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NEDO「共同実施等推進基礎調査」の受注について
−アラブ首長国連邦アブダビ発電所周辺施設における地域冷房事業−
当社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)殿が実施する「平成14年度共同実施等推進基礎調査」に対して、「アラブ首長国連邦アブダビ発電所周辺施設における地域冷房事業」調査を提案したところ、このたびNEDO殿より受託することとなりました。
本件は、NEDO殿が、将来のわが国の「共同実施(JI)」または「クリーン開発メカニズム(CDM)」に結びつく有望なプロジェクトの発掘およびその実現を目指す日本法人を支援することを目的として調査テーマの公募を行い、提案のあった案件から採択した31件のFS調査のひとつです。調査期間は来年3月31日までとなっています。
「アラブ首長国連邦アブダビ発電所周辺施設における地域冷房事業」概要について
調査対象となるプロジェクトは、アラブ首長国連邦首都であるアブダビにあるアブダビ天然ガス発電所(総出力48万kW)において遊休施設となっているガスタービンを活用してコージェネレーション事業を行なうことにより、周辺の官公庁施設や民生施設に冷水を供給しようとするものです。
本コージェネレーションシステムの導入により、供給施設の冷房効率は、現状のシステムに比較して2〜3倍と飛躍的に向上します。コージェネレーションは発電した電力と、発電時に生じる排熱を利用して効率向上を図るもので、本プロジェクトは、発電した電力で電動冷凍機を、排熱で吸収式冷凍機を稼働して、周辺施設に冷水を供給する地域冷房事業です。
アブダビ天然ガス発電所は、現在夏期の電力需要ピーク時のみの運用となっており、アブダビで計画中の高効率発電所の竣工を待って処分される予定です。そこで、当社は発電所を管轄するAbu Dhabi Water & Electricity Company (ADWEC:アブダビ電水庁傘下の事業関連を手掛けている会社)に対して、住友商事株式会社と共同で処分予定のガスタービンを利用した地域冷房計画を提案したところ非常に興味を示し、本FS調査をNEDO殿の公募に応募したところ採択されたものです。
利用するガスタービンは、3万kW×1台で、供給対象は46,000冷凍トン(USRT: 1USRT=12.7MJ)を想定して事業性・CO2削減効果等を検討します。
[省エネルギー及びCO2削減効果]
本事業を実施することによる省エネルギー効果は、原油換算で年間3万トン程度、CO2削減効果は年間3万7千トン程度と想定されます。
[参考] |
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アラブ首長国連邦
国の概要
首都 |
アブダビ(1971年首長国が連邦国家として独立) |
面積 |
8.4万平方キロメートル(日本の北海道とほぼ同じ) |
人口 |
281.5万人(1999年) |
民族構成 |
アラブ人 |
言語 |
アラビア語(公用語) |
政体 |
7首長国による連邦制 |
通貨 |
ディルハム(1米ドル=3.6731ディルハム:2001年7月現在) |
GNP |
486.7億米ドル(1999年) |
一人当たりGNP |
1万7870米ドル(1999年) |
気候 |
砂漠気候で高温多湿 |
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アブダビ市
市の概要
面積 |
6.7万平方キロメートル |
人口 |
24.3万人(1999年) |
主な産業 |
石油産出が中心 |
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