外国人のおもてなしに一役買いたい! 海外向けバリアフリー情報を発信
グリズデイル バリー ジョシュア

GLOBAL EYE 日本の魅力

「バリアフリーやユニバーサルデザインなど日本の社会福祉環境は、近年急速に進んでいます。例えば、『誰でもトイレ』は使いやすい場所にあり、いつもきれいです。今の日本は、私が生まれ育ったカナダよりも、便利で暮らしやすい社会だと思います」
Webデザイナーのグリズデイルバリー ジョシュアさんは、日本での暮らしにとても満足しているという。
初来日は、19歳の時。旅行者として訪れた当時は、まだエレベーターが設置されていない駅が多かった。しかし、駅員が6人がかりで、車椅子ごとグリズデイルさんをホームまで運んでくれた。その体験は、グリズデイルさんの心に深く響いたという。
「日本人は、職務に対して真面目で、責任感が強いと思います。また、おもてなしの心や誰もが親切な点も素晴らしい。私は日本に恋をしました」
その後、日本で働き、生活するうちに「大好きな日本の社会の一員となって、日本の社会に貢献したい」と思い、日本に帰化した。
現在、Webデザイナーとして働く一方、障がいを持つ外国人観光客向けに、バリアフリー情報などをWebサイトで発信している。そこには日々、世界中から様々な問い合わせが寄せられているという。
「漫画やアニメ、和食など、日本文化に興味を持つ人は世界中にいて、その中には、障がいがある人もたくさんいます。そんな皆さんにも、ぜひ日本の旅を楽しんで欲しいので、最新情報を提供していこうと思っています」
2020年の東京オリンピック・パラリンピックで日本を訪れる外国人観光客に対しても、日本人の一人としておもてなしをしたいというグリズデイルさん。「和食店によくある敷石を配した玄関は、車椅子では入りにくい」などの提言を行っている。誰もが過ごしやすい、より安全で豊かな社会をともにつくっていきたいものだ。

取材・文/ひだい ますみ 写真/竹見 脩吾

明治神宮は都心なのに自然が豊かで気に入っている。最近、新たに車椅子用スロープの設置を知り、情報更新の必要性を痛感したという。

PROFILE

Webデザイナー
グリズデイル バリー ジョシュア

1981年、カナダ生まれ。脳性麻痺のため、4歳から電動車椅子を使用。高校時代に日本語を学び、日本文化に興味を持つ。2016年、日本に帰化。現在、社会福祉法人江寿会・アゼリーグループのWebサイトの管理・運営を担当。また、個人のWebサイトで日本のバリアフリー情報を発信中。