フィリピン国の成長を電力で支える

Global J-POWER Spot

CBKの安定運転を通じて電力需要に貢献

経済成長を続けるフィリピン国

フィリピン国の国土面積は日本の8割程度で人口1億人を超える島国。主要産業は農林水産業だが、近年はサービス業が成長し、ASEAN諸国の中でも高い経済成長を誇り、家庭用や商業用を中心に電力需要は増加傾向にある。

J-POWERとフィリピンとの関わり

J-POWERは、1970年代から現国際協力機構(JICA)などの委託を受けて、ルソン島のカガヤン・バレイ地域の地方電化計画を皮切りに、数々のコンサルティング事業を通じ、フィリピン国営電力公社(NPC)の電力設備の増強に貢献してきた。
一方、フィリピン国は80年代後半からの急速な電力需要の伸びに対応するため、電力セクターへの民間投資を促進、98年にインプサ社(アルゼンチン)&EME社(米国)はNPCと2001年から25年間のBROT契約を締結し、CBKパワー社を設立して、カリラヤ水力発電所、ボトカン水力発電所、カラヤン揚水発電所のリハビリと増設工事を行い、04年に運転を開始した。その後、インプサ社が売却の意向を表明したため、EME社持ち分を含めJ-POWERと住友商事株式会社が共同でCBKパワー社を05年に買収した。
当時、カラヤン揚水発電所では数多くの機器トラブルに見舞われたが、J-POWERと現地の技術スタッフは、関係会社などから技術支援を受けながら、これらトラブルの原因を1つひとつ突き止め、補修、再発防止を図った。
08年11月には、複数の要因が重なり、カラヤン揚水発電所が水没する事故が発生。多くの発電機器が深刻なダメージを受けたが、J-POWERグループの総力を結集して徹底した原因究明と綿密な対策を行い、わずか1年で復旧作業を完了した。この復旧では多くの設備で改良を行い、カラヤン揚水発電所の信頼性を大幅に高めることができた。現在はトラブル数も減少し、安定した運転を行っている。

CBKパワー社の今後

現地の運転保守管理について、買収から数年間はJ-POWERから運転保守部門に2名のエンジニアを派遣して管理業務を行ったが、フィリピン人幹部社員の育成に力を注ぎ、12年6月からは、フィリピン人のみで3つの水力発電所の運転保守業務を行っている。
26年には25年間の事業契約を終了し、CBKパワー社の3つの発電所を、国営電力公社/電力部門資産・負債管理公社に引き渡すことになるが、以降もフィリピン国の電力需要に大きく貢献することを期待している。

カラヤン揚水発電所
ボトカン水力発電所