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2023年台風7号に伴う熊野川流域の当社管理ダムにおける治水協力について

2023年8月23日
電源開発株式会社

当社は、2011年の台風12号により熊野川流域において甚大な被害が発生したことを踏まえて、新宮川水系※1に係る「ダム操作に関する技術検討会」(委員長:池淵 周一 京都大学名誉教授、以下「技術検討会」)を設置し、第三者である学識者や河川管理者を含めて、ダム操作・運用、流域関係者への情報伝達等の改善に係る検証・検討を重ね、2012年出水期よりダム運用の改善策※2として暫定運用を開始しました(2012年6月4日お知らせ済み)。

また、2020年5月29日には、2019年台風19号で各地に発生した甚大な被害を踏まえた政府方針(既設ダムの洪水調節機能の強化に向けた基本方針:2019年12月12日公表)に基づき、新宮川水系の河川管理者・ダム管理者・関係利水者にて「新宮川水系治水協定」(以下「治水協定」)を締結し、池原ダム・風屋ダムの暫定運用の方法を継続しつつ、放流量の低減に努めてきました。

暫定運用開始以降は、出水期前に、前年の暫定運用実績を踏まえ、その効果、課題等を整理し、次年度以降の運用のあり方を上記技術検討会で検証しており、2023年度出水期においても現行の運用ルールを継続し、放流量を低減に努めております。(2023年7月13日お知らせ済み

  1. 新宮川水系とは、熊野川、北山川等の河川からなるまとまりのことを指します。
  2. ダム運用の改善策とは、1997年から当社が自主的に池原ダム・風屋ダム水位を低下して空き容量を確保して洪水を軽減してきた運用について、降雨・流入予測技術、ダムの構造上の特性、下流利水者等への影響等を総合的に勘案して、自主的に対応できる最大の空き容量を確保し、更なる洪水の低減を図ることを指します。

今般、2023年8月の台風7号接近に伴い大規模な出水が予測されたことから、紀伊半島にある池原ダム、風屋ダムなどの熊野川流域で当社が管理するダムにおいて、治水協定に基づく事前放流を実施しました。事前に確保した空き容量を有効に活用して、下流への放流量を低減しましたのでお知らせします。

池原ダム 風屋ダム
最大流入量(m3/s) 4,334 1,932
最大流入時の放流量(m3/s) 1,575 859
最大流入時の放流低減量(m3/s) 2,759
(▲63.7%)
1,073
(▲55.5%)

なお、国土交通省近畿地方整備局において、熊野川における河道掘削や上記治水協力により、新宮市熊野川町日足地区において、約3.1mの水位低減効果があったと公表しています。

当社は、今後も流域の皆さまの安全安心のため、治水協定に基づく事前放流を確実に実施するとともに、出水期における運用実績を蓄積し、引き続き、ダム運用のあり方を検証し、改善を図っていきます。

【関連するお知らせ】
2023年7月13日 新宮川水系のダム運用および情報伝達の改善について

以上

添付書類

本文(PDF:154KB)

別紙-1 位置図(PDF:317KB)

別紙-2 ハイドログラフ(池原ダム、風屋ダム)(PDF:298KB)

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