2025年
プレスリリース
スペイン国における浮体式洋上風力発電の実証試験プロジェクトに参画しました
~バージ型×スパー型ハイブリットWHEELを通じた浮体式の知見獲得~
2025年6月25日
電源開発株式会社
電源開発株式会社(以下「Jパワー」、本社:東京都中央区、代表取締役社長 社長執行役員:菅野 等)は、ESTEYCO SA社(以下「エステコ社」、本社:スペイン国マドリッド)が中心となってスペイン国グラン・カナリア島で進める浮体式洋上風力発電の実証試験プロジェクトWHEELへ参画しました。
浮体式洋上風力発電は、風車を海底に固定するのではなく、洋上の浮体構造物に設置する発電方法です。これにより、水深の深い海域でも風車の設置が可能となり、より広い海域で風力発電を実施できることから国内外で導入拡大が期待されています。
本実証試験プロジェクトでは、エステコ社が保有する、バージ型※1とスパー型※2の利点を兼ね備えたWHEELという浮体式基礎技術を用いた浮体式洋上風力発電の実証機(6,170kW×1基)を建設し、実証試験を行うものです。
- バージ型: 平底構造で海水面と接する面積を大きく取ることにより安定性を保つ浮体。水深が浅くても使用可能。
- スパー型: 水面下に長く伸ばした円筒構造で重心を低くすることにより安定性を保つ浮体。波浪の影響を受けにくい。
現在様々な浮体式基礎の開発が行われていますが、WHEELの基礎は大部分がコンクリート製であることから、鉄鋼製と比べ、低コスト化や製造時のCO2低減につながる可能性があります。また、鉄鋼製と比べ製造が容易であることから、地域企業の活用が期待できます。
当社は、国内外の浮体式洋上風力発電事業の開発に向けて、本実証試験プロジェクトを通じて、浮体式洋上風力発電における基礎製造・組立・設置・運転等に関する知見を獲得していきます。
Jパワーグループは、2021年2月に公表した「J-POWER "BLUE MISSION 2050"」に基づき、風力発電をはじめとしたCO2フリー電源を拡大し、2050年のカーボンニュートラル実現を目指しています。
(1) プロジェクト概要
名称 | WHEEL(Wind Hybrid Esteyco Evolution for Low-carbon solutions) |
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地点 | スペイン国グラン・カナリア島東 沖合3km |
出力 | 6,170kW(2BEnergy社製(定格出力6,170kW)×1基) |
工程 | 2025年6月基礎製造開始 2026年第1四半期(1~3月)設置開始(予定) 2026年第2四半期(4~6月)運転開始(予定) |
(2) ESTEYCO社概要
社名 | ESTEYCO SA |
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所在地 | スペイン国マドリッド市 |
事業内容 | エンジニアリング・技術・建築コンサルタント |
実証機(予定)図
実証地点への輸送時
実証地点での設置時
位置図

以上