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J-POWER’S STAFF MEMBER
中嶋 聖善
資材調達部 機器調達室
理工学研究科 創造理工学専攻
2010年修了
コストとクオリティを両立した資材調達を。
入社後は送電部門の社員として働いており、送電部門で技術的な経験を積んだ後に現在の資材調達部へ異動してきました。私が資材調達部に異動になった理由は大きく二つあります。一つは、現在、東・西日本で周波数の異なる地域間電力流通を増強させようという、電力広域的運営推進機関にて策定された「東京中部間連系設備に係る広域系統整備計画」が進められています。これは大がかりな送電線の建設プロジェクトであり、送電部門で培った技術的な知見を活かして資材調達に携わるためです。また、もう一つは、資機材の調達プロセスにおける知識やノウハウを、送電部門に持ち帰り広めることで、送電部門全体の底上げを図るためです。資材調達というと、必要なものを必要な時に契約するだけで完結するイメージがありますが、コストを抑えるだけではなく、関係各所との調整も求められます。例えば前述の大規模プロジェクトでは、J-POWERの他、関連電力各社と鉄塔材や電線の共同調達を行っているため、資材調達の手法や進め方などについて協議を繰り返し、これまで以上にコストを抑え、なおかつ各社の仕様を満足する調達ができるよう取り組んでいます。今は送電部門の視点で資材調達を見ることに集中していますが、今後は水力、火力の資材調達にも関わっていきたいと考えており、今よりも広い視点を持って業務に携わっていければと思っています。
海外で働けるチャンスに恵まれている。
海外事業に関する業務に関心があったこと、電力が供給されず困っている人々の助けになりたいという思いがあったことから、電力業界で海外事業に力を入れているJ-POWERに魅力を感じました。他の電力会社より社員の数が少なく、ここでなら海外での仕事に携わるチャンスが多いと考えたのも理由の一つです。実際に入社すると、若手社員にチャンスが与えられる環境であり、実際に入社8年目で海外に赴任して、現地での業務を経験することもできました。また、海外事業だけでなく、他の部署でも働きながら目標を見出し、そこに向けて頑張っていける働きがいのある職場だと思います。
適正にモノを見る目が求められる。
資材調達部は、自社で賄いきれないモノやサービスを、外部から適正な価格で調達することをミッションとしています。コストを重視して品質の悪いものを調達すれば設備の信頼性は低下し、企業価値低下にも繋がってきます。一方でお金をかければ経営に負荷がかかるだけでなく、調達したものが品質のいいものという保証はどこにもありません。技術やエビデンスなど、多角的な視点からも検討し、コストと品質のバランスがとれたものを調達することが最も大切であり、この両輪が噛み合うことが企業競争力向上や安定経営にもつながる大事な仕事だと認識しています。
インドネシアの送電線建設プロジェクト。
インドネシアでのプロジェクトで、火力発電所の送電線建設に半年間携わったことがあり、その仕事が印象に残っています。このプロジェクトに携わるまでは、これまで日本で培った送電建設に関するノウハウを活かしてプロジェクトを進めていけばいいと考えていたのですが、そう簡単ではありませんでした。最初に苦労したのは、送電線の仕様の違いです。送電線というのは国や地域の特性に適した鉄塔の成形や構造をしているため、これまで私が経験してきた設計や計算手法などと異なり、その違いを見出しながら確認することに時間を費やしました。さらに、言葉の壁もあり、英語での意思疎通が思うようにいきません。業務として作業の課題を現場からヒアリングすることが大切なので、絵を描いて説明するなどして対応しました。最も大変だったのは、インドネシアの国営電力会社との協議です。今回の送電線建設においては、既設の送電線の電気を一旦止めて作業する必要があるのですが、作業対象となる送電線はインドネシア国内でも重要な送電線であるため、電気を止めることがなかなかできず、工事に着手できないという事態に陥りました。何度も協議を重ねた末、なんとか電気を止めることができ、無事に送電線を建設することができました。このプロジェクトを通して、海外のプロジェクトを進める上で、文化や考え方の違いを理解することは、非常に重要なファクターとなることを実感しました。
私にとって海外旅行の魅力は、文化や価値観、物などと出会えること。プライベートで長期休暇を取得してフランスやイタリアなど、普段仕事で行かない国を旅することが多いです。自分が知らない世界に触れることで、視点が広がったり、知見が増えたりしています。好奇心を満たすこと、これが明日の仕事へのモチベーションとなっています。
各電力会社が集まって行われた駅伝にも参加。
学生時代は陸上長距離の選手だったので、走るのが好きです。各電力会社が集まって行われた駅伝大会では、ランナーとして参加。3カ月くらい前からしっかりトレーニングをして臨みました。試合前は非常に不安なのですが、チームで完走できたときは大きな達成感が味わえます。これが駅伝の醍醐味です。また、最近は山道を走るトレイルランにも取り組んでいます。大会やランニングを通して、会社の人とコミュニケーションを取ったり、いろいろな土地に行けたりするのも楽しみの一つです。
研究と仕事は似ている部分がある。
大学院時代は、電力業界とは関係性の薄い弱電の研究をしたため、直接仕事で役立つということはありません。しかし、研究と仕事の進め方は似ている部分があり、試行錯誤したり、資料を調べ展開しながら課題を解決したりして、結果を出していくという点では同じだと思います。仕事ではPDCAと言いますが、理系の大学院生は、いつも研究でやっていることをそのまま仕事に置き換えられるのではないかと思います。
水力・送変電部 中部支店 中部送電管理所 静岡送電所
送電線設備の維持管理業務、設備の改良工事の設計・施工監理業務
流通システム部 大間幹線建設所 技術グループ 兼 水力発電部 北海道支店
発電設備のメンテナンス業務、定期事業者検査対応
国際営業部付 PT. BHIMASENA POWER INDONESIA 出向
送電設備建設の施工監理業務
流通システム部 送電室
建設、大型増改良工事の技術管理・国際委員会に伴う会議設営、参加
資材調達部 機器調達室
物品購買(技術員派遣含む)に係る契約・調達に係る企画・調査・調整