インド国アンドラプラデシュ州配電改善計画調査に関する
コンサルタント業務の受注について
平成14年11月15日
電源開発株式会社
当社は、このたび、国際協力事業団(JICA)より、インド国アンドラプラデシュ州における配電改善計画調査に関するコンサルタント業務を受注しました。

本件調査の主業務は、アンドラプラデシュ州における電力の信頼度向上を目的として、配電ロスの実態調査を行い、同調査結果を踏まえ最適な配電設備構築方法の提案および既存のSCADAシステム*1改善案について、技術的・経済的に実施可能な計画を策定すると共に料金制度および料金徴収制度改善案を策定することです。

本調査は本年10月より2004年3月まで18ケ月にわたって実施する予定であり、今年度分の受注額は約1億円です。
本調査の受注により、当社の海外コンサルティング業務実績は、累計で58ケ国203件目(インドにおいては9件目)となりました。

1.本調査実施の背景
インド国における総発電設備出力は1980年から2000年までの20年間で約3倍に増加しましたが、その一方で慢性的な電力不足と電力の信頼度の低さの解消が課題となっています。アンドラプラデシュ州でも電力需給状況は同様ですが、送配電ロスが35%、うち配電ロスが30%に達する状況にあり、配電ロスの低減が重要課題となっています。

国際機関による従来の送配電改善調査においては、電力ロスの大部分を占める低圧線を含めた配電線のロス分析は行われておらず、今後ロス率の低減を実現していくに当り、低圧線を含めた配電線におけるロスの現状分析と原因の究明、対策が必要な措置と判断されました。

アンドラプラデシュ州は低圧線を対象とした配電ロス低減対策の立案と配電ロス低減のための技術移転を国際協力事業団へ要請してきました。国際協力事業団は平成14年5月に予備調査団を派遣し、本調査の妥当性を確認しました。

国際協力事業団はこの予備調査の結果を踏まえて本年9月に調査実施に関するコンサルタントを選定し、当社が指名され、今般、諸条件で合意に至ったことから受注の運びとなったものです。

2.本調査業務の概要
本調査では、特に、配電ロスの低減が重要課題となっている地域の電力の信頼度向上を図るため、同州イーストゴダバリ、クリシュナ、ランガレディ、メダク、アディラバッドの5郡およびSCADAシステムによる配電管理が既に実施されているハイデラバード近郊のうちいずれかをモデル地域に選定し、その地域を対象とした配電に関わるマスタープランを作成することとしています。また、同時に、本件調査終了後アンドラプラデシュ州側が独自にプログラムを実施できるよう、当該調査を通して関連する技術の移転及び技術者の育成を行います。また、本調査の結果をインド国他州で配電改善対策のモデルとすることも目指します。
各調査の具体的な業務内容は以下のとおりです。

(マスタープラン作成)
  1. 配電ロスに関する既存データの分析と評価
  2. 既存SCADAシステムの評価
  3. 現行の料金徴収システムの評価
  4. 選定された調査対象郡内のロス発生量の推定
  5. SCADAシステムの機能向上検討と改善策の提案
  6. 郡内の最適な配電設備構築方法の提案
  7. 実施計画の策定(工事計画、投資計画等)
  8. 料金徴収システム改善案の提案
  9. 経済・財務分析
*1 SCADAシステムとは、通信設備を用いた遠隔データ収集、及び制御を行う設備の総合的な管理システム(supervisory control and data acquisition system)
以上
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