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コスタリカ国ピリス水力発電計画に関する
コンサルタント業務の開始について
当社はこの度、コスタリカ電力公社(以下「ICE」という)より受注した、コスタリカ国ピリス水力発電計画の詳細設計及び施工監理に関するコンサルタント業務を開始しました。
当社が行う業務は、ICEの要請に応えて、本計画における詳細設計のレビュー及び施工監理の技術的助言を行うものであります。
本業務は、本年7月より実施中で、2009年6月まで6年間にわたって実施する予定です。
本業務の契約金額は、約8億円となります。
本計画は、高さ100mを超えるコンクリートダム、延長11キロメートルのトンネル、そして800mを超える高落差を利用した出力12万8000キロワットの同国内有数の水力発電計画です。
1 本業務実施の背景
コスタリカ国は、現在エネルギーの約45%を輸入に頼っていることから、エネルギー政策の重点を国産エネルギーの開発に置き、輸入エネルギーを代替することにより外国への過度の依存から脱却し、社会経済の均衡ある発展を維持することをその政策目標としています。
具体的な国産エネルギーとしては、未だ一割程度しか開発されていない豊富な水力資源と、ニカラグア国境地域を中心とした地熱資源があり、ICEは積極的にその開発を進めています。
本計画は1989年から1992年にかけて日本政府の技術協力案件として国際協力事業団(JICA)ベースでフィジビリティ調査が行われ、当社がコンサルタントとして参加しました。これに引き続き、実施主体であるICEは追加地質調査工事を行った後、1995年から1998年にかけて当社の技術助言を得ながら基本設計業務を実施しました。
基本設計報告書を基にコスタリカ政府は日本政府に対し本計画建設に対する円借款の要請を行い、2001年4月に総額166億8,300万円を限度とする円借款がコスタリカ国に供与されることが決定しました。
ICEは本計画実現に向けて、引き続き当社に対して詳細設計レビュー及び施工監理に関する技術的助言を特命で要請してきました。契約交渉を行った結果、契約条件につき合意に達し、受注の運びとなりました。
2 本計画の概要
本計画は、首都サンホセの南約30kmを流れるピリス川中流部(グラン・デ・カンデラリア川とピリス川の合流点より上流約30キロメートル地点)にコンクリート重力式ダム(RCCダム、高さ113m、体積71万立方メートル、有効貯水容量3,000万立方メートル)を築造し、この貯水池により年間流入量を調整します。ダム左岸に設ける取水口により、最大18立方メートル/秒を取水し、延長約11キロメートルの導水路トンネルおよび延長約700mの水圧鉄管を経て、左岸に設ける発電所に導水し、最大出力12万8,000キロワットおよび年間発生電力量5億6,000万キロワット時となります。
計画諸元
流域面積 |
248.5平方キロメートル |
貯水池
満水位 |
1,205m |
低水位 |
1,160m |
利用水深 |
45m |
有効容量 |
3,000万立方メートル |
設計洪水量 |
2,350立方メートル/s |
ダム形式 |
コンクリート重力式(RCC) |
堤頂標高 |
1,208m |
高さ |
113m |
体積 |
71万立方メートル |
導水路トンネル延長 |
10.5km |
水圧鉄管延長 |
742m |
放水路トンネル延長 |
262m |
最大使用水量 |
18立方メートル/s |
有効落差 |
829m |
設備出力 |
12.8万キロワット |
水車タイプ |
ペルトン水車(2台) |
年間発生電力量 |
5億6,000万キロワット時 |
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3 契約の概要
- 契約相手方
コスタリカ電力公社(ICE)
- 契約業務の内容
I.詳細設計段階
1)詳細設計書類のレビュー
2)入札書類のレビュー
3)評価基準報告書のレビュー
II.施工監理段階
1)入札補助
2)施工図面承認助言
3)機器・資材の立会い検査補助
4)建設・据付施工監理助言
5)環境関連事項助言
- 実施期間
2003年7月〜2009年6月(6年間)
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