短編小説「ともしび食堂、本日閉店」
藤岡 陽子
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※コロナ禍で取材ができないため、今回は藤岡陽子さんによる短編小説を掲載しました。
写真:竹本りか(2019年1月発行の本誌56号の写真を再利用しています)
作家 藤岡 陽子/ 写真家 竹本 りか
最後の客が帰ってしまうと、店はとたんに静かになり、表を歩く人たちの話し声が店内にまで響いてきた。
「お母さん、おつかれさま」
ふう、とひと息ついたところに、カウンターの奥で洗い物をしていた由奈が声をかけてくる。
「ああ、おつかれ。由奈、手伝ってくれてありがとうね」
「ええよええよ、私も久しぶりに所員さんたちに会いたかったし。異動先からわざわざ来てくれる人もおったりして、ちょっと感激したわ」
今年で三十二歳になる娘の顔が、幼い頃のままにほころぶ。そういえば昔もこんなふうに店の手伝いをしてくれたっけ……。
今日は笑子が営んできた「ともしび食堂」の最後の営業日だった。阿南市の片隅で夫の親の代から四十年以上続いた店は、今宵をもって店じまいとなる。
夕方五時から始まったささやかなお別れ会には、発電所の所員さんたちが次々に参加してくれた。転勤していった人たちも閉店の噂を聞きつけ顔を出してくれ、お別れ会は同窓会のような明るいものとなった。
笑子の夫、忠津正道が心臓の病で亡くなったのは、いまからちょうど二十五年前の冬の日だった。四十二歳だった笑子は十歳の正輝と七歳の由奈、まだ小学生の子どもを二人抱え、途方に暮れた。結婚してから十年以上、ともしび食堂の厨房で料理を手伝っていたとはいえ経営のことはすべて夫に任せきりにしていたので、ひとりきりで店を切り盛りしようとは考えもしなかった。納骨をすませたら子どもたちを連れて実家に帰ろう。そう思っていた。
だがそんな笑子を、
「あんたがこの店続けなさい。亡くなった先代も正道ちゃんも、きっとそれを望んどるよ」
と近所に住んでいた夫の伯母が引き留めた。笑子にしても愛着のある店を手放すのは辛い。一軒家の二階は自分たち家族の住居になっていたので、店を失うことは家族四人で暮らした思い出の場所をも失うことになる。でもやっぱり店と子育てを両立する自信を持てずにためらっていると、その伯母はこんなことも口にした。
「笑子さん、あんたも知っとるでしょう。来月から発電所の建設工事が始まるんよ。きっとこの町にも人が増える。お客さんだって増えるはずや」
この町に大きな火力発電所ができる、ついに建設工事が始まる。
それが町にとってなんの意味をもつのか。自分たちの暮らしにどんな影響があるのか。そんなことはさっぱりわからなかった。だが「発電所ができる」という言葉には笑子を前に向かせる響きがあった。
よし、ここに根を張って店を続けてみよう――。
笑子がそう心を決めたのは、一九九五年、冬のことだった。
「お母さん、もう暖簾下ろしてもええよね?」
洗い物を終えた由奈が、てきぱきと手を動かしている。その一方で笑子はさっきからぼんやりと店内を眺めていた。
「ねえお母さん聞こえてる? あと十五分で閉店だから暖簾下ろすよ。それから、玄関先の電飾看板の電気も消すねー」
高校を卒業して看護師になった由奈は三年前に結婚し、いまは一歳になる双子の女の子を育てている。だがそろそろ職場に復帰するので、笑子に子育てを手伝ってほしいと頼んできた。店を閉める一番の理由は、徳島市内で暮らす娘一家と同居するからだった。
だがあちこちガタがきている自分の体を思えばちょうどいい頃合いでの店じまいなのかもしれない。
「あ、暖簾下ろすのはちょっと待って。まだあとひとり来る予定やから」
