風力発電事業
風力発電事業について
J-POWERは、クリーンで再生可能なエネルギー資源である風力を利用した風力発電にいち早く取り組んできました。2024年5月現在で、国内28地点(運転中23地点、建設中2地点、設備更新計画中3地点)の合計出力755,692kW(設備更新計画中3地点を含む)の風力発電設備を保有しており、国内の事業者としては第2位の規模を誇っています。
これまで発電所や送電線の建設・運転・保守で永年培ったノウハウと技術を活用して、風況調査から計画、建設さらに運転・保守に至るまで一貫した実施体制を強みとした事業展開を行っています。
風力発電の特徴
風力発電は、風の運動エネルギーで風車を回し、その動力を発電機に伝達して電気を発生させるシステムです。風車の形状は風力エネルギーの利用効率が高いことから、発電にはプロペラ型のものが多く使われています。
風力の長所は、再生可能でクリーン、そして純国産のエネルギーということです。短所は風まかせであるためエネルギー密度が低く、電力の出力調整が困難なこと、また化石燃料と比べてコスト競争力に欠けることです。
しかし、こうした風力発電の短所を克服して、風という地球に与えられたエネルギーを最大限活用していくことが私たちに求められています。
集合化と大型化
風力発電は、長所を生かしながら短所をカバーするために、さまざまな工夫がなされています。世界的に導入されている風車を一定の敷地内に集中させる「ウィンドファーム」方式は、風車の集合化により発生電力量の増加はもとより、不安定な風による個々の風車のバラツキをうまくまとめ、電圧と周波数への影響を少なくすることが期待されます。
また、風車の直径を大きくすることで1基あたりの出力を増やすとともに、タワーを高くすることでより上空にある強い風を活用でき、効率的な風力エネルギーの利用も実現できます。
風力発電の立地
風の持つエネルギーは理論的に、風速の3乗に比例します。そのため「少しでも風の強いところ」に風車をたてること、つまり適地を選択することが大きな意味を持つのです。
しかし、台風や竜巻のように、時に私たちに大きな被害をおよぼす膨大なエネルギーを持つ風は風力発電に適しません。風力発電には1年を通して安定した強い風が吹くことが大切、そのため少なくとも1年以上をかけた風況調査を行うことが不可欠です。
風は意外とデリケート。地形はもちろん植生、それに加えて風車相互間の干渉によっても風況が左右されます。J−POWERでは、複雑な地形および風車の相互干渉等による風況変動をシュミレーション等により多面的に解析評価し、より多くの風力エネルギーが得られるように風車を配置しています。
風車ができるまで
風車が組み上がるまでの工程をご覧いただけます。
基礎工事
1-1 鉄筋の組立
大型風車の組立に必要なスペースを確保し、鉄筋を組み立てます。
1-2 基礎の完成
コンクリートの打込みを行い、風車の基礎が完成しました。
風車輸送
2-1 入港
組立式のタワー、発電機、そして回転羽のブレードなど、大型部品を満載した船が入港します。
2-2 荷揚げ作業
超大型部品の水切り作業を行います。
2-3 トランスポーター
水切り作業のために特別に用意した特殊車両・トランスポーターです。
2-4 夜間輸送
大型部品の陸上輸送は、交通の妨げとならないように夜間に行います。
2-5 ブレードの輸送
ブレードの輸送です。
風車組立
3-1 タワーの組立
1,200tクレーンでタワーを吊り上げ、組み立てます。
3-2 ナセルの設置
タワー頂部にナセルバックエンドと発電機を取り付けます。
3-3 ローターの組立
ブレード3枚を、ハブに接続してローターを組立てます。
3-4 ローターの吊上
ローターを吊り上げてナセルに接続します。
3-5 組立完了
ローターとナセルの接続をして、風車の組立完了です。
変電設備・構内送電設備工事
4 変電設備・構内送電設備工事
発電した電気を電力会社に供給する変電設備・構内送電設備の工事を、風車の設置と平行して行います。