大学生向け 水力編@奥只見ツアー レポート

エコ×エネ体験ツアー 水力編@奥只見学生ツアー 2023年ツアーレポート

▼ ツアーレポート
エコ×エネ体験ツアー水力編@奥只見 学生ツアー
エコ×エネ体験ツアー水力編@奥只見 学生ツアー

2023ツアー体験レポート

 J-POWER(電源開発)が社会貢献活動の一環として取り組むエコ×エネ体験ツアーは、コロナ禍でのオンライン開催を経て今年から対面ツアーを再開しました。「エコ×エネ体験ツアー水力編@奥只見 学生ツアー(2023年8月29日~31日)」は、高専生、大学生、大学院生を対象に、J-POWERの社員と環境教育の専門家らが協働で、自然とエネルギーについて「見て×触れて×考えて」楽しみながら学ぶ体験学習プログラムです。奥只見ダム・発電所、銀山平の森、宿泊地のネイチャーカレッジ緑の学園など新潟県魚沼市周辺を舞台に、暮らしを支える自然とエネルギーを知り、そのつながりに気付くことを目的としています。

環境問題や社会課題にひとりひとりが興味・関心をもち、真剣に考える時間と仲間を求め全国から集まった学生たちの3日間をレポートします。

< ツアー概要 >

  • 日程:2023年8月29日(火)・30日(水)・31日(木)
  • 参加者数:27名
  • 場所:奥只見ダム・発電所、銀山平の森、宿泊地のネイチャーカレッジ緑の学園など新潟県魚沼市周辺

< スケジュール概要(1日目) >

1日目
  • JR浦佐駅西口集合/バスで移動
  • 奥只見ダムと発電所見学
  • 奥只見電力館見学
  • 講義 「 エネルギーと環境・社会問題について考える 」
  • 交流会
2日目
  • 森の体験プログラム
  • 森と電気のつながりを知る実験教室
  • 講義 「 環境教育概論 」
  • 講義 「 エコパーク概論 」
  • 講義 「 行動化に向けた取り組みのヒント 」
  • ナイトハイク
  • 交流会
3日目
  • 朝の散歩 「 エコパーク 」散策
  • 行動化へのディスカッション
    「 エコとエネの共生する社会を実現するには 」
  • 私たちのエコ×エネ宣言
  • 解散

学校や学部・専攻が異なる多様な学生たち27名が全国から集まりました。また今回は開催以来初めて、日本で学ぶ留学生2名が参加しました。ツアー中は学生もスタッフも全員、自身が名付けたキャンプネームが書かれた名札をかけ、互いに呼び合いました。文中はキャンプネームのままで紹介します。

1日目11:00 集合、出発

学生たちはJR浦佐駅でスタッフに迎えられ、バスで奥只見へ向かいます。学生たちはJR浦佐駅でスタッフに迎えられ、バスで奥只見へ向かいます。
学生たちはJR浦佐駅でスタッフに迎えられ、バスで奥只見へ向かいます。

J-POWERの多比良氏(キャンプネーム:シゲさん)による開会のあいさつでツアーが始まりました。ツアーの進行は山梨県北杜市清里で自然体験や環境教育を展開するキープ協会の小野氏(キャンプネーム:おのの)が務めました。

「おのの」の呼びかけに学生たちは元気いっぱいに応えました。「おのの」の呼びかけに学生たちは元気いっぱいに応えました。
「おのの」の呼びかけに学生たちは元気いっぱいに応えました。
バスの中では奥只見ダム建設時に作られた道路「シルバーライン」などに関するクイズが行われ、学生たちの緊張も一気にほどけました。
バスの中では奥只見ダム建設時に作られた道路「シルバーライン」などに関するクイズが行われ、学生たちの緊張も一気にほどけました。

1日目12:00 昼食/ウォーミングアップ

銀山平キャンプ場管理棟での昼食は、小説家の開高健が好んだ“開高めし”です。
銀山平キャンプ場管理棟での昼食は、小説家の開高健が好んだ“開高めし”です。
食後は清々しい空気の中、銀山平船着場に徒歩で移動しました。
食後は清々しい空気の中、銀山平船着場に徒歩で移動しました。
自分のことを紹介し、学生たちはお互いを徐々に理解していきました。
自分のことを紹介し、学生たちはお互いを徐々に理解していきました。

銀山平船着場から遊覧船に乗って奥只見湖をわたり、奥只見ダム・発電所へ向かいます。乗船前に学生たちは、キャンプネーム、今夢中になっているもの、自分のエネルギーの元になるもの、このツアーで得たいものなどをペアになって紹介しあいました。

1日目13:20 遊覧船で発電所に移動

天候がとても良く、奥只見湖からダムを観察する貴重な機会となりました。天候がとても良く、奥只見湖からダムを観察する貴重な機会となりました。
天候がとても良く、奥只見湖からダムを観察する貴重な機会となりました。
降船した後に向かう天端(てんば)が船から見えました。
降船した後に向かう天端(てんば)が船から見えました。

1日目14:15 奥只見ダムと発電所見学

見学前は小出電力所の川内所長から挨拶がありました。
見学前は小出電力所の川内所長から挨拶がありました。
ダムの内部に入る前に、ペアで安全を確認しました。
ダムの内部に入る前に、ペアで安全を確認しました。
ダムの頂上である天端(てんば)から奥只見湖(ダム湖)を観察しました。
ダムの頂上である天端(てんば)から奥只見湖(ダム湖)を観察しました。

