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スペイン国における風力発電会社の買収について
平成15年3月5日
丸紅株式会社
電源開発株式会社
丸紅株式会社(社長:辻亨、以下「丸紅」)と電源開発株式会社(社長:中垣喜彦、以下「J-POWER」)は、今般、スペイン国ガリシア州において約6.4万kW(3発電所・風車97基)の風力発電設備を有する風力発電事業会社「SEC社」を買収しました。買収総額は76.5百万ユーロ(約100億円)になります。
具体的には、丸紅とJ-POWERの共同出資(丸紅50%:J-POWER50%)で同国に設立済の持株会社「SEC HoldCo社」がプロジェクトファイナンスを組成の上、世界有数の風車メーカーである同国Gamesa(ガメサ)社から、「SEC社」の全株式を買い取るものです。
![](images/news198_sosiki.gif) |
スキーム図 |
地球温暖化対策に積極的なEUは、既にEU指令の形で、再生可能エネルギーの導入に対しても数値目標(EU全体で2010年までに全エネルギー消費の12.5%を再生エネルギーで賄う)を設定しています。今回両社が風力発電事業に参入するスペインでは、こうした動きを先取りする形で1990年代前半から再生可能エネルギー促進に向けた法整備が進められており、風力発電を中心とした開発が進められています。その結果現在ではドイツに次ぐ世界第2位の風力発電大国(2002年度末総設備容量:480万kW、ドイツは1,200万kW)となっており、さらに2010年までに1,200万kWとする計画で、各種案件の開発が民間レベルで進められています。
丸紅では、EU各国で再生エネルギーの推進及び、そこから発生する電力・各種ベネフィット(グリーン証書、環境税免税特典)の流通に向けた制度の整備が進められていることから、こうした事業環境下で以下のような案件に取り組んでいます。
- スペイン・英国・ドイツでの風力発電案件の開発
- 英国における中小発電会社からの電力及び付随ベネフィットの販売事業
- 欧州復興開発銀行(EBRD)と協調した、中・東欧でのESCO事業への投資
J-POWERとしては、本事業への参画により、風力発電所としては7箇所目(運転中5件、建設中2件)、さらに海外における風力事業は今回が初めてとなります。また、海外において係る発電所は14箇所目(運転中11件、建設中2件、計画中1件)、さらに欧州(アジア以外)での発電事業も今回が初めてとなります。JPOWERは、半世紀に亘って国内において培ってきた経験を最大限活用し、今後も国内外において風力を含めた新たな発電事業を積極的に拡大させ、新たな収益事業を育てていきたいと考えています。
別 紙 |
![](/comimg/spacer.gif) |
1.風力発電設備の概要
(1)Monte Seixo-Cando(モンテ・セイシオ・カンド)風力発電所
場 所 |
スペイン国ガリシア州 |
出 力 |
24,420kW(660kW×37基) |
風車メーカー |
スペイン国ガメサ社製 |
運転開始日 |
1999年12月 |
設備利用率 |
約3割(2002年実績) |
年間平均風速 |
約8m/s(2002年実績) |
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(2)Serra Do Cando(セラ・ド・カンド)風力発電所
場 所 |
スペイン国ガリシア州 |
出 力 |
24,420kW(660kW×37基) |
風車メーカー |
スペイン国ガメサ社製 |
運転開始日 |
1999年12月 |
設備利用率 |
約3割(2002年実績) |
年間平均風速 |
約8m/s(2002年実績) |
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(3)Outeiro Do Coto(オテリオ・ド・コト)風力発電所
場 所 |
スペイン国ガリシア州 |
出 力 |
15,370kW(660kW×22基プラス850kW×1基) |
風車メーカー |
スペイン国ガメサ社製 |
運転開始日 |
2000年9月 |
設備利用率 |
約3割(2002年実績) |
年間平均風速 |
約8m/s(2002年実績) |
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2.SEC HoldCo社の概要
名 称 |
SEC HoldCo,S.A |
所在地 |
スペイン国ガリシア州(2002年設立) |
資本金 |
3,625千ユーロ(買収完了時点) |
出資比率 |
丸紅50%/J-POWER50% |
事業概要 |
SEC社の所有 |
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3.SEC社の概要
名 称 |
Sistemas Energeticos Cando,S.A |
所在地 |
スペイン国ガリシア州(1998年設立) |
資本金 |
6,191千ユーロ(2003年2月時点) |
出資比率 |
SEC HoldCo,S.A 100% |
事業概要 |
上記3風力発電設備の所有・運営及び電力の販売 |
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