都心への電力供給を安定させる、「西の玄関口」をがっちり守ります。

POWER PEOPLE

J-POWER西東京流通事業所

 
送電線路の接続を担う遮断器や断路器の作動状況を念入りにチェック。こうした目視点検を回線ごとに行う。

東京ドーム約2.6個分の広い敷地に大小無数の鉄塔が整然と並び、超高圧の送電線路が縦横に走る。主に京浜地区の火力電源から受けた電力を都心の人口密集地へ送り出す西東京変電所は、いわば首都圏の電力安定供給を支える「西の玄関口」だ。
総設備容量135万VA(ボルトアンペア)は、国内有数の規模。接続送電線路は27.5万Vが14回線、15.4万Vが6回線。超高電圧を変換する変圧器4基を中心に、電源を開閉する遮断器、回路を切り離す断路器など、大規模かつ精密な設備機器を支障なく運用していくためには、現場を熟知したスタッフによる丹念な保守管理が欠かせない。
「電力系統は広域的運用が常識になっており、変電所にも即応体制が求められます。電力供給のムラをなくすために系統をこまめに切り替えるとか、落雷などで障害が生じた送電線を系統から切り離し、障害の除去や波及防止を促すなどの役割も担っています。見た目の平穏に隠れて、変電所設備は一瞬の隙もなく働いているのです」
そう語る柴田邦彦さんは、J-POWER全社でも稀な変電のエキスパートとして10年間を積み重ねてきた。昨年4月の着任以来、所内を巡る点検作業では、計器の動きに目を光らせ、設備の発する音に耳をそばだてて、わずかな異変にも神経を研ぎ澄ます。
仕事熱心が見込まれ、今、変電所機能の中核をなす母線モジュールの更新作業が、その肩に託されている。
「エンジニア冥利に尽きる大任で身の引き締まる思いです。先輩方の助力も得て、是が非でも成功させます」

取材・文/内田 孝 写真/斎藤 泉

計器類に目を凝らしつつ、わずかな異音や異臭にも注意を傾ける。
変電所の心臓部ともいえる主要変圧器。内部に巨大な鉄心やコイルが組み込まれている。
育ち盛りの2児の父親だが、緊急事態が生じれば夜間でも車で30分以内に職場へ駆けつける。
着任から丸1年の柴田さんは、所員間のチームワークが円滑な施設運用の礎になると言う。

PROFILE

J-POWER 東地域流通システムセンター 西東京流通事業所 柴田 邦彦