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米国インダス社との提携によるCMMSソフト販売・導入支援事業の実施について
先般(5月22日)、電源開発株式会社とインダス社[Indus International Japan,Inc.](本社:千代田区麹町、社長:Kent Hudson)は、インダス社製CMMSソフト「EMPAC」の日本国内における販売・導入支援事業について、業務提携契約を締結しました。
これを受けて6月より、当社は、(1)CMMSソフトの販売活動の支援と(2)販売したソフトを客先に導入する作業の支援という2つの事業を開始しました。
CMMS(Computerized Maintenance Management System)ソフトとは
- CMMSとは、欧米の装置産業を中心に発達してきた設備の保守管理システムで、企業活動の維持コストを削減するためのアプリケーション・ソフトウェアです。
- 欧米の設備や施設を保有する企業では、これらの設備等を経営上の資産と見なして維持・運営することが経営戦略上重要であるとするのが一般的です。これらのねらいを特に設備維持・運営の分野で実現するために、業務処理をIT化によって、標準化・自動化・計数化することを可能ならしめるソフトがCMMSなのです。
- もともとは設備・作業のためのデータ管理等から始まりましたが、現在では、設備管理、保守作業管理、資材の調達・在庫管理等を含めた機能をもつパッケージソフトになり、EAM(Enterprise Asset Management)とも呼ばれています。
- CMMSの起源は米国において1970年代の業務自動化にさかのぼり、パソコンの急速な普及が進んできた中で、企業の事業展開や業務処理に「IT化」が不可欠であったことが伺えます。
- CMMSは競争の厳しい石油精製などの規制緩和が求められる分野を始めとし、食品、化学、交通、軍など様々な分野で採用され用いられています。欧米が先行してCMMSを導入・運用していますが、オセアニアの鉱山や食品、東南アジアでは欧米系企業で採用されており、近年では香港空港でも採用されています。
わが国における導入動向と今後の対象市場について
- 日本市場においての大規模導入事例は当社のみであります。その他の事例では小規模・部分的導入に留まっており、日本のCMMS市場は、現時点では未開拓の状態にあります。
- そこで、当社は、
- 欧米におけるCMMS市場動向から想定される日本での潜在需要への期待。
- 世界でのCMMS業界におけるインダス社の指導的地位。
- 当社自身が、インダス社製「EMPAC」日本版の最初のユーザーであり、その自らの導入経験により得られた知見を直接的に活用できること。
等を勘案し、インダス社からの要請もあったことから、提携契約を締結することとしたものです。
- 「EMPAC」のようなCMMSソフトウエアの導入が適している業種、即ち営業対象としてポテンシャルがある産業には、以下のようなものが考えられますが、当面は当社としての強みが最も発揮できる電気事業分野を最初のターゲットとして営業活動を行なう予定です。
- 保守された設備の運用で収入を得る業種
例:発電会社(電力会社、公営電気事業者)、鉄道会社、空港管理会社、石油精製プラントなど
- 保守管理すべき設備を有する公益部門
例:水道、ゴミ焼却場など
- 設備の保守サービスを提供する業種
例:電気設備保守会社、ビルメンテナンス会社など
エンジニアリング業務の受注拡大について
- 当社は、昨年5月、「卸電気事業競争力の徹底強化」と「国際事業・新事業の拡大推進」を二大経営方針とする「新経営方針」を発表しました。
- また、本年4月より、全社利益の最大化を図ることを目的として事業部制を導入し、「国際事業・新事業の拡大推進」の一翼を担う事業部として新たにエンジニアリング事業部を設置しました。
- エンジニアリング事業部は、電気、機械、土木、建築、地質、環境、調達等の広範な分野の専門技術者から構成されております。今後は、約半世紀に亘る自社の電力プロジェクトを通じて培った経験とノウハウを有するこれらの人材を活用して、電気事業分野にとらわれることなく、あらゆる分野における事業培養、営業活動を進め、外部受注の積極的な拡大を目指します。
お問合せ先 |
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−担当部署問合せ先−
電源開発(株)エンジニアリング事業部IT・システム事業グループ
担当:小野山、田澤BR> TEL :03-3546-3224(直通)
E-Mail:kazuyuki_tazawa@jpower.co.jp
−報道機関問合せ先−
電源開発(株) 総務部広報室[担当:西井]
TEL:03-3546-9378(直通)
参考資料1 |
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CMMSソフトの導入効果について
- 情報管理、特に、維持保全業務の履歴情報の収集と分析において、大きな役割を果たしてくれるのが、CMMSです。
- CMMSは、設備運営・維持にかかわる個々の業務の組織やプロセスを電子化によって合理化するだけはありません。業務完了に至るまでの履歴が正確に記録されるので、収集されたデータを分析・評価することにより組織的PDCAを実現し予知保全等の継続的改善が円滑に行えるようになります。これらは、企業の経営層にとって、貴重な財務上、経営上の情報となるのです。
