職種と人を知る

FIND OCCUPATION & PEOPLE

地下資源の可能性を求めて

滝沢 顕吾

J-POWER’S STAFF MEMBER

滝沢 顕吾

火力エネルギー部 地熱技術室

理工学研究科 地球科学専攻

2010年修了

現在の仕事内容について

地熱発電における地下資源の掘削計画を立案。

地熱発電は、火山の熱で温められた地下資源である蒸気を取り出し、その蒸気によってタービンを回して発電を行います。私の仕事は、地熱発電所の計画時における地下資源の調査や建設計画の立案、建設時における井戸の掘削、完成後の設備メンテナンスです。発電所の完成後は、安定して運転を続けるために、井戸をはじめとする設備のメンテナンスも行います。現在は、運転開始から40年以上経過した鬼首地熱発電所の設備更新計画などにも携わっています。地熱発電において特徴的な仕事が、地下資源の調査です。まず実際に候補地を歩き、自分の目で風景を確認します。岩石が崩れ、地中から蒸気が噴き出している場所には、地下資源が潜んでいる可能性が高いと考えられます。ですが、詳細に地下の状況を調査すると、予想が外れるということも珍しくありません。地熱発電においては、地下の様子が見えないことがリスクであり、地下資源を発見する精度を高めていかなければなりません。精度を高め、そして予測した通りに地下資源を掘り当てることが、この仕事の面白さだと感じています。

滝沢 顕吾

J-POWERで働く理由

日本に適した地熱開発を促進したい。

大学では地質の研究をしており、学んできたことを活かせる仕事に就きたいと考えていました。また、在学中にエネルギー事情に関心を持つようになり、日本のエネルギー自給率の低さを解決したいという思いから地熱発電のことを知り、J-POWERを働く場所として選びました。入社後、様々な業務を経験するうちに、地熱発電を広めていくためには色々な課題があることが見えてきました。目標を実現するためには、地道に一つ一つ課題をクリアしていかなければならないのだと気づかされました。地熱発電所を建設するには長い時間がかかるため、会社人生の中で関われる発電所の数は限られていると思います。ですが、将来的にエネルギー問題に貢献していくために、地熱発電所を一つずつ増やしていきたいと考えています。

所属する組織のミッション

地下資源を再生可能エネルギーとして有効に活用。

私たち地熱技術室の最大のミッションは、日本の地熱開発を促進することにあります。具体的な業務は地下資源に関わるものが多く、井戸の掘削方法の検討・工事計画立案・工事の施工監理が重要な仕事となります。掘削する井戸はその役割によって名称が異なります。例えば、生産井は地中にある地下資源を取り出す役割を、還元井は生産井から取り出した熱水および発電に使用し冷やされた蒸気を地中に戻す役割を担っており、どちらも地熱発電に欠かせません。地熱発電は、地下資源の多い日本に適した発電方式であり、再生可能エネルギーとして有効に活用することができます。また、再生可能エネルギーの中でも発電効率が高く、安定的に電力を供給できるため、ベースロード電源の一端を担う発電として大きな可能性を秘めています。地熱開発の規制も徐々に緩和されており、地熱発電への注目は高まっていると感じています。

滝沢 顕吾

印象に残っている仕事

地熱発電の井戸の性能試験。

私が初めて地熱発電の井戸を見たのは、入社1年目の時でした。当時、山葵沢地域(秋田県湯沢市)では調査井と呼ばれる地下資源調査用の井戸が既に掘削されており、私は噴気試験によって得られた蒸気噴出量の確認を担当していました。地熱発電でも用いられるフラッシャーと呼ばれる設備から勢いよく蒸気が空高く噴き上げており、これだけの膨大なエネルギーが発電に利用されると思うと、非常に印象的でした。現在は山葵沢地熱発電所として運転を開始しています。その工事の中で、発電に使用する生産井と還元井を掘る作業がありました。2種類の井戸の掘削は、事前に地表からの探査や、掘削した井戸から得た新しい地下情報等を最大限活用し、地下資源の発見の精度を高めた上で行いましたが、想定した深さで地下資源が発見できなかったこともありました。しかし、掘削後の噴気試験では、ほぼ予想通りの蒸気の噴出量が確認され、安堵したのと同時に、地熱発電の井戸の難しさを知りました。

滝沢 顕吾

オフタイムの過ごし方

野菜づくりで試行錯誤。

休みの日には、4歳と2歳の2人の子どもと遊んでいることが多いです。特に最近は、自宅の庭に畑をつくって、子どもと一緒に野菜を育てています。夏はミニトマトやナス、獅子唐、冬は人参やネギなどつくって食べています。野菜は水はけや土などの環境によって生育が異なり、同じ庭の中でも違う結果が表れます。たとえば、ブルーベリーが思うように育たないなど、失敗することもありますが、試行錯誤するのが面白いですね。こうした試行錯誤は、地熱開発の仕事にも通じる部分があると感じています。

CAREER STEP

滝沢 顕吾
2010

火力エンジニアリング部 地熱技術グループ

地熱坑井のメンテナンスおよび地熱調査の計画・設計・評価業務

2012

火力発電部 鬼首地熱発電所

坑井掘削工事の施工監理業務

2012

火力建設部 地熱・土木建築室

地熱坑井のメンテナンスおよび地熱調査の計画・設計・評価業務

2014

火力建設部 地熱室

地熱坑井のメンテナンスおよび地熱調査の計画・設計・評価業務

2020

火力エネルギー部地熱技術室

地熱坑井のメンテナンスおよび地熱調査の計画・設計・評価業務

  • J-POWER 採用SNS
  • Instagram
ページトップ