「高効率RDF発電システム」の発電実証試験開始について
当社では、このたび、若松総合事業所(福岡県北九州市若松区)で実施中の「新型廃棄物固形化燃料利用発電システム実証試験(高効率RDF発電システム実証試験)」に、発電出力600kWのタービン並びに発電機を追設し、総合的なRDF発電システムによる負荷運用性試験等を開始いたしました。
この実証試験は、通産省資源エネルギー庁の補助事業として平成7年12月から取り組んでいるもので、平成9年12月から本格的な燃焼試験運転を開始し、現在までに累計で約4,400時間の運転を行い、家庭ゴミを対象とした固形化燃料(RDF:Refuse Derived Fuel)約3,400トンを燃焼してきました。RDFについては、その製法や家庭ゴミの地域特性等による違いを把握するため、複数地域で製造されたRDFを使用しましたが、いずれについても良好な燃焼結果が得られており、目標蒸気条件である蒸気温度540℃、蒸気圧力9.8MPa(100kg/cm2g)を達成しております。また、併せて燃焼装置各部の腐食性やばい煙処理性能等についても確認を行っておりますが、特にダイオキシン類の排出濃度については、大気汚染防止法の規制値0.1ngTEQ/m3Nを満足する結果を得ております。
今般、これら燃焼試験装置及び排煙処理試験装置システムの検証に加えて、燃焼から発電迄の一環したシステムの検証を目的に、タービン・発電機の追設工事を実施し、2月25日、電気事業法に基づく使用前検査に合格したことから、今後は一般廃棄物からのRDFを使用する日本で初の発電設備として実証試験を行うことになったものです。なお、発生した電力については全て実証試験設備の所内動力として使用する予定となっています。
この試験装置については、出力規模が小さく放熱損失も大きいこと等から、発電効率は15%程度となっていますが、今までの燃焼試験の結果からは、5万kW程度の実機規模であれば従来の火力発電所並の発電効率である35%程度は達成可能との結論を得ております。
平成11年度の主な実証試験内容としては、(1)RDF発電の負荷調整性能確認試験、(2)RDF規格化のための燃焼データの収集を目的とした補完試験、(3)耐腐食性、環境特性の向上を目的として実施する試験装置の一部改造後の性能確認試験、を行う予定としております。
[別紙] |
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【高効率RDF発電システム試験概要】
試験実施場所 当社若松総合事業所(福岡県北九州市若松区柳崎町1番)
試験の主な工程
平成07年12月〜平成08年03月 |
燃焼試験装置等設計 |
平成08年02月〜平成09年09月 |
燃焼試験装置等製作・据え付け |
平成09年12月〜平成10年11月 |
燃焼試験運転 |
平成10年12月〜平成11年02月 |
タービン・発電機追設工事 |
平成11年02月〜平成12年03月 |
発電実証試験運転
(※平成11年4月〜7月の設備改造による停止含む) |
平成12年03月 |
総合評価 |
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所要資金 総額約50億円
試験装置(今回追設分)
〔タービン・発電機〕
・製作者:三菱重工業(株)
・タービン:横型多段衝動式復水タービン
・発電機:回転界磁三相交流同期発電機
・タービン出力:600kW
・発電機容量:750kVA
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