- 期待される効果をまとめると、以下の項目があります。
- 知識・技術データーベースの確立
- 組織内情報の共有化
- 組織的PDCAによる業務の継続的な改善
- パッケージ導入他社ベストプラクティスの活用
- コストダウンと製品/サービスの品質の維持向上
- 次に設備維持保全業務のうち修理作業を一例にとり、CMMSを導入した場合の業務フローの変革状況を見てみます。
保守点検で得られた修理作業要請はCMMSによって受け付けられ、同時に設備・機器・建物毎に設定されたベストプラクティスの情報(標準作業)を引き出して、作業計画が電子的に作成され、スケジューリングの後、作業員が派遣され、重複や遅滞なく作業が実施されます。
作業に必要な機材や備品の在庫管理や発注も連動してより正確に効率的に行われます。
作業員は作業終了後その結果をシステムに入力して手続きを完了し、これらの内容はコストを含めてデータベース化され、サーバーに貯えられます。
組織内においては、それぞれ設備・機器・建物毎等に、各種情報ともリンクされて、最適な作業のプロセスやコストを割り出すことができ、これを更にデータベース化できるので、業務の継続的な改善・改革が進むことになります。
- 定量的な効率化活用事例をインダス社のパンフレットより下記に抜粋します。
- 操業およびメンテナンス・コストを10年前の75%に削減(大手エネルギー会社)
- 1事業所あたりの在庫数を42%削減,生産性30%向上(大手電力会社)
- 5年間で残業86%削減(大手電力会社)
参考資料2 |
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インダス社について
(1)会社概要 |
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1. |
会社名:Indus International, Inc. |
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2. |
所在地:本社米国アトランタ。世界12個所に事務所 |
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3. |
従業員:およそ1000人 |
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4. |
その他:今回の提携契約先であるIndus International Japan, Inc.は上記Indus
International, Inc.の100%子会社であり、社長は親会社の社長であるMr. Kent
Hudson氏が兼務している。 |
(2)事業概要 |
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1. |
CMMS及EAM分野で25年の歴史を持つ(商品名EMPAC他) |
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2. |
世界におけるEAMビジネスのリーダーを自認 |
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3. |
規制緩和に伴うBPR、その他設備運営に関する全てのソリューションを提供 |
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4. |
大規模設備運営事業のEAM分野が主(電力、防衛、石油ガス、金属鉱山、製紙等) |
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5. |
顧客数は300以上。世界43カ国1100箇所の事業所に何らかの形でINDUS社製品が導入されている。(ユーザー数300000以上) |
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6. |
INDUS社事業の60%は電力産業向け。主な電力系顧客は以下の通り。
AEP、TVA、BC hydro、Nuclear Manag. Co.、 Southern Cal. Ed.、BPA、他 |
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7. |
電力におけるシェア例:英国の原子力分野:19基のうち16基にINDUS製品実装。 |
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8. |
全世界におけるシェア |
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9. |
同社システムは各種ERPシステムとの綿密な連系が可能(ORACLE,SAP,他) |
(3)財務内容(単位:千米ドル 2000年12月末現在)
- 売上高 145,689
- 当期利益 (58,775)
- 総資産 140,732
- 資本金 68,957
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