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松浦火力発電所2号機 低圧タービンロータ落下事故
原因究明と再発防止対策の検討結果について

平成26年11月7日
電源開発株式会社

本年3月28日に発生した当社松浦火力発電所2号機での低圧タービンロータ落下事故に関しましては、関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを、改めて心よりお詫び申し上げます。

当社では、事故発生以降、その原因究明と再発防止対策の検討を進めるため、社内に全社横断的な復旧対策本部を設置し、各種検証を実施してまいりました。また、その有効性を客観的に評価するために、有識者による「外部専門家評価委員会」を立ち上げ(平成26年4月25日お知らせ済)、4月24日及び8月29日に委員会を開催しご審議いただきました。

今般、検証試験の最終結果が出たことから、10月31日に第3回「外部専門家評価委員会」を開催し、原因究明結果についてのご理解を得るとともに、再発防止対策の有効性についても合理的に判断できるとの評価を頂きました。委員会でのご意見を踏まえ、「落下原因」と「再発防止対策」についての当社としての考え方を取りまとめましたので、その内容についてお知らせいたします。

【落下原因】

事故原因解明のため、実機による再現試験を実施するとともに、吊りビーム※1の挙動および落下に至るメカニズムについてシミュレーション解析を実施してまいりました。その結果、事故に至った直接原因の特定には至りませんでしたが、以下のとおり複数の個別要因が複合的に影響したことによりタービンロータの落下に至った可能性が高いと判断いたしました。

吊りビームとピンおよびピンと繊維スリング※2が、摩擦力により動きが拘束された状態であったため、目視上は判らなかったが繊維スリング左右の長さが異なっていたと推定され、このため、繊維スリングの左右で大きな荷重差が生じ、吊りビーム中心よりタービンロータの重心がずれたままで吊り上げられたと思われる。しかしながら、タービンロータの地切り時の目視確認では吊りビーム・タービンロータともに水平であったことから、前記状態にあることを察知することはできず作業はそのまま継続された。その後、吊り下ろし時に、何らかの理由により吊りビームとピンの間、またはピンと繊維スリングの間のいずれかの拘束が解け動くことで、繊維スリングの左右の荷重差によるアンバランスが発現し、タービンロータの落下に至った。(別紙(1)~(3)参照

※1: 長尺物を吊るための工具
※2: ワイヤ同様に吊り荷を吊る際のロープ

【再発防止対策】

推定される事故原因に対して、設備対策(ピン部の摩擦力軽減対策、吊りビームの振れ抑制強化)に加えて、管理対策(作業要領書や業務フローの見直しによるチェック機能・情報共有の強化)も含めた包括的な再発防止対策を策定いたしました(別紙(4)参照)。

当社は、この再発防止対策を社内に水平展開し、同種事故の再発防止の徹底を図るとともに、早期の本格復旧(出力100万kW、平成27年6月末目途)に向けて全力で取り組んで参ります。

なお、本件事故の重大性に鑑み、火力発電部担当役員の代表取締役副社長 日野 稔、取締役常務執行役員 村山 均、執行役員 筑田 英樹を戒告とする人事措置を行いました。

以上

添付書類

本文(PDF:219KB)

【別紙】(1)各部の名称/(2)タービンロータ地切り~吊上げ時/(3)タービンロータ吊り下ろし時/(4)再発防止対策(PDF:742KB)

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