風車リプレースに先鞭をつけ 地域共生の大事さを再認識。

POWER PEOPLE

新島牧ウインドファーム(北海道島牧郡島牧村)

2000年から運転してきた旧発電所の風車(出力750kW)6基を、大型・高効率の風車(同4300kW)1基に建て替える工事が今年2月に完了。新島牧ウインドファームは、今後本格化する風力発電所のリプレース(建て替え)に先鞭をつけ、同時に大型陸上風車の最新鋭機の運転・保守に関するノウハウやデータ取得の面でも要注目の地点だ。

「新島牧の案件はJ-POWERグループはもちろん、建設・輸送にあたる事業者、地元の協力会社などを含めて、経験したことがないことの連続でした。現場の技術職はもとより、私のような事務職の者にも刺激に満ちた日々でしたね」

そう語るのは入社8年目の小泉裕亮さん。東京の本店のデスクからプロジェクト全体の進捗を見つめ、問題が生じれば打開策を練って、必要とあれば北海道の現地へ赴くといったタフな役回りだ。そうした折衝の中で小泉さんが肝に銘じたのは、

「いろんな人の話をよく聞くこと。とりわけ地元の皆さんの身になって考え、腹を割って話し合ううちに最適解が見えてくる。そんな経験を重ねることで問題発生を予見できるし、事前の対策も用意できる気がします」

J-POWERの風力事業は出力ベースで国内第2位のシェアを有する。既設の風力発電所は、設備の高経年化を踏まえ、いずれはリプレースが必要となる。

「今、風車が立っているのは風力の適地です。地域のシンボルとして親しみやすい存在でもある。そんな風車を少しでも長く運転することが地域貢献に結びつくと信じています」

取材・文/内田 孝 写真/斎藤 泉

遠隔地での営業運転には地元協力会社の手厚いサポートが不可欠。保守・点検業務などにともに携わるうちに「風車愛」も共有されるという。
協力会社のトップと気さくに語らう小泉さん。
日本海を望む丘の上に立つ風車は、風光明媚な村の新名所に数えられる。
東京の本店内で、全国各地に点在する風力発電所の現況などを確かめ合う。
事務方の仕事のモットーは「人繰り、資金繰りを含めて調整役に徹すること」と小泉さん。

PROFILE

J-POWER 陸上風力事業部
企画・技術室 企画タスク
小泉 裕亮