「来る予定って、お客さんが? こんな時間から?」
「そう。仕事が終わりしだい向かうって連絡もらったんよ」
誰が来るのか、とも聞かずに由奈が「了解」と頷き、
「これ、うちの家に持ってくよね」
と厨房の壁に飾っていた発電所の写真を指差した。
「持ってってええの?」
「ええよ。新居にはお母さんの部屋も用意してるんやから、そこに飾ればええし。大事なものなんでしょ?」
夫の伯母の予言通り、発電所の工事が始まってから、町に人が増えた。ありがたいことにともしび食堂の客も増え、常連の中には発電所の関係者がたくさんいた。発電所が運転を開始した八年後には四国最大級の野球場「JAアグリあなんスタジアム」も阿南市内にオープンし、町は活気づいていった。
「そういえばこの発電所の写真、家島さんがくれたんよね」
「そうや。あんた、よう覚えとるね」
家島は、発電所の建設工事が始まった時からの初代メンバーで、秋田出身の男性だった。あの頃はまだ二十代だったろうか。
「家島さん、たしかあの席で日本酒飲みながら、地元にいる彼女の話しとったね」
由奈が一番奥のカウンター席をちらりと見つめ、楽しそうに笑う。そういえば由奈は、夜になって寂しくなると店に出てきてはお客さんに相手をしてもらっていた。
「そうやね……この店が、いろんな人と出会わせてくれたね」
しみじみと口にする笑子のことをからかうかと思ったが、由奈は真面目な顔をして「ほんまや」と頷く。
「学校の社会科見学で発電所を訪ねて行った時、所員さんたちが『お、由奈ちゃん』って声かけてくれたんよ。なんかそういうの嬉しかった。お父さんが生きてたら、きっとおじさんたちみたいに一生懸命働いてたんやろなって思ったりもして」
職場で見る所員さんたちの姿はきりりとしてカッコ良かった、と由奈が笑う。
「発電所で働く人はみんなきりりとしとるからね。それだけは二十五年間、ずっと変わらんな……」
ボイラー建屋は阿南市の花、ひまわりの黄色。石炭バンカー建屋は徳島の名産である藍の青色。タービン建屋は特産物、すだちの緑色。鮮やかに彩られた美しい発電所は、運転開始からずっと変わらず、ここに在った。この二十五年の間に小学生だった子どもたちは成人し、笑子の顔には深いしわが刻まれた。だがメンテナンスと更新工事を繰り返し、最先端の技術をもって動き続ける発電所は、美しい姿のまま電気を供給し続けている。
あの発電所がこの場所で電気をつくっている間は、私もここでやっていける。
夫がいなくなってからの歳月、笑子はそんな願掛けをしてきた。心のどこかで、発電所を同志のように感じてやってきたのだ。
「お母さん、このノートなに?」
厨房の隅に置いていたノートを、由奈が引っ張りだしてくる。
「いやだ、見んといてよ」
「ええやん、料理のレシピでしょ? どれどれ? おっ切り込み、白味噌の雑煮、ヒカド……って、なにこれ? うちのメニューじゃないよね」
「それは郷土料理や。おっ切り込みっていうのは群馬のうどん料理。白味噌は京都のお雑煮なんかに使うんよ。ヒカドは長崎でつくられる和風シチューのことで……」
「どうしてこんなレシピがあるの? うちの裏メニューなの?」
「裏っていうか……」
ノートに書いてある郷土料理は、発電所で働く所員さんたちの出身地のものだった。所員さんたちは異動が多い。短い人は赴任して一年や二年ですぐにまた転勤になることもある。全国を巡る所員さんたちに、彼らの郷土料理をつくって出したいと思い、始めたことだった。
「お母さん、きりたんぽまでつくってたの?」
飽きもせず楽しげにノートを繰っていた由奈が大きく目を開く。
「きりたんぽ? そんなん簡単や。すりこぎですり潰したご飯を、棒に握りつけて焼くだけ」