いよいよ奥只見ダムと発電所の見学です。奥只見ダムは重力式コンクリートダムで長さが480m、高さは157mと日本最大級。ダム湖にある大量の水の落差を生かして電気をつくるため、地下深くに発電所があります。ダムの頂上である天端(てんば)から奥只見湖(ダム湖)を観察します。ダムの大きさなどの説明に加え、湖面に浮かぶ流木がチップや木炭に再利用されることなどが解説されました。

薄暗い通路を歩いて、さらに深くにある発電所へ向かいました。ダムの底の冷たさを肌で感じたほか、水力発電実験も行いました。薄暗い通路を歩いて、さらに深くにある発電所へ向かいました。ダムの底の冷たさを肌で感じたほか、水力発電実験も行いました。薄暗い通路を歩いて、さらに深くにある発電所へ向かいました。ダムの底の冷たさを肌で感じたほか、水力発電実験も行いました。薄暗い通路を歩いて、さらに深くにある発電所へ向かいました。ダムの底の冷たさを肌で感じたほか、水力発電実験も行いました。
薄暗い通路を歩いて、さらに深くにある発電所へ向かいました。ダムの底の冷たさを肌で感じたほか、水力発電実験も行いました。

ダム内部をエレベーターで降下。ダムは水と接しているためダム内の連絡通路の空気や側溝に流れる水は冷たく、内部の温度は1年を通じて一定です。J-POWERグループの元社員で工学博士の髙倉氏(キャンプネーム:ドクター)による水力発電の仕組みを理解する実験も体験しました。

搬入口から外に出て奥只見ダムを見上げると、その大きさに圧倒されます。
搬入口から外に出て奥只見ダムを見上げると、その大きさに圧倒されます。
運転中の発電機に手を当てると振動が感じられました。
運転中の発電機に手を当てると振動が感じられました。

発電機室に着くと、模型で発電の仕組みの解説がありました。学生たちは大きく重い水車を回転させるために大量の水の力が必要であることを理解しました。また、発電機は当初1~3号機が設置されましたが、電力の需要ピークの増大に対応するため4号機を増設したことも解説されました。

ダムに風があたって上昇気流が発生します。枯葉を落とすと一気に舞い上がりました。
ダムに風があたって上昇気流が発生します。枯葉を落とすと一気に舞い上がりました。
天端の上で福島県と新潟県の県境をジャンプ!
天端の上で福島県と新潟県の県境をジャンプ!

1日目15:50 奥只見電力館見学

「奥只見電力館」では、奥只見ダムが建設された当時の貴重な映像を視聴しました。学生たちは厳しい自然の中でダムが建設されたことを知りました。
「奥只見電力館」では、奥只見ダムが建設された当時の貴重な映像を視聴しました。学生たちは厳しい自然の中でダムが建設されたことを知りました。

1日目17:25 夕食

夕食には地元の山の幸が並びました。越後もち豚とコシヒカリがとてもおいしいです。
夕食には地元の山の幸が並びました。越後もち豚とコシヒカリがとてもおいしいです。
夕食には地元の山の幸が並びました。越後もち豚とコシヒカリがとてもおいしいです。

1日目18:30 講義「エネルギーと環境・社会問題について考える」

夕食後は自己紹介に続いて「シゲさん」による「エネルギーと環境・社会問題について考える」の講義です。
夕食後は自己紹介に続いて「シゲさん」による「エネルギーと環境・社会問題について考える」の講義です。
夕食後は自己紹介に続いて「シゲさん」による「エネルギーと環境・社会問題について考える」の講義です。

夕食後「シゲさん」の講義「エネルギーと環境・社会問題について考える」では、「気候変動問題への対応からは今後、さらなる再生可能エネルギーの拡大が求められるが、発電方法はそれぞれに一長一短があります。また、エネルギーの問題は社会課題とも密接に関連しています」という話がありました。その後、J-POWERがカーボンニュートラルと水素社会の実現に向けて取り組む「J-POWER “BLUE MISSION 2050”」を事例とともに紹介し、「シゲさん」は持続可能な社会を実現するために、まず社会課題に関心をもち、自分事として捉え、利他の精神を忘れずに行動することが大切だと伝えました。

1日目の振り返り後は交流会です。学生たちの笑い声が絶えませんでした。
1日目の振り返り後は交流会です。学生たちの笑い声が絶えませんでした。

1日目終了後に参加学生の2人にインタビューしました。

1日目終了後に参加学生の2人にインタビューしました。

「コミュニティデザインに生かしたい」ましまさん

コミュニティデザインを学んでいます。家庭からのCO2排出を減らしたいが、そのために太陽光パネル設置することは経済的負担が大きいとの問題意識があり、何か解決のためのヒントがないかと参加しました。ダムの大きさに感動したり、初めて会った人たちと交流したりした経験をこれからの学びに生かしていきたいです。

ましまさん
ましまさん

「いろいろな視点をもつ人との交流に期待」こばりんさん

いろいろな視点をもつ人や他の専門家と交流すれば新たな視点が得られると思い参加しました。機械専攻なのですが、発電所見学では、これまで机上で勉強してきた内容と実物がつながり、モチベーションが高まりました。ドローンを平和に使うという目標に向けて頑張ります。

こばりんさん
こばりんさん
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