プレスリリース

2019年

プレスリリース

次世代石炭火力発電所から回収したCO2の有効利用に向けた検討について
~CO2を資源として利用するカーボンリサイクルを目指す~

2019年6月5日
電源開発株式会社
中国電力株式会社

電源開発株式会社(代表取締役社長 社長執行役員:渡部肇史、本社:東京都中央区)と中国電力株式会社(代表取締役社長執行役員:清水希茂、本社:広島県広島市)は、大崎クールジェン株式会社※1が実証するCO2分離・回収型酸素吹石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)実証において回収されるCO2を有効利用する、カーボンリサイクル※2の検討に着手することとしましたので、お知らせします。

CO2は地球温暖化につながる温室効果ガスの一つですが、炭酸飲料といった食料品やドライアイス、作物の生育増進のためCO2を施用するなど、身近に広く利用されています。

日本政府は、パリ協定に基づく長期戦略のなかで、CO2を資源として活用して有価化するカーボンリサイクル技術にチャレンジしていくとしており、両社は、石炭火力の脱炭素化に向けて、カーボンリサイクルを含む、いわゆるCCUS(CO2回収・利用・貯留)に繋がる技術開発を促進していく必要があると受け止めております。

大崎クールジェンプロジェクトは、発電効率を飛躍的に向上させるCO2分離・回収型石炭ガス化燃料電池複合発電技術(IGFC)の開発を目標にしており、今年12月から2020年度までIGCCからのCO2回収技術の実証試験を実施する予定です。その成果も踏まえ、国内初となる石炭火力から回収したCO2を資源として多様な用途に有効利用するカーボンリサイクルの実証に向けた検討を進めてまいります。

回収したCO2を液化・輸送し、例えば、電源開発が北九州市でカゴメ株式会社と共同運営しているトマト菜園※3や微細藻類からバイオ燃料を生産する研究※4、中国電力などが開発した環境配慮型コンクリート※5などを想定して可能性を検討します。

両社は、石炭火力から排出されるCO2有効利用の可能性を追求することで、地球温暖化防止に貢献できるよう、取り組んでまいります。

※1 大崎クールジェンプロジェクトを実施するために、電源開発と中国電力が共同で設立した会社。経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの助成を受けて次世代石炭火力発電技術の実証を行っている。

※2 CO2を炭素資源(カーボン)と捉え、これを回収して、化学品、燃料、鉱物等の素材・資源に転換させ、多様な炭素化合物として再利用(リサイクル)するもの。

※3 トマトの光合成を促すために、年間数千トンのCO2を利用している。

※4 微細藻類を光合成により大量培養してカーボンニュートラルなジェット燃料を生産する技術開発。

※5 一般的な材料の他にCO2と反応して硬化する特殊混和材を用いたコンクリート。商品名「CO2-SUICOM」。

以上

写真―1 大崎クールジェンCO2分離・回収設備(建設中)
大崎クールジェンCO<sub>2</sub>分離・回収設備(建設中) 今年12月よりIGCCからCO2を効率的に回収する実証試験が開始される

写真―2 トマト菜園
トマト菜園 温室内の炭酸ガス濃度を大気中より高めて、作物の成長を促進させ生産性を上げている

写真―3 CO2-SUICOM
CO<sub>2</sub>-SUICOM 特殊混和材の効果により、コンクリート製造時にCO2を大量に吸い込むとともに固定できる

添付書類

本文(PDF:371KB)

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