大学生向け 水力編@奥只見ツアー レポート

エコ×エネ体験ツアー 水力編@奥只見学生ツアー 2025年ツアーレポート

▼ ツアーレポート
エコ×エネ体験ツアー水力編@奥只見 学生ツアー

「自分にできること」を見つけ、行動に移す勇気が得られる旅へ。

地球温暖化、異常気象、脱炭素社会の実現。これまで受けてきた社会科の授業で教えられた知識から、大学生の多くは環境問題やエネルギー問題は解決しなくてはいけない問題だと頭では理解はしているはず。しかし、いざ「自分にできることは何だろう?」と考えてみると、なかなか答えが見つからない。自分にできることが見つかったとしても、それを行動に踏み出すのがちょっと怖い。そんなもどかしさや恐怖心を感じたことはありませんか?

そんな時に出会ったのが、J-POWER(電源開発株式会社)が主催する「エコ×エネ体験ツアー水力学生編@奥只見」。
新潟県の魚沼市を舞台とするこのツアーでは、美しい自然に囲まれた地域でエコ(=エコロジー、環境)の在り方を、水力発電の現場でエネ(=エネルギー)のあり方を実際に見て、触れて、学ぶことができました。

森と水の関係、自然環境と再生可能エネルギーのつながり、そして私たちの未来に必要な視点。五感をフルに使って学んだ3日間は、まさに「自分の一歩」を見つける大きなきっかけになりました。さらに、多様なバックグラウンドを持った参加者との交流を通じて、一歩、行動に踏み出す勇気をもらうことができました。

今回は、取材スタッフとして参加したガクセイ基地メンバーの2人がそのリアルな体験と学びをレポートします。

ガクセイ基地メンバー

学生向けメディア運営(ガクセイ基地)代表のりこです!
学生向けメディア運営(ガクセイ基地)代表のりこです!
ガクセイ向けメディア運営(ガクセイ基地)のめいです!
ガクセイ向けメディア運営(ガクセイ基地)のめいです!

環境やエネルギー分野を学んでいる人も、そうでない人も。 “少しの興味”から始まる行動化へのヒントが、きっと見つかるはずです!

本ツアーでは参加者、スタッフともにキャンプネームで呼び合っております。そのため、本レポートにおいてもキャンプネームで紹介させていただいております。

スケジュール内容(1日目)

  • JR浦佐駅集合
  • アイスブレイク/遊覧船で移動
  • 奥只見ダム・発電所の見学
  • 奥只見電力館見学
  • お互いを知る時間
  • 講義「奥只見におけるエネルギーと環境の共生を目指したJ-POWERの取り組み」
  • 1日目の振り返り
  • 交流会

浦佐駅から奥只見へ出発!

浦佐駅についた参加者はスタッフに迎えられ、バスに乗り込みます。 山梨県北杜市清里で自然体験プログラムや環境教育に取り組んでいるキープ協会の小野氏(キャンプネーム:おのの)がツアーの進行を務め、スタッフ紹介をしたのちに、J-POWERの山本氏(キャンプネーム:てるさん)による開会挨拶でツアーがスタート!

綺麗な魚沼の景色を横目に、バスは自然豊かな奥只見へと向かっていきます。始めは緊張した表情をしていた参加者も、近くの席の人との会話や移動中のクイズを通じて、すっかり笑顔になっていました。

遊覧船に乗っていよいよ奥只見ダムへ!

昼食を食べ、簡単な自己紹介をした後、遊覧船に乗って奥只見ダムへ向かいます。中には、「遊覧船を一番楽しみにしていた!」という参加者も! 雲一つない青空の下、自然の豊かさや空気のおいしさを感じながら遊覧船はダムへと近づいていきます。船内では参加者自ら互い自己紹介をしたり、グループごとに写真を撮ったりと、自然の景観も仲間との交流も楽しめる時間でした。

奥只見ダム・発電所を見学!奥只見ダム・発電所を見学!
奥只見ダム・発電所を見学!

待ちに待った奥只見ダムに到着!しっかりと安全確認をしてから、ダムの中へと入っていきます。J-POWERグループの現地社員によるガイド付きで、見学がスタート。エレベーターで下に降りたのですが、エレベーターの表記は1階から11階 ! 下に行くほど数字が増える仕組みで、高低差としては135メートル下のへ移動しました。

ダム内にある連絡通路は一年を通じて温度が一定で、夏でも9〜11℃!上着が一枚欲しくなるくらいとても涼しく感じました。ダム内にある連絡通路は一年を通じて温度が一定で、夏でも9〜11℃!上着が一枚欲しくなるくらいとても涼しく感じました。ダム内にある連絡通路は一年を通じて温度が一定で、夏でも9〜11℃!上着が一枚欲しくなるくらいとても涼しく感じました。
ダム内にある連絡通路は一年を通じて温度が一定で、夏でも9〜11℃!上着が一枚欲しくなるくらいとても涼しく感じました。
うらさ:
発電所の中が夏でもこんなに涼しいなんてびっくり!

