エコ×エネ体験ツアー 水力編@奥只見小学生親子ツアー 2021年ツアーレポート
ドクターがわかりやすく解説!「電気ができる仕組み」



磁石と銅線をぐるぐる巻いたコイルでの実験の後、発電機の中で水車が回って電気が起こる仕組みを説明し、上から水が流れて水車が回ることで、エネルギーが電気に変わることをわかりやすく教えてくれました。
白川郷映像体験「電気のなかった昔の暮らし」
休憩後は、白川郷の映像で「電気がなかった時代の生活」の体験です。


合掌家屋は、わらぶきの大きな屋根が特徴的な建物です。森にある素材を使って、村人たちが協力して自分たちで作っています。壊れても森から素材を集めて作り直すことができます。合掌家屋には必ず囲炉裏(いろり)があり、豪雪地帯の白川郷では寒い冬をしのぐために薪(まき)を使って火を起こして温まったり、家族で集まって話をしたりする場所でした。森から切り出した木を割って、2年間乾燥させたものを薪として使います。囲炉裏には、長くゆっくり燃える木が向いているそうです。
ここでスギ(針葉樹)とミズナラ(広葉樹)の薪が用意されて、囲炉裏に向いている木はどちらか実験!

電気がなければ夜は真っ暗なので、昔は「ろうそく」を使いました。


美しい映像。癒やされるブナの森へ「森の体験プログラム」
続いては自然について学びます。発電所の周りにはたくさんの森があります。ここからはキープ協会のぱりんこの案内です。



銀山平の船着場からは歩いて森へ向かいます。

森の入り口に来ました。


ここからは参加者すべてが赤、青、黄の3つのブレイクアウトルームに分かれて、事前に用意していた5枚の葉っぱを使った「葉っぱじゃんけん」をしました。葉っぱじゃんけんは、例えば、葉の大きさ、柄の長さ、ギザギザの形、色、筋の多さ、手触り、匂いなどのさまざまな条件のもとで、自分の持っている葉っぱを出し合って比較しながら勝ち負けを決める遊びです。

再びブナの森へ。



森の地面は落ち葉もたくさん積もっています。ぱりんこが落ち葉をめくりながら、その下にあるものを見せていきます。

ブナの森には根元が曲がっているブナの木がたくさんあります。

ドクターと学ぶ「科学の実験教室」~水力発電編~
ドクターの科学の実験教室では、かずとよーこばが助手を務めました。植物が生える「土」と「森」をまず考えました。土は小さな粘土の粒が基本です。用意されたキッチンペーパーはセルロースという小さな粒の集まりで、土壌と性質が似た素材。それを実験用にグラウンドの土と見立てました。



ペットボトルを用意し、グラウンドの土と森の土を同じ量で比較しました。

それぞれの土を入れたペットボトルにストローを差し込んで、息を吹きこんで空気の通りやすさを調べました。

そして、この森のペットボトルをたくさんつなげていきました。森や山をどんどん作るイメージです。

「地下水」は、飲み水や農業用水はもちろん、電気を作ることにも利用できます。雨は水力発電にとって非常に大切であることがわかりました。


雨がなかなか降らないと水が足りなくなって水力発電ではとても困ることになります。すると電力会社では、神社に行って「雨乞い」をします。


親子で振り返ろう~おわりの会
自然とエネルギーのむすびつきを理解して、これからのアクションにつなげるために、ここまでの体験で発見したことや驚いたことを親子参加者がそれぞれノートに書いて振り返りました。赤、青、黄のグループに分かれての発表では、例えば「水の力で電気が作られることをはじめて知った」、「奥只見の水の量の多さがすごかった」、「水を使い切るのにたったの2週間ということに驚いた」、「磁石とコイルで電気が作られることがわかった」など、ダムの仕組みや水力発電、発電そのものの仕組みに多くの発見がありました。

また「森が水力発電に関係することを知らなかった」、「森が大事、虫の働きが大事」、「自然が僕たちの生活を支えることに驚いた」と自然とエネルギーのつながりにも気づいたようすがありました。そして「電気を大切に使おうと思った。自然を守っていきたい」とエネルギーを大切にすることが自然を守ることにつながるという理解も深まったようすでした。
最後は、「しげさん」から「火力発電や風力発電、太陽光発電、地熱発電など、さまざまな発電方法があって、それぞれの強みや弱み、特徴があるので、夏休みに調べてもらえたらうれしいです。エコ×エネのスタッフは、エネルギーと環境の両方を大切にする人が増えてくれるよう取り組みを続けています。さらに仲間が増えることを期待しています」と話しがありました。
「おのの」が「また今度、本当に実際の発電所で会おうね。ありがとう」と呼びかけると、子供たちはマイクをオンにして「ありがとう」と伝えてくれたり、手話で拍手をしてくれました!
スタッフは、いつも子どもたちと触れ合う時間を楽しみにしています!こうした機会に科学や環境をはじめとしたさまざまな問いが、子どもたちの中に生まれていくことを願っています。また来年の「エコ×エネ体験ツアー」で待っています!
インタビューに答えてくれた、ようようさん親子(左上)、りららんさん(右上)、こうすけさん(左下)、とーきっちーくん親子(右下)