近年、学校現場でも盛んになりつつある児童への金融教育。時代に先駆けて、若い世代に向けてお金に関する教育活動を展開してきたのが横川楓さんだ。

「お金の知識は、暮らしに役立つ様々な制度を活用したり、トラブルを未然に防いだりすることにつながります。人生や暮らしに直結する技術の一つとして、早いうちから身につけるのが望ましいと思います」

横川さんは小学生の時に両親が離婚。低所得者向けの制度を利用して公営住宅に引っ越した。その体験から、お金の知識や勉強の大切さを痛感。それが自身の人生の転換点となった。

横川さんが熱い思いで始めた金融教育の啓蒙活動が、7年目を迎えた2022年、法人を設立。多くの仲間を得て、現在、講演活動を活発に行い、省庁と連携した取り組みにも着手している。

「小さな子には100円ショップでの親子買い物体験、キャッシュレスが身近になっている高校生にはカードの仕組みを説明するなど、年代に合わせ、わかりやすい例を用いて説明します」

お金の知識や情報をもっと広く、もっと大勢の人に届けたい。次世代にエールを送るべく、横川さんは奮闘を続けている。

取材・文／ひだい ますみ　　写真／吉田 敬