水力編@奥只見 教師ツアー

エコ×エネ体験ツアー水力編@奥只見 教師ツアー 2024年ツアーレポート

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2024年ツアーレポート

先生方のためのエコ×エネ体験ツアー2024水力編

「エコ×エネ体験プロジェクト」は、J-POWERグループが「エネルギーと環境の共生」を目指して取り組んでいる社会貢献活動の一つです。

社会が持続可能な発展を遂げていくためには、エネルギーと自然環境を「つながり」として捉え、どちらも大切にする心と技術を育てることが必要だと考え、小学生親子を対象に「エコ×エネ体験ツアー」を開始したことが「エコ×エネ体験プロジェクト」の始まりです。その後、学生向けや先生向けなど、プログラムを増やしてきました。先生方向けの体験ツアーは、学校現場で次世代層の育成を担っている先生方の理解醸成はもちろんのこと、先生方ご自身の体験を通じた学びや気づきを自らの言葉で生徒たちに伝える形で「エネルギーと環境の共生」について考える広がりができればとの思いで、2018年にスタートしました。そうした考えの下、学習指導要領の教育目標の一つである「持続可能な社会の創り手の育成」を基本視点に置きながら、「社会課題について多面的に考える」をテーマとして、授業に活かすためのヒントを探ってもらうことを意識しています。ー水力編は、奥只見ダムと発電所見学、およびその周辺での自然体験を通じて、人々の暮らしを支えるエネルギー(電気)と環境(森と水)の繋がりを体感してもらうプログラムです。奥只見での先生方向けのツアーは5年ぶりの現地開催となり、紅葉の自然の中で交流し学びあいました。

実施概要

  • 日程:2024年10月26日(土)~27日(日)
  • 場所:奥只見発電所・奥只見ダム周辺
  • 参加者:小学校・中学校・高等学校・その他の先生 24名

ポイント

  • 日本最大級の水力発電所(奥只見発電所)とダムの現場を体感
  • 地域の特性を生かした自然体験アクティビティ
  • 様々な地域や校種の先生方との交流
  • 持続可能性と将来のエネルギーについて発電所で働く社員との対話

スケジュール

10/26(土)

10/27(日)

9:20 浦佐駅集合

先生方は緊張と期待が入り混じった表情で集合。浦佐駅からバスに乗って、奥只見シルバーラインを通り、緑の学園 (宿泊先)に向かいます。車窓から見える景色やクイズなどで、奥只見について理解を深めつつ、楽しみながら移動します。

オリエンテーション

様々な地域や学校の先生方が参加しているため、まずはアイスブレイクで自己紹介。J-POWERオリジナルのリングノートに「今の気持ち」などを書き、参加者同士の交流を深めます。「ダムの規模を肌で感じたい」、「働く方々から生の話を聞きたい」などの声が上がりました。ツアーのスケジュールや各施設の見どころなどを確認し、期待が高まります。

昼食

緊張がほぐれたところで、お昼の「開高飯弁当」をいただきます。芥川賞作家の開高健さんが魚沼市銀山平に逗留していた時に好んで食べた山菜焼き飯です。秋の澄み切った青空の下、紅葉を眺めながら屋外で食べる先生たちも楽しそう。

発電所の体験プログラム ~奥只見ダム・発電所見学~

緑の学園から、奥只見ダムの頂上「天端(てんば)」までバスで移動します。
立ち入り禁止区域に入る前に注意事項の説明を受け、2人1組での安全確認を行ったら、グループに分かれて「奥只見ダム・発電所」の見学に出発です。ここからは発電所で働くJ-POWER社員が解説をしながら案内します。現場で質問をしたり、参加者同士で感想を共有しながら、発電所へと進んでいきます。

奥只見ダム

ダムでは、せき止めた水が上から下に移動する際の位置エネルギーを利用して電気を作ります。発電量は「水の量×落差」で決まるため、発電所は地面よりも低い地下にあります。エレベーターでダムの内部を139m下まで降りていきました。 ダムを下から見上げると、上で手を振っているスタッフがずいぶん小さく見えてスケールの大きさを感じます。

発電機

電気を生みだすタービンの見学では「どれくらいのスピードで回るのか?」、「音はどれくらいするのか?」など、先生方から矢継ぎ早に質問が飛んできました。

水力発電の仕組み

水力発電の仕組みについて、実験を通じて理解を深めました。雨が降り、水が貯まって、発電するまでの流れを、ダムや発電機を模した実験道具を使って先生方に体験してもらいます。

奥只見電力館見学

発電所見学後は、昨年リニューアルオープンした奥只見電力館に移動し、館内を見学しました。奥只見ダム建設の歴史や建設に関わった人々の想いについて理解を深めました。

J-POWERからの情報提供 ~エネルギー・環境問題の今~

緑の学園に戻り、エネルギーに関する理解を深めていただくための講義を実施しました。J-POWER多比良より、最新のデータや各国におけるエネルギー情勢を交えながら、エネルギーと環境を取り巻く現状について詳しく解説。先生方からの質問にも答えました。さらに、カーボンニュートラルと水素社会の実現に向けたJ-POWERの取り組みについても紹介し、講義の合間には活発な意見交換が行われました。

夕食

夕飯はご当地の魚沼産コシヒカリ。料理長自慢の地元の食材を活かした料理と相まってご飯が進みます。「生で見るダムはやっぱり迫力があった」、「子どもたちも連れていきたい」など、今日体験したことの感想で盛り上がっていました。

ナイトハイク ~電気(灯り)のない夜の世界を散策~

キープ協会のガイドで、灯りのない世界を、五感を研ぎ澄ませながら散策しました。電気に囲まれた明るい世界では感じることのない、静寂と生命力に満ちた世界に心を奪われました。天候にも恵まれ、夜空に満天の星を見ることができました。

交流会

一日目の最後は自由参加の交流会。一日を共にした先生方は互いに打ち解け、和やかな時間を過ごしました。今日の体験を通して得られた新たな気づきや、教育現場で日々感じている課題などを共有し、活発な意見交換が夜遅くまで続きました。

参加者の声(抜粋)

  • 学習の流れを確認することができて楽しく過ごす事が出来ました。
  • 風に葉っぱを浮かせる、星空の下で寝転ぶ、葉っぱを太陽に透かす、ブナのベッドに身を委ねる…「自然と一体化するって心地いい…!そう思える心のゆとり・感性をいつも持っていたいなぁ」と実感しました。
  • ダムとダム湖のスケールが印象に残りました。また、ふりかえりのワークショップもとてもよかったです。
  • 全てが心に残りました。特に印象的なのは水力発電所の見学です。ダムを多方面から見聞することができました。奥只見にこのような仕組みのあるダムがあることに感銘を受けました。
  • 熱量高い参加者とスタッフの皆さんとの会話から沢山の糧を得られました!!