つまようじで描く精密かつ華麗なアート
Momo

Venus Talk

つまようじペインター Momo

背景の作品(160×160㎝)は半年以上をかけて制作。「黒地のキャンパスに中間色から塗り始め、寒色・暖色のバランスにも気をつけています」とMomoさん。今後も大きな作品を描いていきたいという。

楽しげに弾むような色合いが目に飛び込んでくる……。Momoさんの作品は、つまようじで一つひとつ点描されたアートだ。誘われるように近寄ってみると、濃淡のある精密な点で描かれていることに驚かされる。

「オーストラリアの先住民アボリジニのアートを見て、その点描の美しさに衝撃を受けました。そこで、綿棒、割りばし、竹串など様々なもので試してみた結果、つまようじで点描する手法が、自分の表現にピッタリだと感じました」

心にインプットされた風景をもとに、デザインのイメージをまとめるというMomoさん。様々な色をどう組み合わせるかは、何日もかけて、納得がいくまでじっくりと吟味する。

「例えば、商品搬入用のプラスチック箱が2色交互に積んである様子とか、バスのシートの色と、そこに座る人の服の色の組み合わせがおもしろいなと。こうした印象に残った記憶から、色の組み合わせを考えます」

国内外から、様々な注文が相次いでいるというMomoさん。コロナ禍が明けたら、海外で個展を開催することが目標だ。観る者を圧倒するMomoさんのつまようじペイントは、海外でも称賛を浴びるに違いない。

取材・文/ひだいますみ  写真/竹見脩吾

抽象柄、動物柄など多様な作品を手掛けている。

PROFILE

つまようじペインター Momo

もも
本名:佐藤桃実。千葉県出身。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。アパレル販売員や絵画教室の非常勤講師を務めながら、作品を制作。2014年イオンマイバッグデザインコンテスト優秀賞、2017年SHIBUYA PIXEL ART特別審査委員賞ほか受賞多数。