北本連系設備の信頼性向上に全力投球で取り組んでいます。

POWER PEOPLE

J-POWER北地域流通システムセンター
北海道亀田郡七飯町

北海道と本州をつなぐ電気の大動脈、北本連系設備(北本直流幹線)。昨年9月の北海道胆振東部地震に際して本州側から被災地域への電力融通を担い、その重要度が改めて注目された。津軽海峡を渡る海底ケーブルや、地中線と架空送電線の接続点(ケーブルヘッド)など、特殊技術が多用された設備だけに、保守・管理にあたる社員にも豊富な知識と経験が求められる。
例えば、海底ケーブルには超高圧直流送電を絶縁するための油が充填されているが、この絶縁油は通電に伴う温度変化等により膨張と収縮を繰り返す。そのため海底ケーブルの両端から絶縁油を出し入れし、常に最適な充填量を保つための装置(ポンピングプラント)が設けてある。
「この油の出し入れは、海底ケーブルの呼吸のようなものです。だから24時間体制で監視し、異常を察知したら直ちに現場状況を把握して故障対応にあたる。いわば救急医療班のような緊張感と達成感があります」
入社以来、主に送電の現場で架空線やケーブルについて学び、風力発電所の立ち上げにも携わった須東恵次さんは、自称「何でも屋」。だが、未知のものに懸命に挑み、自らの血肉に変えてきた今、その使命を「北本連系設備をいつでも運用可能な状態にしておくこと」と見定めている。
そんな須東さんの2年越しの懸案は、海底ケーブルを地上に導くジョイントの工事を成就することだ。
「北本連系の信頼性向上に欠かせないプロジェクト。関係各位の支援を仰ぎながら全力で取り組んでいます」

取材・文/内田 孝 写真/斎藤 泉

ケーブルヘッドの建屋内部。大きな空間や円形窓で高圧送電線から十分な離隔を保っている。
海底ケーブル内の導体は絶縁油で覆う必要があり、その最適量を保つための給油装置の稼働状況に目を光らす。
海底ケーブルと地中ケーブルのジョイントの信頼性を高める工事に向けマンホール拡幅工事を進める。
ケーブル内の絶縁油などは常時監視されており、警報発生時には即座の故障対応が取られる。
専門性の高い少数精鋭のスタッフの連携が重要だ。

PROFILE

J-POWER 北地域流通システムセンター 送電グループ
須東 恵次