必要性

原子力発電の供給安定性

原子力発電の供給安定性

原子力発電所で燃料として使われるウランは、石油と同様に海外からの輸入に依存しています。しかし、ウランは、石油や天然ガスに見られるような特定地域への強い偏在がなく、カナダやオーストラリアなど政情の安定した国々に分散しているため、資源確保の観点から供給安定性に優れています。

138万3千kWの発電所で1年間に必要とする燃料

また、次のような優れた特性があるため、「エネルギー基本計画」(平成26年4月閣議決定)において。安全確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源と位置づけられています。

燃料のエネルギー密度が高い

原子力発電の燃料となるウランは、石油にくらべて、ごく少ない量で大きなエネルギーを発生することから、燃料の輪送や貯蔵が容易です。

燃料に備蓄性がある

原子力発電では、一度燃料を原子炉の中に入れると、少なくとも1年間は燃料を取り替えずに発電できるので、その期間は燃料を備蓄しているのと同じような効果があります。

燃料をリサイクルできる

使用済みの燃料を再処理して回収される燃え残りのウランや新しくできたプルトニウムを再利用することができるので、資源の有効利用が図られ、準国産エネルギーとして安定したエネルギーの供給源となります。この観点から、現在、軽水炉におけるMOX燃料利用(プルサーマル)計画が進められています。

地球温暖化対策に優れた特性をもっている

原子力発電は、水力や太陽エネルギーなどと同様、発電に際して、地球温暖化や酸性雨の原因となる二酸化炭素(CO2)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)などを大気へ排出しないエネルギーであり、地球環境問題の解決を図る上で重要な役割を担うことが期待されています。

燃料価格の変動の影響を受けにくい

原子力の発電コストに占める燃料費の割合は石油火力にくらべて小さいため、燃料価格の変動の影響を受けにくく、長期的にみると、電気料金の安定にも役立ちます。

原子燃料サイクル
出典:「原子力・エネルギー図面集2014」

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