1.実証試験の位置づけ |
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今回の試験は、石炭焚きボイラーで発生する排ガス中のCO2を分離・回収する技術の実証を目指すものです。
三菱重工は、すでに天然ガス焚きボイラーを対象とした、省エネルギータイプのCO2回収装置を開発・実用化していますが、石炭焚きボイラーを対象とするCO2回収については、パイロット機での試験に留まっており、実用化に向け、実証機規模での試験実施が必要となっていました。そのため、石炭火力発電の設備出力において国内トップであり、豊富な運転実績を持つJパワーに協力を要請しました。
Jパワーは、地球温暖化問題への取り組みを経営の最重要課題の一つに位置づけており、その一環として、この要請を受け入れ、松島火力発電所での実証試験に協力することとしました。
石炭は、天然ガスや石油に比べて、可採埋蔵量が多く安定供給面で優れていますが、一方で、石炭焚きボイラーはCO2排出量が他の燃料に比較して多いことから、地球温暖化対策の課題の一つとなっています。その意味でも、石炭を燃料とするボイラーの排ガスからCO2を回収する今回のシステムは、将来における温暖化対策の重要な手段となることが期待されます。
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2.実証試験の内容 |
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1)試験工程 |
試験設備着工 |
平成17年12月 |
試験期間 |
平成18年7月〜平成18年11月(予定)
(実証試験時間=目標3,000h) |
2)設備概要 |
1.設置場所 |
松島火力発電所(長崎県西海市大瀬戸町)構内
(設置スペース:約300m2) |
2.規模 |
CO2処理能力 10t-CO2/d |
3.処理ガス量 |
1,750 Nm3/h
排煙脱硫装置出口の排ガスを利用する。処理量は、定格排ガス量170万Nm3/hの0.1%程度に相当する。 |
3)試験内容 |
1.手順 |
排煙脱硫装置出口の排ガスを試験設備に導入し、排ガスのSO2除去と冷却を行った後、CO2分離(排ガスから吸収液に吸収させる)、CO2回収(蒸気加熱により吸収液から分離させる)を行います。 CO2を分離した排ガスと回収したCO2は、既設の排ガスの排出経路に戻します。 |
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2.検証項目 |
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排ガスの回収システムに対する影響評価 |
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吸収液劣化度評価 |
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超高脱硫技術の評価 |
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長期信頼性の実証 |
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