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			中国山東省泰安揚水発電所建設計画に関するコンサルタント業務の受注について
 
			当社は、このたび、山東泰山揚水発電所有限責任公司より、中国山東省泰安市郊外5km地点に建設される出力100万kW (4 x 25万kW))の揚水発電所計画(2000年度円借款案件)に関するコンサルタント業務(詳細設計レビュー・施工監理業務等)を受注いたしました。当社が行う主な業務は、国際競争入札手続きに係わるサポート、詳細設計のレビュー、施工監理業務、環境事項に関するアドバイス、研修生の受け入れ等です。
 本業務は本年8月より2006年末まで65カ月にわたって実施する予定であり、受注金額は約2億円です。
 本業務受注により、当社の海外コンサルティング業務実績は、累計で58カ国189件目(中国においては20件目)となりました。
 
			1. 本計画実施の背景・経緯
			
			中国は、高い経済成長を支える原動力として電源の開発を重視してきた結果、最近の10年間で発電設備容量を約2.4倍、発電量を約2.1倍増加させるなど著しい実績を上げました。しかしながら、電源の開発において質や効率性よりも量的な拡大に重点を置いてきたために、未だに供給能力不足の地区が残存する内陸部の水資源は有効利用されないまま中国全体における石炭火力発電所の比率が高くなり、環境問題、石炭の輸送問題等が深刻化しています。このような状況下、中国では揚水発電や貧困・農村地区における小水力発電を含むクリーンエネルギーの拡充等、電力構造の調整を促進することが重視されています。山東省においては2000年の最大負荷(ピーク)が1,330万kW、最小負荷(ボトム)が830万kW(その差は500万kW、最大負荷の約36%)になると見積もられており、今後もその格差は増大する傾向にあります。同省では、ほとんど全ての電力供給を火力発電所に依存しており、ピーク・ボトム差に応じた出力調整を火力発電所の運用により対応しているため、それらによる維持・運用コストの増大が懸念されています。泰安揚水発電計画は、大気汚染が深刻さを増している山東省において100万kWの揚水発電所を建設することにより、環境に配慮しつつ、急増するピーク負荷に対して効率的な電力供給の実現を図り、もって同省の経済発展に資せんとするものであります。中国政府は本計画の建設資金を日本の円借款に求め、180億円を限度とする資金供与が合意されました。計画実施主体である山東泰山揚水発電所有限責任公司は本年6月から、本計画に関するコンサルタント選定のための入札を行い、当社が第1位に指名され、交渉の結果、契約条件につき合意に達し契約締結に至ったものであります。 
			2.発電所計画の概要
			本計画は既設ダムを下池とし、上池を新設し、220mの落差を利用して最大出力100万kWの揚水発電を行うものである。計画諸元は以下の通りである。
 
 
 
			
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					| 設備出力 | 100万kW (4 x 25万kW) |  
					| 流域面積 | 上池:1.432km2; 下池:84.53 km2 |  
					| 洪水量 | 上池:76 m3/sec; 下池:1,490 m3/sec |  
					| 最大使用水量 | 548 m3/sec |  
					| 有効落差 | 220m |  
					| 年間発生電力量 | 1.3382×109 kWh/year |  
					| 上池 | コンクリート遮水型ロックフィルダム 高さ: 99.8m
 堤長: 547 m
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					| 下池 | 既設「大河ダム」 |  
					| 発電所 | 地下式 |  
					| ポンプ水車 | 立軸フランシス可逆式 4基 |  
					| 発電機・モーター | 3相シンクロナス発電機4台 27.8万kW (発電機) および27.4万kW (モーター)
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