連絡通路の壁をよく見てみると、何やら緑色のものがありました。これは蛍光灯の光で光合成を行っている、「苔」でした。ダムの中にも植物がいるという話にはびっくりしました。

ゆうゆう:
ダムの内部に入れることなんてめったにない経験ができて面白かった!

続いて、発電機・回転軸・水車の仕組みについて模型を使った説明がありました。仕組みについて学んだ後に、実際の機械を目にすることができ、そのスケール感には非常に驚きました!また、ダムの下に移動し、河川維持水を利用した発電所も見学しました。ここでは実際に水が勢いよく流れており、その迫力を間近で体感することができました。河川維持水とは、ダムによって川の水量が減ってしまわないように、環境や生態系を守るために一定量の水を流し続けるもので、その水を活用して発電が行われていることを学びました。

ゲンキ:
シルバーラインというトンネルの長さやダムの大きさ。これを作った人間のすごさを感じた!

奥只見電力館では、奥只見ダム・発電所建設の歴史に関する映像を鑑賞しました。ダム1つを作るために、多くの人の労力、長い年月がかかっているということを再確認できました。また、奥只見という地域は降雪量が多いという特徴があり、そうした環境下で人々がどのようにダムを作ってきたのかということについても学びました。 ただ話を聞くだけでなく、聞いた内容を目の前で見たり触れたりすることができるこの見学は、学びが深まるとても有意義な時間となりました!

しげさんによる講義の時間!
「奥只見におけるエネルギーと環境の共生を目指したJ-POWERの取り組み」

夕食を食べ、「お互いを知る時間」でより深くお互いのことを知ったあとは、J-POWERの多比良氏(しげさん)による講義が行われました。 地域との共生に向けて環境問題や、生物多様性の保全に対してどのように向き合って来たのかということや、将来のエネルギーや環境問題に対するJ-POWERの取り組みを学びました。 講義の最後には、しげさんから、私たち次世代を担う大学生に向けて、社会変容に向けた思いのこもったメッセージが届けられました。

周りを巻き込みながら行動できる人になってほしい/おのの

長年このツアーに携わらせていただいていますが、毎年学生同士の仲良くなるスピードには驚かされています。また、参加者の振り返りの中に「こんなにいっぱい考えている人たちがいることに刺激を受けた」というものがありました。普段も多くのことを考えているはずの参加者からそのような言葉が出てくるということは、参加者同士でお互いに刺激しあえているからこそだと思います。真剣な話ができる場の良さを改めて感じました。

「持続可能な社会を作るんだ」という人を増やしていきたいと考えています。1人1人の力は確かに小さいかもしれません。でも、小さくてもその力はゼロではないはずです。多くの力が集まればきっと社会は変わるはず、そう信じています。

だからこそ、自由に動け、かつ柔軟に考えることのできる大学生には「行動してほしい」と強く願っています。考えて話すことももちろん大切だけれど、行動することが社会を変えるためには必ず必要になってくるはず。このようなツアーでもいいですし、他の活動を通してでも、参加者には色々な人とつながって、他の人を触発しながら、行動していく人になってほしいなと思っています。

子供たちに伝える責任がある/みっちー

私は次の春から小学校の先生になります。これまで環境問題やエネルギー問題について深く学ぶ機会があまりなかったのですが、子どもたちに伝える立場として、実体験をもとに話せるようになりたいと思い、このツアーに参加しました。

社会を変えるのは、自分一人が頑張っても無理なのではないか?というのが正直最初に持っていた思いでした。だけど、実際ダム建設の歴史や森の仕組みを実体験として学んだことを通じて、今の暮らしを作ってきたのもまた人なんだということを強く感じて、私にもこれからの人の暮らしを支える責任があるなと思いました。

具体的には、教員として子供たちにこのツアーで得た経験・学び、そして環境問題に関することを伝える責任があるなと感じてます。「無関心で生きていける時代だからこそ、知らないことを知ろうとする必要がある」という言葉にもあったように、私たちはまだまだ多くのことを知らない状態なんだということを、子供たちにも知らせていけたらいいなと思っています。

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