爽やかな風のようにサッカーを愛す
山下 良美

Venus Talk

Jリーグ審判員 山下良美

「目の前の一試合、一試合が大切。審判員は、常に良いコンディションで臨むのが責任です」と山下さん。

2019FIFA女子ワールドカップで主審を務めた国際審判員の山下良美さん。今年度、Jリーグ史上初の女性主審としても、笛を吹いた。
「体力テストの基準をクリアし、1級の資格を取れば、女性も男子の試合で審判員ができます。将来、女性審判員が当たり前になるように、目の前の試合に真剣に取り組んでいます」
審判はボールの近くでジャッジするため、試合の流れを読み、的確に分析する力のほかに、選手同様の体力も求められる。一試合の走行距離は約10km超。普段から俊敏性や筋力、持久力などの体力強化のトレーニングが不可欠だ。加えて、研修会に参加し、試合のビデオを見返すなど、より正確なジャッジをするための努力も続けている。
「審判員は、選手も観客もみんなでサッカーを楽しむための役割の一つ。審判員ならではの大会関係者やスタッフとの出会いもあります。それは、私にとってサッカーの魅力の一つです」
日本のサッカー界がさらに盛り上がってほしいし、なでしこジャパンには再び、世界の頂点に輝いてほしい――。その願いを胸に、山下さんは凛々しく爽やかな風のように、今日も笛を吹いている。

取材・文/ひだいますみ  写真/ (C)JFA

2019年女子ワールドカップでは主審を担当。「見たもの、聞こえたもの、肌で感じたもの、今でも鮮明に思い出せる」という夢の大舞台。

PROFILE

Jリーグ審判員 山下良美

やました・よしみ
サッカー審判員(国際主審、Jリーグ審判員)。1986年、東京都生まれ。2012年に女子1級審判員の資格取得。15年、FIFAの国際審判員に登録。全国高等学校サッカー選手権大会、AFCカップなどでも審判員を務め、21年、Jリーグ史上初の女性主審となった。