「開発って必要?」(メンバー:むた、なる、はるか、いのくん、まっきー、あると)

寸劇で笑いを誘いながら、弱いものから搾取する資本主義の問題点を指摘しました。そして、その解決には意識→知識→行動といったアプローチが必要だと結びました。
大学生向け 水力編@奥只見ツアー レポート
朝の散歩では、ダム建設後に希少生物の保護や植生の維持を目的として生まれた「エコパーク」に向かいました。清々しい空気の中、ナイトハイクで見聞きした動植物の変化を確かめながら、水草や希少な生き物がいる自然豊かな池へと進んでいきました。今はエコパークには陸地化が進む池もあり、そのまま自然に任せるのか、池を整備するのか、「解決策に正解はない」と「ドクター」は学生たちに伝えました。自然環境をどう残していくかという問いを学生たちは各自もち帰ったのではないでしょうか。
朝食後に3日間の振り返りとして、目指すべき持続可能な社会を「〇〇社会」と自分の言葉で言い換え、ひとりひとりが教室内を巡りながら1対1でその考えを共有しました。さらに考えがあう人同士が集まり、6つのグループに分かれました。
「持続可能な社会」の実現に向けて、どう行動していくかをグループでディスカッションし、プレゼンテーションポスターを作成。各グループの発表はさまざまで、それを受け、皆が自分自身に新たな問いかけをしているようでした。
寸劇で笑いを誘いながら、弱いものから搾取する資本主義の問題点を指摘しました。そして、その解決には意識→知識→行動といったアプローチが必要だと結びました。
500年後を目標として「教育による次世代の環境ネイティブの育成」が必要と結論付け、身近でできるエコとエネの意識改革を、合コンの設定によるショートコントで面白おかしく表現しました。
変わり続ける未来にするためには、まず「学び・考え続けること」で、専門分野を極め、自分の考えをもつこととしました。次に「伝えること」では、相手にあわせてわかりやすく、興味をもってもらい、他分野とつながることもあげました。
人類は持続可能な社会という“作品”を作り続ける途上であり、自分の周辺に関心を向け、理解し認めあい、問題意識を共有して自分事として行動するプロセスを示しました。自分事とするための具体的行動プロセスとして、情報収集やネガティブ思考からポジティブ思考への転換とその習慣化、背景知識・専門性を高める努力、利他的精神の涵養などが大切であると説明しました。
「物=MONO」をコンセプトに循環社会の実現を目指すとしました。エコ×エネ体験ツアーのシステムを生かしてSNSで種をまき、学びが森になって考え方を広げる、というものです。個々の具体的な取り組みとしては、地元の物販などで接点をもつことなどがあげられました。
自然と人の中心にはエコフレンドリー(Eco-Friendly)という価値観があり、「心」(座学)と「体」(体験)と「技」(技術)でつながるとしました。その価値観もまた世界各地に存在し、環境問題に国境はないことが示されました。
最後のプログラムでは3日間の体験を通じて、学生時代の間に成し遂げたいことをブナの葉っぱを模した紙に記入し、奥只見湖とその周辺のブナの森に見立てた台紙に貼っていきました。学生からは「自然の魅力を伝える映像を撮る」「ブログを通じて関心を広げる」「アンテナを張って知識を増やす」「地方紙に意見を投稿する」などの具体的な行動が数多く表明されました。
最後に「おのの」は“エネルギー”には「力の元」「元気」「行動する力」という3つの意味があると紹介しました。3日間一緒に過ごした学生たちのエネルギーをたたえながら、大きな拍手と共にプログラムは終了しました。
学生たちはエネルギッシュでとても良かったと感じました。我々からの問いかけに対して、その場の雰囲気を含めた反応が直接伝わってきますので、運営側としても対面ツアーでの手応えと良さを改めて実感しました。また、日本語でのコミュニケーションが難しい留学生が困らないよう、学生たちが積極的に声をかけ、サポートをしていた姿は素晴らしかったです。わずかな期間でも学生たちの視野が広がり、学びあう姿を見て、成長が感じられたこともうれしかったことの1つです。
学生編は、エネルギーや環境問題をはじめとした社会課題に関心をもち、持続可能な社会の実現に向けて行動できる人が増えていってほしいと思い、ツアーを開催しています。今後もこうした体験・交流・学びあいの場を続けていきたいと思います。学生の皆さんの参加をお待ちしています。
小学生から大人まで新しい接点を生み出すJ-POWER主催のエコ×エネ体験プロジェクトでは、サイエンスカフェ「エコ×エネ・カフェ」、「エコ×エネ体験ツアー」学生編、小学生親子編、教師編などをご用意しています。今後も世界中から多くの人の参加を期待しています!
最終日も終了後に参加学生の2人にインタビューしました。
「野外教育家を目指す」わいわいさん
野外教育家を目指しているので、スタッフの方々がどのようにこのツアーを運営しているのか、学びになりました。自然の貴重さを教えるだけでなく、いじめや不登校などに苦しむ子供たちのケアにも関わり、いつか起業したいという夢があるのですが、今回の体験でさらにその思いが強くなりました。
「環境や社会の問題解決にできることを」なるさん
環境問題や社会問題に関心があり参加しました。ダムと発電所見学、ブナの森探索、ナイトハイクなど、さまざまな体験から、人間が自然の中にいることを実感しました。私は今、服の大量廃棄問題を解決するために不要になった服をリメイクするブランドを運営しているのですが、自分のブランドでも持続可能な社会のためにできることをしようと思います。