原子力発電のしくみと放射線

放射線と放射能

放射性物質、放射線、放射能とは

「放射性物質」とは、「放射線」を出す物質のことをいい、放射線を出す能力のことを「放射能」といいます。これらの言葉はよく混同して使われることがあります。

懐中電灯を例にとってみると、
「放射性物質」は光線を出す懐中電灯そのものであり、
「放射線」は懐中電灯から出る光線に相当します。
また、「放射能」とは、懐中電灯の光線を出す能力に値します。

放射線と放射能
出典:「原子力・エネルギー図面集2014」

放射線とは

放射線は、目で見ることも、匂いもない、高速移動する粒子や波です。しかし、私たちの日常生活の中や自然界、そして私たちの体中にも放射線を出す物質(放射性物質)が存在しています。例えば宇宙からは宇宙線とよばれる放射線がやってきます。また、大地にはウランやカリウム40などといった天然の放射性物質が存在しています。大地に放射性物質が含まれていることから、食べ物の中にもカリウム40などの放射性物質が含まれています。それらを食べることにより、私たちの体の中にも放射性物質があります。このカリウムは私たちにとって大切な栄養素の一つとなっています。

上記のような宇宙線やウランやカリウムのような自然に存在している放射性元素から出るものを「自然放射線」、人工的に作り出したものを「人工放射線」と呼びます。放射線は専用の測定器を使用することにより放射線の量を測ることができます。また、放射線が人体に対してどれぐらい影響があるかは、実効線量(シーベルト)で表され、その影響度合いが評価されます。
また、放射線はいくつか種類があり、それぞれ性質や強さが異なります。

【放射線の種類と透過力】

放射線の種類と透過力
出典:「原子力・エネルギー図面集2014」

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