中国との信頼関係とともに歩むJ-POWER

Global J-POWER Spot

信頼関係を通じた電力事業への貢献と技術交流

成長続く世界最大の電力市場

13億人を超える世界最大の人口を持つ中国。GDP(国民総生産)も米国に次ぐ世界2位の10兆9828億ドル(2015年)で、経済成長率は以前より低下したとはいえ、近年でも6%台後半を推移している。電力市場も巨大で、発電電力量5兆5500億kWh(2015年)を超え世界一だが、今後さらなる電源開発が必要となると予想され、電力市場としてのポテンシャルは大きい。
中国の電力の電源構成は、石炭火力の割合が大きく、設備容量では約59%を占める(2015年)。2017年発表の電力発展13次5カ年計画では、新規石炭火力の開発は抑制されているものの、2020年までに2億kWの新規石炭火力の増加が見込まれること、さらに今後、発電効率の悪い中小の石炭火力を廃止し、高効率でクリーンな大型の発電所にリプレースするニーズがあることから、石炭火力発電所の建設はこれからも続くと予想される。

相互交流から生まれたビジネス

J-POWERは、1952年の設立以来日本国内で水力や石炭火力などの発電事業を行ってきたが、60年代より海外事業として世界各地で電源の開発、および送電設備などに関するコンサルティング事業も行ってきた。中国においても80年代より技術協力を実施し、24件のコンサルティング事業を行ったほか、日本への400人以上の中国人研修生の受け入れなど、中国の電力業界関係者との相互交流を深めていた。
こうしたJ-POWERの実績が評価され、2000年代になって、IPP(独立系発電事業者)への投資のチャンスが訪れた。

信頼されるパートナーとして

最初のIPP案件は、山西省地方電力公司からのオファーで、2000年に天石火力発電所の権益を取得。続いて、07年には陝西省の漢江水力発電事業に参画。09年には山西省の格盟国際能源有限公司の権益を取得する。格盟国際能源有限公司は、複数の発電所を持つ持ち株会社であり、前身が山西省地方電力公司である山西国際電力有限公司が有力パートナーだ。さらに、10年には中国広西チワン族自治区に209万kWの超々臨界石炭火力を開発する賀州火力発電事業にも参画した。
J-POWERは、08年に中国現地法人「捷※瓦電源開発諮詢(北京)有限公司」(※は巾偏に白)を設立。日本からの出向者3人を含む11人体制で運営している。中国の電力関係者からは「信頼できるパートナー」という評価を受けており、出資を通じた技術的助言や技術交流などを行っている。

出典:IEA「World Energy Balances 2016 Edition」を基に作成
 
ボタ(石炭の採掘時に出る捨石やクズ)および低品位炭を使用する天石火力発電所(山西省)
超々臨界石炭火力発電の賀州火力発電所(広西チワン族自治区)。