技術的な知識を積み重ね、信頼に応えていきたいです。

POWER PEOPLE

J-POWER 茅ヶ崎研究所(神奈川県茅ケ崎市)

 

未曾有の豪雨や大規模地震の発生などが危惧される中、電力会社の防災・減災への取り組みも一層の高度化が求められている。J-POWERの茅ヶ崎研究所は、全国各地の現場からの要請に応じて地盤調査や環境評価、各種の実験、解析などを行う一方、設備更新や低炭素化技術といった中長期的課題を研究する拠点である。
入社9年目の庄路友紀子さんは、土木系技術者として東京の本店と静岡・天竜川流域の事務所に勤務の後、当所の土木技術研究室に配属。水力発電所の堆砂対策に関する実験、解析などを経て、現在は主に発電所の安定運用に寄与するために設備周辺斜面における安定性評価などを担当している。
「天竜川での現場経験を、ダム貯水地における堆砂対策に関する研究課題に活かすことができました。現在のテーマは地盤、斜面、土構造物に移りましたが、発電所運用に関わる技術的な知識が身についていくのを実感しています」
また、ダム湖流域の山肌が崩れた場合の影響を解析し、斜面の安定性を評価する仕事では、地域の信頼に応えられるよう取り組んでいく大切さを感じたという。万が一災害が現実になれば、周辺に住む方々の生活基盤を揺るがしかねないのだ。
「その解析には他部署が取り組んでいる航空レーザー測量結果を用います。近年はドローンによる測量やSAR衛星画像など計測技術が発達してきており、これらの計測データを駆使してより効率的な解析を行いたいと考えています」

取材・文/内田 孝 写真/斎藤 泉

築後100年にわたり強度試験を行うため、ダム建設時に製作した100年分のコンクリート供試体が保管されている。
ダムの水理模型実験装置。災害発生時の事象を再現。
ダムなどの構造物の対災害性能を評価するには、数値解析が欠かせない。
ロックフィルダムの遮水性能を検証する特殊な実験装置。
研究者ごとの解析結果を持ち寄り、課題解決に向かうチームワークも重要だ。

PROFILE

J-POWER
茅ヶ崎研究所
庄路 友紀子