英国で大規模洋上風力発電に挑む

Global J-POWER Spot

洋上風力発電の知見を日本へ
JP Renewable Europe Company Limited (United Kingdom)

PROFILE

笠原 覚 Satoru Kasahara(右)
千葉和彦 Kazuhiko Chiba(左)

JP Renewable Europe Company Limited (United Kingdom) Director

温暖化対策を積極的に進める英国

投資管理委員会のメンバー。

英国はヨーロッパ諸国の中でも、電力の再生可能エネルギー化を積極的に推進している国のひとつだ。特に北海での洋上風力発電には力を入れており、新規の発電所建設が急ピッチで進められている。
J-POWERは2018年、英国において、日本の電力会社では初めての参画となる海外洋上風力事業、新規プロジェクトの「トライトン・ノール洋上風力発電所」に持分25%の投資を行った。本プロジェクトは、単機容量9500kWの風車90基、総発電容量86万kWという、大型の火力発電所に相当する大規模なもので、洋上風力として英国でも最大規模のプロジェクトだ。
現在、J-POWERの現地法人JP RenewableEurope Company Limited(当社持分比率100%)Director の千葉和彦さんと笠原覚さん。投資管理委員会メンバーでともにJパワーからの出向だ。
二人は「洋上は周辺にさえぎるものがないため、風が安定して吹くこと、巨大な資材の運搬が比較的容易で大規模な風車が建設でき、発電効率がいいことなど、海洋に面した国にはメリットが大きい」と話す。現在は、工事の進捗英国で大規模洋上風力発電に挑む状況や商務状況の確認・報告や、プロジェクト課題や解決策などの共有が主な業務で、その目的は「大規模洋上風力建設工事についての広い知見を獲得し、今後に活かすことだ」という。
現在は二人ともロンドン市内パディントン駅に近いオフィスに勤務。北部の建設現場まで足を運ぶ。

変電所の工事現場。ロンドンから特急で1 時間のグランサムを経由し、さらに車で40 分ほどのボストン近くのビッカーにある。洋上工事の拠点はさらに北部のグリムズビー。 innogy Renewables UK 社提供
現地法人のオフィスは、パディントン駅周辺のオフィス街にある(写真左側のビル)。
共同で投資するinnogy Renewables UK 社が英国で運営している洋上風力発電所。 innogy Renewables UK 社提供

休日には趣味を楽しむ

単身赴任中だというお二人に、英国の印象や休日の過ごし方などを聞いた。
赴任当初は、仕事上の略語が多く、英語に苦労したという笠原さんだが、「英国スタッフは丁寧に説明してくれるので問題はない」と語る。笠原さんは、橋などのインフラ構造物を見るのが趣味で、休日は遠出し、撮影した写真で「ブリッジカード」を作成するほどのこりよう。オリジナルのトライトンノールカード同様、英国の人にも大好評とのこと。
一方の千葉さんは、サッカーが趣味で、地元の日本人サッカーチームに所属し、毎週日曜日の試合に参加している。「英国は物価が高いので外食は控えている」と言うが、英国には親日的な人が多く、街中で気軽に声をかけてもらえるなど厭な思いをしたことはないと話す。
「J-POWERが日本の洋上風力のリーディングカンパニーとなるべく貢献したい」と話すお二人。
発電所建設はこれからが本番で、21年には完成する予定だ。

笠原さんが尊敬する土木エンジニア、ブルネル氏の銅像。パディントン駅の中にある。

笠原さんがつくったタワーブリッジの「ブリッジカード」。写真はもちろん解説も自分で作成した。

同僚で日本贔屓のPriscilla さん。事務を担当。手に持っているのは笠原さんの「トライトンノールカード」と日本のこけし。