サステナビリティ

社会(S)

活動内容

奈良県 北山川電力所 地域共生活動等 近畿

河川と水力発電所と「人」とのつながりを体感 発電所見学会とアマゴ放流

「アマゴ」を地域交流の題材に

天端からの眺めは圧巻。50年の時を超えて参加者各々が当時の 記憶に思いを巡らせる(写真右が山本所長代理)
放流のために持ってきたアマゴは、20~30cm前後のものが約3,000匹、重さにして120kgにも及ぶ。アマゴは、雨が突然降り出すとよく釣れることから「雨後」(アマゴ)と言われるようになったという説がある

11月8日、抜けるような秋の青空の下、電力所を出発したバスは世界遺産の霊場を有する山々を横目に見ながら、つづら折の道を走って、奈良県吉野郡下北山村の河原に到着しました。そこで待っていたのは老人クラブの総勢19人。元気ににこやかに挨拶を交わした後は、早速、下北山村漁業協同組合の方が運んできたアマゴの成魚をみんなで取り囲みます。 「大きくて美味しそうだねえ。お寿司にできそう」とのおばあさんの無邪気な言葉に一同笑顔がこぼれます。「エサが少ない冬場は稚魚ではなく、成魚を放流します」と漁協の方が説明しながら魚を放っていきます。川面を爽やかな風が駆け抜ける中、川遊びの話題などでお年寄りの皆さんと社員との会話も弾みます。

「知ってもらいたい」との思いのこもった設備見学


発電所のカバーを外して回転している様子を実際に見てもらいながら、発電の仕組みや設備概要について伝えていく(写真右が富井所長代理)

放流が終わった後は、北山川に沿って下り、県をまたいで和歌山県に所在する七色発電所に向かいます。今回は池原発電所がオーバーホールを行っていたので、一般の方にはあまり公開していない七色発電所を見学しました。

地域に住んでいてもほとんどの方が発電所の敷地内に入るのは初めてなので、搬入路のトンネルにバスが入ると、この先は一体どうなっているのだろうか、と期待も高まります。搬入路を抜けて、1基の発電機の前で下車したところから「七色発電所の特徴は、発電機室の岩盤がむき出しとなっていることで、このような発電所は大変珍しいです」とJ-POWER富井所長代理からの開設が始まりました。「これでおよそ2万世帯分の発電ができます」との説明には感嘆の声が漏れます。参加者からは「こんな地下深くて掘削するのは、大変な作業だっただろうねえ」「何十年も前に日本にもこんなすごい技術があったんだねえ」という感想が聞かれました。

全体説明が終わった後は、4人のJ-POWERスタッフが班毎に分かれて個々に丁寧に対応します。ダムの位置はどこなのかとの質問にJ-POWER児玉所長も概要図を指差しながら説明します。

地域と共に歩んだ50年

池原発電所の建設当時の様子
(配布資料に掲載されたものの1枚を抜粋)

次にダムの天端に案内し、大迫力の眺めを背景に、J-POWER山本所長代理からダム建設の流れについて説明がありました。手元に配布した資料は、工事工程をイラストにしたり、50年以上も前の工事写真を何枚も掲載して現在の様子と見比べられるようになっていたりとビジュアルで分かりやすく理解できるよう工夫されています。「運転開始した昭和40年はちょうど私が結婚した年だった。当時は、発電所建設に携わる作業員たちが大勢いて、まるで新しい街ができたようだった。飲食店やら床屋やら娯楽施設でも何でも揃っていたよ」と当時を懐かしむ参加者の話に、社員のほうがひとしきり感心していました。

見学を終えて「綺麗な川と普段めったに入れない発電所を見られて、また社員の皆さんとお話しできて今日はとても楽しかった。他の発電所もぜひ見学させてくださいね」とうれしそうに話すおばあさんたちが印象的でした。

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