した場合、発電設備等の実際に水を利用しての試験(有水試験)を5月17日(予定※注)から実施します。その際、ダム下流の水位変動が伴いますので河川内に入られる方は十分ご注意願います。
      試験完了後、発電運用を再開いたします。その時期は出水状況にもよりますが、5月末を予定しています。
      なお、貯水中に降雨・出水があった場合には、流入量相当のダム放流を行うこととし、ダム地点の流量が毎秒134トンを超えると想定される場合にはサイレン吹鳴、アナウンス放送および下流パトロールを行います。出水後はダムや護岸に異常がないことを確認します。
      発電再開後は、従来から行ってきた農業用水・工業用水への供給等の地域協力に努めるとともに、再生可能エネルギーとして電力の安定供給に貢献してまいります。


      ※5:異常が確認された場合には貯水を中断するなどの措置を行います。

    2. ダムの連絡橋の通行
      ダムの連絡橋は、最寄りのダム上下流の道路橋が流出している中、周辺地域の生活に欠かせないことから、地元の方など許可車両等のみ通行可能※6としております。
      今後、上下流の道路橋の開通状況を考慮し復旧作業に着手する予定ですので、引き続き十分気を付けて徐行運転でお願いします。【資料5】


      ※6:許可車両・緊急車両を除き、一般の方の通行はご遠慮いただいております。

当社は、今後も流域の皆さまの安全・安心のために必要な対応や改善を継続してまいります。

以上

添付書類

【資料1】 瀬戸石ダム 堆砂排除実施状況(PDF:564KB)

【資料2】 瀬戸石ダム 球磨川増水時のお知らせ(PDF:500KB)

【資料3】 瀬戸石ダム ダムの変位測量(PDF:404KB)

【資料4】 瀬戸石ダム 事前放流による治水への協力(PDF:277KB)

【資料5】 ダム連絡橋の状況(PDF:576KB)

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