社内DXの取り組み
DX取り組み事例
事例1 デジタルツインの
取り組み


デジタルツインとは、現実の物理的な資産をデジタル空間に再現し、シミュレーションや監視を行う技術です。当社では、発電所や変電所のリアルタイム状況を遠隔で確認し、保守・運用を効率化することを目指し、デジタルツインの取組みを進めています。
現在、水力発電所・ダムや火力発電所等の3Dモデルを作成しており、撮影時点での設備の状況を遠隔で確認することが可能です。今後は3Dモデルのリアルタイム更新に取り組みます。
将来的には、AR/MR技術を活用し、現実空間と仮想空間を連動させることにより、安全性・効率性の向上、ロケーションフリーな働き方の実現を進めていきます。
事例2 労働災害の減少に向けた
取り組み


労働災害を減らす取り組みとして、現場における不安全な行動を検知するAIシステムの開発に取り組んでいます。作業現場に設置したネットワークカメラの映像を取得し、不安全な状態が継続している場合に注意喚起を行うほか、過去の映像からヒヤリハットの発生傾向を分析することで、作業の振り返りや危険予知活動に活用することを目指しています。
現在は、水力発電所のリパワリングにおける作業監理用に設置したネットワークカメラの映像を用いて、システムの試運用を行いながら、検知モデルの改善や機能の高度化に取り組んでいます。また、他社においても労働災害に関する課題を抱えているケースが考えられるため、他社へのヒアリングを行いながら、システムの外販についても検討を進めています。
事例3 AI異常検知/判断
(風力・送電など)

電力設備の保守点検に資する、深層学習を用いた異常検知システムを開発しています。風力発電設備の点検において、ブレードに沿って自動撮影可能なドローンにて設備画像のデータを収集し、自社開発のAIアルゴリズムにより異常箇所を自動検知するシステムを構築しています。これにより、従来の高所点検作業と同等の品質を保持しながら、点検時間を従来比10分の1程度に大幅短縮が可能となります。
上記異常検知システムを社内に内製化することにより得た知見は、風力発電設備の点検に限定することなく送電線の異常検知にも応用予定であり、開発を進めています。
事例4 下郷デジタル特区の
取り組み

下郷発電所(水力)をデジタル集積戦略特別区域(デジタル特区)として指定し、積極的かつ先進的なデジタル技術を導入することで、新たな保守業務モデルの構築を目指しています。
デジタル特区での取り組みは2段階に分けて進めており、フェーズ1では、ウェアラブルカメラとタブレットを組み合わせた保守員の遠隔支援・現場確認、ロボットを活用した巡視点検の効率化などの成果を得ています。
2022年度からのフェーズ2では、デジタルツールの更なる検証や改善継続に加え、ビックデータ分析による異常検知など、これまで蓄積してきた膨大なデータを集約し利活用することで保守業務の更なる高度化を進めています。
これらの施策への取り組みで得られた成果を全国の水力発電所に展開することで、設備の高経年化・自然災害の激甚化といった各種課題への対応、並びに労働災害リスク低減と水力発電所としての競争力向上を目指します。