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フィリピン共和国「北ルソン風力発電事業」に係る
調達実施支援調査の受注について
〜東南アジア地域における初の商業ベースの風力発電事業〜
当社は、このたび、国際協力銀行より、フィリピン共和国「北ルソン風力発電事業」に係る調達実施支援調査業務を受注しました。
当社が行う主な業務は、実施機関であるフィリピン石油公団−エネルギー開発公社(PNOC‐EDC)*1が初めて行う風力事業についての入札関連手続き支援業務です。
本業務は本年9月より実施中で、2003年7月まで10ケ月にわたって実施する予定です。
本業務の受注により、当社の海外コンサルティング業務実績は、累計で58カ国202件目(フィリピンにおいては16件目)となりました。
「北ルソン風力発電事業」について
本事業は、2002年3月に、国際協力銀行とフィリピン石油公団エネルギー開発公社間で、総額約59億円を限度として締結された特別円借款事業です。
本事業は、ルソン島北部地区(イロコスノルテ州)において、約4万kW規模の風力発電所および近傍の基幹送電線までを結ぶ約42kmの送電線等を建設することにより、電力供給の拡大、環境負荷の少ない国産エネルギー資源の開発を図ることを目的としているものです。
また、本事業は、東南アジア地域における初の商業ベースの風力発電事業であり、再生可能エネルギーの実用事業として、化石燃料依存の低下と共に環境負荷の少ない風力利用による地球温暖化防止(CO2排出抑制)に貢献することが期待されます。なお、風力エネルギーは同国の有力な潜在エネルギーとして、将来の普及に対する期待も大きいものがあります。
本事業実施の背景・経緯
- フィリピンにおいては、電力需要の高い伸びが見込まれますが、現在、全エネルギー消費量の約6割を輸入石油、石炭に依存しており、国産エネルギー開発による輸入エネルギーへの依存低下を目指しています。それとともに風力発電を始めとした再生可能エネルギーへの期待も高いものとなっています。
- フィリピン政府は本事業に必要な資機材・役務の購入資金を日本政府に求め、約59億円を限度とする円借款資金供与が合意されました。
- 本件コンサルタント業務については、PNOC‐EDCが調達手続きを適正かつ迅速に行うため、国際協力銀行より事前資格審査手続き支援および入札手続支援に関する本件調査に、当社が指名され、契約を締結することとなりました。
当社が行うコンサルタント業務概要について
- 契約相手方:国際協力銀行(JBIC)
- 業務の内容:風力発電設備に係る設計・資機材調達・工事および送・変電設備に係る資機材調達・工事の請負業者との国際入札手続に係る
- 事前資格審査書類・入札書類の作成支援
- 事前資格審査評価・入札評価支援
- 業務期間:2002年9月より10カ月
*1フィリピン石油公団−エネルギー開発公社(PNOC‐Energy Development Corporation)とは、フィリピン政府全額出資のフィリピン石油公団、Philippine National Oil Company(PNOC)が100%資本を保有する会社で、主として、地熱エネルギーおよび地熱発電所を開発し運営する関連会社として、1976年に設立されました。以降同社は、現在までにフィリピン全土に、約115万kWの地熱を開発しています。フィリピンは、米国に次ぐ世界第2位の開発実績を有しています。
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