大学でパワーエレクトロニクス分野について学んでいた私が最初にJ-POWERに興味を持ったきっかけは、交流電力と直流電力を変換する設備や直流ケーブルなどの特殊な設備を保有している会社だと知ったことでした。また、私は大学で環境問題に関するNGOにも所属していたため、J-POWERが風力発電や地熱発電などの再生可能エネルギー分野にも積極的に取り組んでいる姿勢に共感したことも、入社の決め手の一つです。私個人の性格としても、デスクでパソコンに向き合う仕事よりも、現場で課題を解決する仕事が向いていると感じていたため、今の送電部門の仕事は私の希望に叶うものでした。その上、送電部門の特徴として、少ない人数ですべての設備を見ているため、一人一人の責任と裁量が大きい点も挙げられます。自分の仕事が電力の安定供給につながり、社会に貢献できているという実感を得られる点も、私がJ-POWERで働く大きな理由です。

送電部門は、「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」というJ-POWERの企業理念をまさに実行している組織であり、電力を安定的に供給できるよう日々設備の管理に努めています。平常時の維持管理はもちろんのこと、台風や地震といった災害時においても電力の供給を止めないことが送電部門のミッションです。
特にJ-POWERは稼働してきた期間が長い設備を多数保有しているため、将来に向かってそれらの設備を更新していく必要があります。そのため、更新計画の立案にあたっては数十年先の在り方まで想定しながら、恒久的に電力を安定供給できるような体制を作り上げていくことが必要です。

本四連系線という、瀬戸大橋に敷設して本州と四国をつないでいるケーブルの張り替え工事を担当したことがあります。当工事は、点検の結果に異常が見られた約400mの地中ケーブルを3条張り替えるという規模の大きな工事であり、約60日間かけて作業を行いました。近年例がないほど工事規模が大きかったため、送電部門の社員が一致団結して作業にあたり、大勢の協力会社の方も工事に従事していただいたプロジェクトです。近年例のない規模とはいっても、作業の期限は定まっています。電気を安定供給するというミッションを守るため、絶対にやりきらなければならないという責任の重いプロジェクトではありましたが、無事に無事故・無災害で終えることができました。また、大勢の方々に協力してもらったとはいえ、一大プロジェクトの中心として業務を任された経験は、私自身としても大きな糧になりました。