火力編@磯子 教師ツアー

エコ×エネ体験ツアー 火力編@磯子 教師ツアー 2021年ツアーレポート

先生方のための
エコ×エネ体験プログラム
火力編@オンライン

  1. ツアー概要
  2. ツアーのポイント
  3. プログラム
  4. 参加者インタビュー
2021年ツアーレポート

J-POWER(電源開発)グループは長年にわたり、エネルギーと環境の共生を目指した社会貢献活動「エコ×エネ体験プロジェクト」に取り組んでいます。
その中のひとつ「先生方のためのエコ×エネ体験プログラム火力編」は、例年、磯子火力発電所にて開催されるプログラムですが、今年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のためオンラインで実施しました。
先⽣⽅向けのプログラムでは、発電所⾒学や電気に加え、「持続可能な開発のための教育(ESD)」やSDGsを授業の中で実践する際のヒントを見つけていただくことを目的としています。

ツアー概要

  • 日程 2021年8月4日(木)9:00~17:00
  • 参加者数 小学校・中学校・高等学校 教師13名
  • 場所 オンラインにて開催

ツアーのポイント

  • すぐに実践可能な実験演示から、子どもたちの興味を惹くためのテクニックを学ぶ
  • 世界最高水準の発電効率を誇る石炭火力発電を360度映像で体感
  • 多面的な考え方を養うゲーム「エネルギー大臣になろう!」で、エネルギーの安定供給と環境保全、経済のバランスについて考える
  • 「エネルギーと環境のなぜ?」を参加者間で共有し、J-POWER社員との対話を通じて一緒に考える
  • さまざまな地方や校種の先生方と一緒に行うグループワークを通じ、授業づくりのヒントを得る

プログラム

9:00
オリエンテーション

先生方の顔が続々とオンライン会場のモニターに映し出されます。
進行をつとめるサイエンスカクテルの古田さんから、「本日のプログラム中のお約束として、リアクションは大きく、またお互いに“先生”ではなく、“さん”で呼び合いましょう」と声がけがあり、皆さんの硬い表情がほぐれ、リラックスした雰囲気で始まりました。

みなさん準備はいいですか?

みなさん準備はいいですか?

9:15
授業で使えるドクターの
「電気実験」

最初のプログラムは、ドクターこと高倉環境研究所の髙倉さんによる様々な発電方法の実験をライブで行いました。実験の助手はJ-POWERのよーこば(小林)と新人のかず(高山)がつとめました。

代表的な発電方法のモデルを使いながら、それぞれの長所と短所を学びます。身近なものを使いながら授業に使える実験方法を、時には笑いや踊りを交えながら紹介しました。

様々な発電方法を学んだあとは、今後のエネルギーの方向性について考えます。実証実験が進んでいる二酸化炭素の貯留技術も、ふ菓子をモデルに考えるとイメージがしやすく、先生方から大きな頷きが返ってきました。

今後も、電力需要がますます増大するなか、一つの発電方法で全てを賄うことはできません。技術開発を行いながら、経済効率性(Economic Efficiency)、安定供給(Energy Security)、環境への適合(Environment)の3つのEに、安全性(Safety)のSを加えた、「3E+S」の観点が大切であることを改めて考える時間となりました。

授業で使えるドクターの「電気実験」
エネルギーのベストミックス

水力発電

起動と停止が早くコントロールしやすいのが特徴です。

水力発電

雨が降らないと、水がたまらず発電ができません。エコ×エネチームに伝わる「雨乞いの踊り」を披露。

水力発電

風力発電

風車が回転することで電気が作られる風力発電は気象条件の影響をダイレクトに受けます。風が安定しないと電気の品質も安定しません。

風力発電

熱を利用した発電方法

ヤカンからでる蒸気で、プロペラを回し、電気がつく仕組みを解説。
地熱発電、バイオマス発電、火力発電、原子力発電はいずれも熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電方法です。方法は違えども、タービンを回すという原理は同じです。

熱を利用した発電方法

省エネ

LEDライトは、電気エネルギーを熱エネルギーではなく、直接、光エネルギーに変換しているため効率が良いとされています。触っても熱くありません。

熱を利用した発電方法

10:45
エネルギーの現場で学ぶ
「磯子火力発電所360度ツアー」

横浜にあるJ-POWER磯子発電所を360度映像で体験します。この360度映像は、YouTube上で限定公開している動画ですが、視聴者が自分の見たいところに焦点を合わせることができるのが特徴です。

