巨大水力発電所建設でメコン川に挑む
Lao People's Democratic Republic
Pak Lay Hydropower Project
Global J-POWER ―世界とともに―
東南アジアのバッテリー・ラオス
「東南アジアのバッテリー」と呼ばれるラオス。アジアを代表する大河・メコン川が国土を縦断し、豊富な水力資源に恵まれている。総発電量の約8割(2024年は79.6%)をタイなどの東南アジア諸国へ輸出し、外貨を獲得している。
J-POWERは1990年代から、ラオスでコンサルティング事業を手がけてきたが、今回、同国で初めて自ら出資参画する案件として、パクライ水力発電所の建設に着手した(出資比率49%)。
パクライ水力発電所は、メコン川本流に建設される流れ込み式の発電所で、設備容量は77万kWに及ぶ。2026年3月に着工し、2033年の商業運転開始を目指している。運転開始後29年間は、発電した電力の全量をタイ発電公社(EGAT)へ販売し、その後、ラオス政府へ移管される契約だ。
パクライ水力発電所は、CO2を排出しないエネルギー源として、タイの電力供給の安定化とCO2の削減に貢献することが期待されている。
一方、ラオスにとっても、水力発電所の建設・運用を通じた人材育成が行えるほか、将来的に発電所が自国の資産となるというメリットがある。
本案件の事業会社Pak Lay Power Company Ltd.にJ-POWERから出向し、地質エンジニアとして活躍する和田壮又(そうすけ)さんに話を聞いた。
「現地の施工業者から提出される地質関連の図書をレビューし、さらに、建設中に想定される地質リスクへの対応策を検討することが主な業務です。特にこの現場では両岸の風化が深く、評価と対策が課題になります」
地質調査は、工事中はもちろん、発電所の将来にわたる安全を支える基礎となる。それだけに、慎重の上にも慎重を期さなければならない。和田さんは、入社以来経験してきた地質業務により培った知見と技術を活かし、日々の業務に取り組んでいる。
「大規模水力発電所を複数運営するJ-POWERですが、日本国内では新規案件が限られており、培ってきた知見や技術を我々世代へ継承するという意味でも、海外の大型案件に参加できることに大きなやりがいを感じています」
現地でのコミュニケーションにも注力
ラオスで働く中で、和田さんが最も苦労したのは、英語によるコミュニケーションだった。
「タイやラオス特有の訛りがある英語を聞き取るのに苦労しました。ただ、皆さん本当に親切で、何度聞き返しても丁寧に答えてくれるので、私は恵まれていると感じています」
現地スタッフとの交流も盛んで、週に2回ほど、宿舎の食堂で宴会が開かれるという。
「こちらでは、ビールに氷を入れて飲むのが一般的で、これが仕事後の楽しみになっています」
そう笑う和田さんは、ラオス語も少しずつ話せるようになりたいという。
今後について、「今後さらに経済発展していく東南アジア諸国をはじめ、世界中で、地質に関する知見や経験を活かし、発電所建設に貢献していきたいと思っています」と和田さんは力強く語ってくれた。

