インド国火力発電運用改善計画調査コンサルタント業務の共同受託について

平成20年12月24日
電源開発株式会社
九州電力株式会社
中国電力株式会社



 電源開発株式会社(取締役社長:中垣喜彦、以下「Jパワー」)と九州電力株式会社(代表取締役社長:眞部利應、以下「九州電力」)及び中国電力株式会社(取締役社長:やましたたかし、以下「中国電力」)は、平成20年12月22日に、国際協力機構(以下「JICA」)から「インド国火力発電運用改善計画調査」に関するコンサルタント業務を共同受託いたしました。

 本業務は、インド国政府の要請に応えて、インド国国営火力発電会社(以下「NTPC」)の既設石炭火力発電所の設備診断や熱効率診断を実施し、それらの結果から、我が国の進んだ熱効率改善技術や運用改善技術を取り入れて最も適した改善提案を行うと共に、本業務を通じてインド国の電力技術者への技術移転を図るものです。

 さらに、この熱効率改善による温室効果ガス排出の低減効果に関し、クリーン開発メカニズム(CDM)適用への支援を行います。

 これまでにも、Jパワーは、モンゴルやシリア、中国において既設発電所設備の改造更新プロジェクトにも積極的に取り組んできており、これからも地球規模での温暖化ガスの排出抑制や各国の発電所の運用改善に協力していく方針です。

 九州電力においては、中国の既設発電所における効率改善の実績を有しており、またNTPCとは、平成19年に交流協定を締結し火力発電技術者を受入れるなど、アジアを中心とした国際貢献に積極的に取り組んでおります。

 また、中国電力においても、これまでトルコの火力発電所エネルギー効率改善に関するプロジェクトや中国における石炭火力発電所の設備診断事業等に取り組んでおり、今後も長年培ってきた石炭火力発電技術等を活用し、地球環境負荷の低減に貢献していきたいと考えています。


1.コンサルタント業務実施の背景
  急速な経済成長を遂げているインド国では、電力需要の増加が著しく供給力の確保が重要な課題となっています。しかしながら、電力需給が逼迫するなか、既存発電設備が適切なメンテナンスを受けないままに酷使されてきていること等により、発電停止や発電出力の低下を招き電力需給を一層悪化させています。

石炭資源が豊富なインド国は、現段階で発電容量の66%が石炭火力発電所であり、インド国第11次5ヵ年計画(2007年〜2012年)における電源開発計画でも石炭火力発電は今後も発電分野で主要な地位を占めていくこととなっており、その運転・保守はもとより効率向上や延命化といった既存設備の効率的な運用管理に関する技術の向上が不可欠となっています。

また、近年、世界規模で環境負荷の低減が求められていますが、エネルギー消費量が世界第4位であるインド国においても、気候変動問題に対する意識改革や具体的な対策技術の導入が課題となっています。

このような背景のもと、インド国政府は火力発電所の運用改善の方策をとりまとめる開発調査「火力発電運用改善計画調査」を日本政府へ要請しました。

これを受けて、2008年2月にインド国から要請された開発調査を行うための事前調査として「インド国電力分野協力内容調査」がJICAにより実施され、設備の老朽化のみならず、保守点検・運営にも改善の余地があり、我が国から火力発電所の熱効率改善に向けて設備面及び保守点検・運営面双方での支援の必要性が高いことが確認されました。

JICAはこれらの調査結果を踏まえて本年9月に業務実施に関するコンサルタント選定のための入札を行い、Jパワーと九州電力、中国電力が共同企業体を組み応札したところ、第一位に指名されました。今般、諸条件で合意に至ったことから、受注の運びとなったものです。

なお、インド国側実施機関であるNTPCは、1975年にインド国政府により電源開発を目的として設立されたインド国最大の電力会社であり、インド国におけるシェアは発電設備容量で19.1%、発電量で28.5%となっています。
   
2.コンサルタント業務の概要
  (1) 契約名
インド国火力発電運用改善計画調査
  (2) 業務期間
2008年12月〜2010年10月(23ヵ月間)
  (3) 主な業務内容
1) NTPCの石炭火力発電所の現状性能、性能劣化状況の分析
2) 性能診断(ボイラ・タービン熱効率測定)
3) 設備診断(余寿命、損傷、欠陥)
4) 設備改善計画の提案、実施及びレビュー
5) 発電所の維持管理手法のレビュー及び改善対策の検討
6) 経済・財務分析
7) CDM適用への支援
8) NTPC他インド国電力関係者への技術移転
   



以上




【添付書類】



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