「ああそっか。きりたんぽって、秋田の郷土料理やな。このメニューは家島さんのためやね。そういえば家島さんって、いまどうしてるんやろね」
「家島さんは正輝が高校を卒業した年に、ここを離れたんよ。沖縄の発電所に行かれたところまでは知ってるんやけど……」
「そうなんや。なんか懐かしい。会いたかったなあ」
笑子にしても、家島には最後にきちんと礼を言いたかった。だが所員さんの異動先まではさすがにわからない。
「家島さんといえば、お兄ちゃんの家出騒動やね」
由奈がさもおかしそうに笑う。
「そうやな。あれはほんとに大変やったわ」
何事もなく解決すれば、衝撃的な事件ほど最高の笑い話になる。二十年前に正輝が起こした「家出騒動」は、いまも家族の思い出話として繰り返し登場する笑い話だった。
あれは正輝が中学三年生の、十月のことだった。
「あれ由奈。お兄ちゃんは?」
笑子が店の戸締りをしてから階段で二階に上っていくと、正輝の姿がどこにもなかった。
「え、知らんよ。自分の部屋か店におるんやと思ってた」
由奈がテレビを観ながら面倒くさそうに言ってくる。
「部屋は空っぽやけど。店にもおらんかったし……」
時計を見ると、もう十時半を回っていた。これまで一度だってこんな時間に外出したことなどなかったので、笑子の背筋が冷たくなる。
「お兄ちゃん、学校からまだ帰ってないんじゃないの。中学に電話してみたら?」
「学校に電話って……こんな時間やしな」
笑子は階段を駆け下り、店の玄関から外に出ると、そのまま裏に回った。思ったとおり、そこにあるはずの正輝の自転車がない。
あの子、いったん家に帰って来て、またどこかに行ったんや……。
海側から吹いてくる強い風に髪をなぶられながら、笑子は今日の放課後にあった三者面談のことを思い出していた。正輝の進路について担任と話したのだが、なんの前触れもなく「おれ、中学を出たら働きます」と口にした正輝を、「あんたはなにアホなこと言ってんのっ」と思いきり叱りつけてしまった。
不吉な予感に胸を冷たくしているところに、
「お母さん、電話っ」
由奈が家の中から飛び出してきた。靴下のまま、サンダルも履かずに家の裏まで駆けてくる。
「電話? 誰から?」
動揺する由奈の様子から、正輝のことだとわかった。正輝の身になにか起こったのだ。
「家島さんから。家島さんが、お母さんいますかって」
踵を返し、笑子は家の中に走って戻った。思わず靴のまま店の奥から二階に続く階段を上がりそうになり、慌てて脱ぎ捨てる。
「もしもしっ、ともしびです。ともしび食堂の忠津ですっ」
思わず店の名前が口をつき、名字を言い直す。
『ああ、女将さん?』
予想に反してどこかのんびりした家島の声が受話器の向こう側から聞こえてくる。
『あの、ぼく、さっき正輝くんと……』
「正輝、正輝がどうしたんですかっ」
間髪いれずに訊き返すと、背後から腕を強く引っ張られた。振り返ると由奈が「お母さん落ち着いて」と言ってくる。
『じつはぼく、さっき正輝くんと津峯山のふもとで会ったんですよ。ぼくがジョギングしている時にすれ違って。それがなんとなく……声をかけづらい雰囲気だったんです。それでなんか気になってしまって、こうして電話しました。あの後、正輝くんがちゃんと家に戻ったかなと思って……』
すれ違ったのは夜の八時くらいのことだと、家島が声を硬くする。笑子の慌てぶりからなにか感じとったのだろう。家島の口調が慎重なものに変わっていた。
「正輝はまだ家に戻ってないんで……」
不安で胸が圧され、語尾が潰れた。進路相談の場で息子をきつく詰(なじ)ったことがまた頭の中に蘇る。