各自で動画を見た後は、実際に磯子火力発電所内のエネルギープラザ杉下館長とつないで、詳しい解説をお願いしました。
最後に、感想や質問を手元のノートに書いて発表を行いました。

エネルギーの現場で学ぶ「磯子火力発電所360度ツアー」
エネルギーの現場で学ぶ「磯子火力発電所360度ツアー」
エネルギーの現場で学ぶ「磯子火力発電所360度ツアー」
エネルギーの現場で学ぶ「磯子火力発電所360度ツアー」

13:00
技術・社会・経済を考える
ワークショップ
「エネルギー大臣になろう!」

お昼休憩をはさんだ後は、技術・社会・経済を考えるゲーム「エネルギー大臣になろう!」を行いました。
このゲームでは先進国や発展途上国、資源国や小資源国など仮想国家のグループに分かれ、電気料金や設備利用率、環境負荷などについて、目標に応じたエネルギー政策のシミュレーションをします。
火力、水力、風力、原子力などさまざまな電源のメリット・デメリットを考えながら、目標達成を目指して得点を競いました。

エネルギー政策では3E+Sの観点の大切さをゲームを通して体験しました。また、合意形成の難しさや重要性を感じた先生も多かったようです。

技術・社会・経済を考えるワークショップ 「エネルギー大臣になろう!」
技術・社会・経済を考えるワークショップ 「エネルギー大臣になろう!」
技術・社会・経済を考えるワークショップ 「エネルギー大臣になろう!」

14:55
暮らしの中から課題を見つける「科学技術コミュニケーション概論」

休憩を挟んで、午後2つ目のプログラムは、サイエンスカクテルの古田さんによる「科学技術コミュニケーション概論」です。科学だけでは解くことができない問題(トランス・サイエンス)の考え方を紹介しながら、社会が議論を重ねていくことの大切さが伝えられました。
続いて、ドクターこと元J-POWERグループ社員の髙倉さんが、市民と自治体、企業が真剣に考えて公害防止に取り組んだ「横浜方式」とリプレース時の景観対策等について、実体験を交えて解説しました。
最後に、スタッフのよーこばからは高砂火力発電所勤務の経験を踏まえて、電力の安定供給を目指して働く社員のリアルなやりがいや苦労、現在抱える課題などをお話ししました。

暮らしの中から課題を見つける「科学技術コミュニケーション概論」
暮らしの中から課題を見つける「科学技術コミュニケーション概論」
暮らしの中から課題を見つける「科学技術コミュニケーション概論」

石炭の実物です。大きさの割に軽いことを、体感していただけないのが残念!

15:55
授業に生かすための
グループワーク

プログラムの最後は、3つのグループに分かれて、 子どもたちに伝えたいことや、今日のツアーで気づいたこと、授業に取り入れたいことを話し合いました。
エネルギーに限らず、物事に優先順位をつける難しさや、合意形成の重要性などが多く聞かれました。また、多面的なコミュニケーションを授業に取り入れる必要性など活発な議論が行われました。地域や校種を超えた先生方との話し合いは、有意義な情報交換の場となったようです。

授業に生かすためのグループワーク

参加者
インタビュー

  • オンラインなのに、アナログであることが良かったです。事前に配布されたノートにキーワードを書くスタイルで意見交換し、最後に学びのポートフォリオになるのが素晴らしかった!限られた時間でとても充実した内容でした。
  • 実験を見て、地熱発電、バイオマス発電、火力発電、原子力発電は、すべて「タービンを回す」という原理を利用しているということを初めて理解しました。
  • YouTubeでの360度映像は、現地の方が解説があってよかったです。まるでリアルなツアーのようでした。
  • コロナ禍が過ぎたら、現地で直接会って話し合いたいと思いました。先生方は校務が多忙で現実的でないかもしれないけれど、できれば一泊二日で、意見交換を更に充実させたいです。
  • とても刺激的で楽しい1日でした。ぼんやりとしていたものが、深く考えることで少しクリアになりました。やはりきちんと自分の頭で考える時間は大切だと思いました。このような機会をいただけてよかったです。
参加者インタビュー
参加者インタビュー
参加者インタビュー