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本四連系線増架工事の終了及び運転開始について
当社は、これまで、本州と四国間を50万Vで系統連系している本四連系線(四国電力株式会社讃岐変電所〜中国電力株式会社東岡山変電所)の増架工事を行ってまいりましたが、本日、通産省の使用前検査に合格し、運転を開始いたします。これにより、回線数が1回線から2回線へ、また送電容量が120万kWから240万kWとなりました。
本四連系線は、平成6年に1回線が完成し、本州と四国を結ぶ連系線として電力の安定供給と広域運営に寄与してまいりましたが、現在、当社と四国電力(株)が進めている橘湾火力発電所の建設に伴い、増強を行う必要が生じたため増架工事を行ってきたものです。
増架工事は、架空線区間とケーブル区間に分けて進めてまいりました。この内、架空線区間は、工事の効率性を考慮して1回線工事に併せて施工いたしました。又、ケーブル区間は今回の竣工時期に併せ、平成8年10月に着工したものです。
これにより、昭和55年の計画決定から約20年に及ぶ本四連系線工事は全て完了し、中国地方を東西に走る西地域連系線と四国地方を東西に走る四国中央幹線が50万V・2回線で結ばれ、西地域の電力系統の安定化と広域運営のより一層の充実が図られることとなりました。
【特徴】
- ケーブル区間は、瀬戸大橋に添架する橋梁区間と地中に布設する陸上区間がありますが、そのうち橋梁区間の工事につきましては、気温の変化による熱伸縮や橋桁のたわみ及び列車、自動車等の走行による橋の振動に耐えられる布設方法を採用しました。橋梁添架ケーブルとしては橋梁の規模、ケーブル長、電圧とも世界最大級のものとなっております。
- 陸上区間の工事につきましては、地上のマンホールよりケーブルを引入れますが、この際には道路の通行規制が必要となります。
今回工事では、工事時の周辺道路への影響を極力少なくし、工事の安全性や効率性を図るため、ケーブルドラムの運搬面で制約の少ない区間においては、従来のケーブル単長500mの2スパン分に当たる1連続長1,000m程度の長尺ケーブルを1ドラムで布設いたしました。
- 電力ケーブルに使用する絶縁紙は、1回線設備と同様に、クラフト紙の間にプラスチックフィルムを挿入して3層を密着させ1枚の紙とした半合成紙を採用して、絶縁厚さの低減及び重量の軽減を図り、その結果、コストダウンと送電容量の増加が可能となりました。
- 架空線区間は亘長約105kmで鉄塔基数は259基、中でも岡山水道横断部分は50万Vの海峡横断として国内最大規模になります。
【主な緒元】
亘 長:127km(架空電線路:105km、地中電線路:14km、橋梁添架電線路:8km)
電 圧:50万V
回線数 :2回線
鉄塔基数:259基
送電容量:240万kW
ケーブル:OFケーブル(半合成絶縁紙)
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