「あんた、なに言うとるの」「受験勉強から逃げたいだけでしょう」「お母さんの気持ちも知らないでっ」
先生を前に、きつい言葉を投げつけてしまった。
正輝はなにも言い返さず、ただうな垂れていた。
『女将さん、しっかりしてください。ぼく、いまからもう一度、津峯山に行ってみますよ。寮に車持ってるやつがいるんで、車で捜してみます。女将さんは警察に一報しておいてください』
警察、という言葉にうろたえる笑子を、家島が「大丈夫ですよ」と慰める。警察に世話になるようなことは万に一つもない。ただ万全の安全対策をとりたいだけだから、と。
十一時半回ったよ、さすがに暖簾下ろすよ、と由奈が言ってきた。ついでに外周りの掃除もしておくね、と箒を持って表に出て行く。
「ありがとう」
その華奢な背中に声をかけながら、娘はすっかり大人になったのだなとしみじみ思う。正輝は三十五歳。由奈は三十二歳。そして自分は六十七歳になった。
二十年前のあの夜、正輝は津峯神社で発見された。
息子を見つけてくれたのは家島で、彼の話によると、正輝は津峯山の山頂まで登ったもののあまりに闇が深く、動けなくなっていたのだという。
車に乗せられて家に帰ってきた正輝を、笑子は叱らなかった。どうして高校に行かないと言い出したのか、その理由を電話で家島から聞いていたからだ。
『正輝くん、中学を卒業したらともしび食堂を継ぐつもりなんですよ。お父さんが亡くなる前に、将来は自分が店を継ぐと約束したからって。いま本人の口からそう聞きました』
正輝くんを無事に見つけました。そう電話で連絡を受けた時に、家島はそんなことを口にした。
『でもね、正輝くん、本当は船乗りになりたいらしいですよ。今日お母さんに怒られて、自分でもどうしたらいいかわからなかったのかもしれませんね』
男の子の家出なんて珍しいことではない。正輝くんにはこれまで反抗的なところがなかったから、むしろ安心したと家島は電話口で笑っていた。
家出騒動の翌日、笑子は正輝と向き合って、将来について話し合った。それまでは店をやっていくことに必死で、息子と真剣な話をするのは初めてのことだった。
正輝は家島が言った通り、「船乗りになりたい」と重い口を開いた。自分は大規模な発電所のそばで育ってきた。発電所の揚炭桟橋には外国からの石炭運搬船が入ってくる。その巨大な船を眺めていると、いつか自分も広い世界に飛び出していきたいと思うようになった……。長い時間をかけて、正輝は自分の思いをぽつりぽつりと打ち明けてくれた。
「お父さんとの約束を守れなくてごめんなさい」
そう口にした十五歳の息子を、笑子は泣きながら抱きしめた。店を継いでくれないことに落胆したのではない。夫と息子がそんな約束を交わしていたことすら知らなかった。笑子が胸を熱くしたのは、息子が自分の夢を語れる人間に育ってくれたからだった。
広い世界に飛び出していきたい――。
その後正輝は地元の高校に入学し、卒業後は愛媛県にある国立の海上技術短期大学校に進み、いまは海運会社で航海士として働いている。
「きゃあー!」
表から由奈の叫び声が聞こえてきたので、「どうしたの」と顔をのぞかせると、正輝の姿が目の前にあった。
「ああ正輝、遅かったねぇ。所員さんたち、もう帰っちゃったよ」
驚かすために由奈には内緒にしていたが、今日のお別れ会には正輝も顔を出すと言っていたのだ。お世話になった所員さんたちに自分も挨拶をしたいから、帰船したらすぐに駆けつける、と。
「なんや由奈。そんなにびっくりした? お兄ちゃんとはお盆に会ったとこやろ」
そんなおおげさな、と笑子が笑うと、「お、お母さん……。ほら、ほらあ!」と由奈が正輝の背後を指差した。そこで初めて、笑子は正輝の後ろに人が立っていることに気がついた。暗い闇にまぎれて気づかなかった。正輝の上司だろうか。
