朝
- 尾瀬三郎劇場
- まとめのワークショップ〜森と水力発電の繋がりに気づく実験〜
- 森の体験プログラム(葉っぱっぱじゃんけん、一筆入魂他)
昼
- 振り返り
- 講義「環境教育概論」
- 講義「行動化の取り組みに向けたヒント」
- 行動化へのつなぎ
夜
- ナイトハイク
- 2日目の振り返り
- 交流会
大学生向け 水力編@奥只見ツアー レポート
2日目は、雨のためプログラムが一部変更となりました。雨の恩恵を受ける奥只見の森やダムを横目に感じながら、雨が止むまで大学生向けプログラムならではのワークショップや講義を受けました。

今回のエコ×エネツアーの舞台となっている新潟県魚沼市では、平安時代に都流しにあった尾瀬三郎が辿り着いた土地として、尾瀬三郎の恋物語が語り継がれているそうです。 選ばれた学生が渾身の演技で尾瀬三郎の恋物語を披露しながら、楽しく学びました。
その後は高倉環境研究所の高倉氏(キャンプネーム:ドクター)による森と水力発電の繋がりについて学ぶ実験を行いました。水力発電にとって森が「重要な貯水タンク」であることを体験的に理解できる面白い実験でした!

実験はまず、2種類の“土のモデル”を薄い紙で作るところからスタート。紙を何枚も重ねて作ったモデル①と、紙をくしゃくしゃに丸めて団子状にしたモデル②で、水の流れ方にどのような違いがあるのかを観察しました。
ゆっくり流れるのか勢いよく流れるのか、水を吸収しやすいのか吸収しやすいのか、皆さんはどのような違いがあると思いますか?


結果は…
②のくしゃくしゃに丸めたモデルの方が、水分をより貯め込みながらゆっくりと水を流していきました。
森の土壌はただの土だけではなく、落ち葉や虫、植物などさまざまなものが混ざってできています。単なる土(モデル①)では雨水がすぐに流れてしまうのに対し、森のような複雑な土壌(モデル②)では水を吸収しながらゆっくり通すことができます。
これにより、森は水を蓄える「自然の貯水タンク」として働き、水力発電や洪水防止にも重要な役割を果たしているのです!



ワークショップ中のみんなの楽しい声が届いたのか、森の体験プログラムが始まる頃にはすっかり天気も良くなりました。昨日お昼を食べた場所からすぐのブナの森にみんなで足を踏み入れ、実際に先ほど実験を通して学んだ森の仕組みを肌で感じにいきました。
案内役のスタッフからは森に生えている植物の説明や、動物たちの巣の跡についての説明がありました。ブナの木は他の植物よりも水を欲する植物ということで、葉が丸みを帯び水滴を貯められ、木の幹全体も湿っぽい触り心地がすることを実際に触れながら体感しました。
特に盛り上がったのが、「葉っぱっぱじぁんけん」。大きな葉っぱやギザギザの葉っぱ、小さくて細長い葉っぱなど、色々なテーマでじゃんけんをし、熱戦を繰り広げました。

プログラムの最後には「一筆入魂」と題して、「ブナの森で感じたことを漢字一文字で紙に書き、みんなで発表しました。



えんたくんという大きな丸い段ボールの板を使い、①短く話す・②よく聞く・③記録するをポイントに、各々がこれまでのプログラム中に感じたことを書き留めていきました。
途中で班のメンバーを入れ変えながら、なるべく多くの人と振り返りの意見交換を行いました。別のチームで話し合われたことからの学びや、そこからまた広がるコミュニケーションがより一層今日までの学びを深めたように感じました。

キープ協会の関根氏(キャンプネーム:ラビット)による環境教育概論では、実際に五感を使って体験しながら学ぶ大切さや、一口に「環境問題」と言っても、問題は多岐に渡ることを学びました。特に、環境教育が自然、自分、他人との関係を再構築するための働きかけであるという意味で、「”環境教育”を他の言葉で言い換えるとすると”関係教育”だ」とうラビットの言葉は、環境を学んでいる学生に新しい視点を与えてくれたように思います。


次にドクターからは『「思っているだけで行動しない」から卒業し、しっかりと行動に移して課題解決に取り組む人材になるためには』というテーマで講義を受けました。
お笑いが大好きだった子供時代の話から、J-POWERグループに勤め、早期退職してインドネシアで生ゴミを堆肥にリサイクルするという「髙倉式コンポスト(Takakura Composting Method)」を開発するまでの過程を振り返りながら、意識変容から行動変容に繋げるためのアドバイスをもらいました。
特に印象的だったのが「セレンディピティ」という言葉です。英語で「偶然」を表す単語で、その偶然がきた時に捕まえるアンテナを張っておくことの重要性を学びました。

夜にはみんなでナイトハイクへ行きました。奥只見ダムの近くは街灯が少なく、たくさんの星を見ることができました。
レジャーシートの上に寝転がり、星を目で見て、静かな夜の世界に聞こえる虫や鳥の声を聴きました。普段なかなか感じることのできない夜の自然を、ここでまた一つ体感することができました。
エコ×エネ体験ツアーでは「体験すること」を何よりも大事にしています。中国の儒学者の有名な言葉で、「聞いたことは忘れる、見たことは覚える、体験は理解できる」という言葉があります。聞いて、見て、頭にインプットすることはできるのですが、やはり実際に体験してみないと真に理解することは難しいんです。
奥只見という自然豊かな土地で開催をしておりますので、みなさんにはぜひ五感を使ってあらゆることを体験し、森の大切さやダム・発電所の仕組みを理解して欲しいです。
また、今回のツアーでは全国各地からエネルギーや環境に興味を持った学生のみなさんが集まってきてくれていますので、集まった仲間と会話しながら学びを深めていくということも、今回のツアーならではの体験だと思います。

大学では政治学や経済学を学んでいますが、個人的に林業にとても興味があり、サークルでは林業に関わる活動をしています。活動の中で、森と海は繋がっていること、つまり自然は循環していることを学びました。そんな循環の鍵となる「水」に興味を持ったことがこのツアーに参加したきっかけです。
ドクターのオーディエンス参加型の実験は、自然の繋がりを実感することができ、内容自体にも、その教え方自体にも工夫が感じられとても印象に残っています。ツアー中、インタープリテーションという職種や、セレンディピティという概念、そして今まで勉強してこなかった環境問題という分野で多くの学びを得ました。私自身、まだまだ知らないことが多くあることを痛感し、学び続ける姿勢を常に持ち、これからももっと幅広い知識を得ていきたいと強く思いました。