中国・太原第一火力発電所での簡易脱硫実証試験の終了について
平成11年4月23日
電源開発株式会社
当社は、平成11年3月31日、中国山西省太原市の太原第一火力発電所で実施していた低品位炭脱硫技術実証試験の現地運転試験を終了しました。

地球温暖化、酸性雨等の地球環境問題が顕在化する中、通産省は日本のエネルギー・環境保全技術を活用してアジア諸国に総合的な支援を行う「グリーン・エイド・プラン」を推進していますが、この実証試験は、その一環として、硫黄分の高い低品位炭の脱硫技術に関し、石炭火力の環境対策に豊富な経験を有する当社が委託を受けて、平成4年度から実施しているプロジェクトです。

実証試験では、実際に硫黄分の高い石炭を燃やしている中国国内2カ所の石炭火力発電所の協力を得て、それぞれ異なった方式の簡易型脱硫装置を設置して長期間運転し、高硫黄炭の燃焼に伴う、装置の脱硫性能の確認、耐久性の確認、最適運転条件の確認等を行うことが中心となります。
今回終了したのは、このうち第二地点の太原第一発電所12号機(出力30万kW) で実施していた現地試験で、脱硫効率80%程度の簡易型湿式石灰石石膏法の脱硫装置を設置して、平成8年4月から3年間にわたって日中共同で実証試験運転を行ってきました。

この試験結果については、今後日中で評価作業を行い、今年度中に評価報告書をとりまとめることとしています。なお、第一地点の山東省青島市の黄島発電所4号機(出力21万kW) で実施していた半乾式スプレードライヤー方式については、既に昨年3月末に現地運転試験が終了し、昨年度中に評価が行われました。

今後は、これらの評価をもとに、より効率性・信頼性の高いシステム構成を検討することを中心に、これらの装置の技術性・経済性について総合的な視点から評価を行い、将来の導入に備える予定です。
以上
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