「ああ、これは失礼なことで。正輝がいつもお世話になっております」
息子の後ろに立っていたのは恰幅の良いスーツ姿の男性で、笑子は深く腰を折って挨拶をした。その瞬間、
「女将さん」
闇の中から懐かしい声が聞こえた。
「女将さん、ぼくです。お久しぶりです」
男性が一歩前に出て、正輝のすぐ隣に並ぶ。店の中から漏れる電灯と電飾看板の光が、男性の顔をほんのりと照らした。
「……家島……さん?」
目の前で、二十五年ぶん歳を重ねた家島が笑っていた。だが笑顔はあの頃のままで、笑子の声が震える。
「すみません、こんな遅い時間から。ともしび食堂のお別れ会のこと、今朝知ったんですよ。仕事終わってから来たもんだから……」
いまは広島にある火力発電所に勤務しているのだと家島が教えてくれる。その後、地元に残してきた彼女と結婚し、いまは二人の子どもの父親になったのだという。
「噂をすればやな、お母さん。さあさあ立ち話もなんだから中に入ってください。お刺身も津乃峰大吟醸もまだまだありますよ――」
胸がいっぱいでただ立ち尽くすだけの笑子に代わって、由奈が二人を店の中に招き入れる。笑子は大きく深呼吸した後ようやく言葉を取り戻し、「あんたも一緒に飲みなさい」と由奈をカウンター席に座らせた。
「ともしび食堂に乾杯」
家島がグラスを持ち上げ、口にした。
「乾杯! お母さん、長い間おつかれさまでした」
由奈がカウンターの中に入ってきて、笑子にもグラスを持たせ、酒をついだ。店は客に飲んでもらう場所なので、自分がここで酒を口にするのは初めてだった。それも大吟醸。
込み上げてくるものを抑えきれず、でも涙を見られることが恥ずかしくて笑子はそっと視線を逸らす。三人に背を向けて、壁にかかる発電所の写真と向き合った。
(ここまで無事やってこられたのは、あなたのおかげです。本当にありがとうございました)
額縁の中で佇む発電所に向かって、笑子はそっと礼を伝えた。
家島を間に挟み、正輝と由奈が子どものようにはしゃいでいた。
三人が語る昔々の思い出話を、笑子はほろ酔い気分で聴いていた。
明るい笑い声が店内に響く。
いい人生だった、と笑子は心の中で呟いた。
そしてこれからも、いい人生が続くのだろう。
※この小説はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
橘湾火力発電所
所在地:徳島県阿南市橘町小勝
発電方式:汽力発電(石炭)
認可出力:210万kW(105万kW×2)
運転開始:2000年7月(1号機)・2000年12月(2号機)
Focus on SCENE 四国最東端に立つ白亜の灯台
徳島県阿南市にある蒲生田岬(かもだみさき)は、四国の最東端にあり、四国でもっとも早く朝日が昇るため、毎年元旦には暗いうちから混雑する“初日の出”スポットだ。そんな蒲生田岬にあるのが1924年(大正13年)に建てられた灯台。海抜49.6mに立つ灯台までは急勾配の階段を登る。この蒲生田岬灯台と和歌山県の紀伊日ノ御埼(きいひのみさき)灯台を結んだ線が瀬戸内海と太平洋の境界と定義されており、瀬戸内海と太平洋を同時に見ることができる。
文/豊岡 昭彦
写真 / 竹本 りか
PROFILE
藤岡 陽子 ふじおか ようこ
報知新聞社にスポーツ記者として勤務した後、タンザニアに留学。帰国後、看護師資格を取得。2009年『いつまでも白い羽根』で作家に。最新刊は10月26日発売の『きのうのオレンジ』。その他の著書に『手のひらの音符』、『満天のゴール』など。京都府在住。本誌では、38号(2014年7月発行)より、「Home of J-POWER」を執筆。